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トヨタ、ロボティクス分野のベンチャー企業に最大200万ドル投資へ

ベンチャー企業向けファンドプログラム「Call for Innovation」を立ち上げ

2018年7月11日 発表

TRIが設立したベンチャーキャピタルファンドTAIV(Toyota AI Ventures)のロゴ

 トヨタ自動車は7月11日、家庭内や周辺で人々を助ける支援ロボットに使われる「モバイルマニピュレーション技術の向上」を第1弾募集領域とするベンチャー企業支援に関するグローバルプログラム「Call for Innovation」を立ち上げたと発表した。

 Call for Innovationは、トヨタの米国子会社で人工知能等の研究開発を行なうTRI(Toyota Research Institute)とTRIが設立したベンチャーキャピタルファンドのTAIV(Toyota AI Ventures)が立ち上げたプログラム。

 同プログラムでは、重要な技術課題を特定してベンチャー企業によるソリューションを募集することを通じてイノベーション促進を目指す。募集する技術領域において、有望なベンチャー企業に対して50万ドルから200万ドルをTAIVから投資するほか、TRIとの実証プロジェクトの実施を検討していく。

 第1弾はTRIのロボティクスチームが参画して、家庭内や周辺で人々を助ける支援ロボットに使われる「モバイルマニピュレーション技術の向上」を募集領域とする。将来的には、認識技術、機械学習、シミュレーションなど、ロボティクスや自動運転におけるTRIの研究開発の他の領域を対象として、技術課題を選定することも検討していくという。

 TAIVのマネージングダイレクター ジム・アドラー氏は「Call for Innovationを通じて、難易度の極めて高い課題を解決し、実ビジネスにつなげていける勇気にあふれる優秀で粘り強い起業家を求めています。関連製品の技術に取り組むベンチャー企業や、起業したくてもまだしていない起業家がいるかもしれません。本プログラムが、そのようなイノベーターたちが行動を起こすきっかけになることを願っています」とコメント。

 TRIのロボティクス部隊のダイレクターであり、モバイルマニピュレーション開発チームのトップを務めるマックス・バジュラチャーリアー氏は「ロボティクスは産業の自動化において大きなインパクトをもたらし始めていますが、家庭内外での支援ロボットにおいては技術的な難題が存在します。人々の日常ユースを前提に、『安全・安価で便利なロボットを作る』という究極目標の達成を助けるような革新的な技術やビジネスモデルを私たちは求めています」とコメントしている。

 第1弾のCall for Innovationでは、ハードウェア・ソフトウェアの技術を持つ世界中のベンチャー企業を対象として、次の要件を満たすことを条件とした。(1)これまでの資金調達額が300万ドル未満であること。(2)試作モデルを通じてソリューションのデモを行なえること。(3)ユーザーへの価値を提供する強固なビジネスモデルを有していること。

 TAIVは、7月11日から10月末にかけて今回の応募を受け付け、提出され次第、随時、応募内容の評価を実施。応募するベンチャー企業の組織、技術、ビジネスモデル、市場化戦略などの観点に基づく評価、および通常のデューデリジェンスを行なった後に、投資決定を行なっていく。

 なお、同プログラムへの応募はTAIVのWebサイトで実施している。