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トヨタ、AI搭載のコンセプトカー「TOYOTA Concept-愛i」シリーズを東京モーターショー2017で公開
人工知能で人を理解し、ともに成長するパートナーを目指す「未来の愛車」を具現化
2017年10月16日 17:46
- 2017年10月16日 発表
トヨタ自動車は、10月25日~11月5日(プレスデー:10月25日~26日、一般公開日:10月27日~11月5日)に東京ビッグサイト(東京都江東区有明)で開催される「第45回東京モーターショー2017」で公開する「Concept-愛i」シリーズの概要を発表した。
東京モーターショー2017に出展されるのは、1月に米国で開催された「CES 2017」に出展した4輪モデルの「Concept-愛i」に加え、「全ての人に移動の自由と喜びを」という思いのもとに新しく追加された、車いすユーザーや高齢者など誰もが自由に移動できるユニバーサルな小型モビリティ「Concept-愛i RIDE」と、歩行者と同じ空間を自由に動くことができる歩行領域モビリティ「Concept-愛i WALK」。
Concept-愛iシリーズは、人工知能を搭載することで人を理解し、人とクルマがパートナーの関係となるモビリティ社会の未来像を具現化したコンセプトカー。“more than a machine, a partner”をコンセプトに、ドライバーをより理解し、ともに成長するかけがえのないパートナーして、新しい時代の「愛車」となることを目指している。
シリーズに共通するコア技術の、人工知能を応用してドライバーの感情認識や嗜好推定を行なう「人を理解する」技術と自動運転技術を組み合わせてドライバーを「安全・安心」に導くほか、エージェント技術と組み合わせることでドライバーの気持ちを先回りした提案を可能とし、ドライバーに「新しいFun to Drive」をもたらすとしている。
Concept-愛i
Concept-愛iは、シリーズを代表する4輪モデルで、人工知能により人を理解するパートナーとして新しい時代の愛車となることを目指すコンセプトモデル。ディープラーニングなどの技術を用いてドライバーの表情・動作・声色から感情や覚醒度などを推定するほか、Web上のニュースといった一般情報、SNS発信や位置情報、車内での会話履歴などの情報を比較し、頻出するトピックからドライバーの嗜好を推定する人を理解する技術を採用している。
また、人を理解する技術と自動運転技術を組み合わせ、クルマの周辺状況やドライバーの状態を推定し、ドライバーとクルマの信頼度をモニター。クルマの信頼度が高い場合に、ドライバーが危険な状態、もしくはストレス状態と判断されると自動運転モードに切り替わる。さらに、ドライバーの感情、疲労度、覚醒状態に応じて視覚・触覚・嗅覚などの五感に働きかけ、ドライバーが眠気を感じているときは覚醒状態に、ドライバーがストレスを感じているときはリラックス状態に誘導するなどドライバーのサポートを行なう。
また、人を理解する技術とエージェント技術を組み合わせ、クルマがドライバーの感情や嗜好に応じて会話を誘導。ドライバーが興味のある話題をドライバーの気分に応じてクルマ側から提案するなど、従来にない双方向の自由会話を実現する。さらに、その時々のドライバーの感情と位置データを組み合わせて「Emotion Map」を作成。個人の感情を集積してビッグデータとして活用することで、少し遠まわりしてでも楽しめるルートを提案するなど、未知なる体験をもたらすとしている。
車両デザインは、キャビンを前に出した未来的シルエットとシンプルで開放的なインテリアとし、「INSIDE OUT」をデザインテーマとして、インストルメントパネル中央部に位置するエージェントを起点としながら、車体外装にまでインストルメントパネルの意匠が連続するシームレスなスタイリングを形成。また、3D-HUD(ヘッドアップディスプレイ)を用いた直感的なHMIとエージェントとの対話による新しいユーザーエクスペリエンスを提供する。
なお、Concept-愛iは今回の出展内容の一部機能を搭載した車両で、2020年頃に日本で公道実証実験を開始する予定。
Concept-愛i RIDE
「人にやさしい都市モビリティ」をコンセプトに、ユニバーサル性を重視した小型モビリティ。ステアリングやアクセル/ブレーキペダルが不要なジョイスティックを採用し、駐停車時は自動駐車や自動バレットパーキング機能による運転支援を行なうなど、車いすユーザーや高齢者など誰でも安全・安心に運転できるモビリティとした。
Concept-愛i RIDEは、大開口を確保できるガルウィングと乗降口にスライドする電動ユニバーサルスライドシートを採用し、車いすユーザーが不安に感じる車いすからの乗降を容易にするとともに、ガルウィングの開閉を利用して車いすの積み下ろしをサポート。車いすを簡単に収納できるよう、シートの作動なども工夫している。
また、インストルメントパネルの大型ディスプレイには、Concept-愛iシリーズの特徴である人を理解するエージェントを配置し、バリアフリー情報といった快適な外出をサポートする情報を能動的に提供する。
なお、シェアリングサービスでの活用も想定されており、人を理解するエージェントが利用するモビリティを行き来することで、安全で便利な移動を可能にするとしている。
Concept-愛i WALK
コンパクトなサイズと自動走行機能により、安全・安心に行動範囲を広げることができるモビリティ。歩行時に人が占有する面積と同等のコンパクトなパッケージとし、歩行者と同じ空間を走行できる。ハンドル部のセンサーやエージェントとの会話から、状況に応じて乗員を安全な状態に導くことができるほか、走行時に危険を察知した場合には、乗員に警告して自動回避を行なう。
また、停止時や走行時の安定性を確保するため、3輪と速度に応じたホイールベース可変機構を採用。ステア操舵による簡単な操作と低床フロアによって、年齢や性別、服装を選ばずに気軽に使用できるようにしている。
なお、Concept-愛i WALKもシェアリングサービスの活用が想定されていて、観光地での散策など、近距離移動の一環として使用できるモビリティを目指している。