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歴代ホンダ車がツインリンクもてぎで走った。「ホンダコレクションホール開館20周年記念 市販製品 特別走行」レポート
走行車両を全モデル紹介。動画もあり
2018年7月25日 15:56
- 2018年7月16日 開催
- 2018年9月24日 2回目開催予定
7月16日、ツインリンクもてぎ(栃木県芳賀郡茂木町)内にある南コースにて、「ホンダコレクションホール開館20周年記念 市販製品 特別走行」が行なわれた。
ホンダコレクションホールでは多くの車両が保存、公開されているが、その中の一部車両は走行可能な状態を保つ動態保存されている。今回は開館20周年を迎えることを記念してのデモンストレーション走行となった。
走行には、ホンダコレクションホールでレース車両走行テストを担当する元ホンダのワークスライダー宮城光氏や、2輪ライダーとして、元ホンダのワークスライダー伊藤真一選手、「MORIWAKI MOTUL RACING」より全日本ロードレース選手権JSB1000クラス参戦中の高橋裕紀選手が参加。4輪ドライバーとして、「Modulo Drago CORSE」チーム代表兼ドライバーとしてSUPER GT GT300クラス参戦中の道上龍選手、「KEIHIN REAL RACING」よりSUPER GT500クラス参戦中の小暮卓史選手も参加した。
全62モデルが約3分程度毎にデモ走行した。走行順で紹介していく。
スーパーカブ C100(1960年)
2018年に発売60周年となるお馴染みのスーパーカブシリーズ初代。1958年発売。配達などの業務に使いやすい工夫と耐久性の高さから人気となった。この当時からほぼデザインが変わっていない。
ドリーム CB750 FOUR(1969年)
量産2輪車初の750cc並列4気筒OHCエンジンで、最高速は200km/h。「ナナハン」という名前を浸透させるヒットモデルとなる。伊藤真一選手の運転で走行。
トゥデイ(1985年)
ショートノーズで、ウィンドウシールドから直線的に伸びたボンネットラインが特徴的。広い室内空間を実現している。道上龍選手の運転で走行。会場では「トゥデイ道上(※)」を生で見れたと大いに沸いていた。
※ニコニコ生放送の番組企画「脇阪寿一プロデュース SUPER GT現役レーサーがグランツーリスモ6でガチ対決!」内で、PS3のドライビングゲーム「グランツーリスモ6」でニュルブルクリンクのコースを脇阪寿一選手や本山哲選手、小暮卓史選手、土屋圭市選手などの運転するクルマに、視聴者投票で選ばれたトゥデイで挑戦した逸話からついたネーミング。
プレリュード(1987年)
3代目プレリュード。世界初の機械式4WS(4輪操舵)を採用していて、小回りが利く。リトラクタブルヘッドライトの低く構えた2ドアのデザインで、デートカーというジャンルを創出した。道上龍選手の運転で走行。
CBX400F(1981年)
DOHC4バルブの4気筒エンジンで当時の中型クラスとして最高の48PSを発生。クロスした4本マフラーのデザインと当時は珍しいリアのモノサスとコンビネーションランプ、インボードディスクブレーキが特徴的。高橋裕紀選手の運転で走行。
ビート(1991年)
軽自動車初のフルオープンミッドシップスポーツ。3連スロットルに前後異形タイヤ、NAで64PS、荷室はあまりない作りと、スポーツに振ったコンセプト。今でも根強い人気があり、2017年に一部純正部品の再生産が始まっている。後継は2015年発売のS660。
VT250F(1983年)
スリムなV型DOHC4バルブ250ccエンジンを搭載。当時、ヤマハの2ストロークモデル「RZ250」と人気を二分。その後VTシリーズは長く人気でVTRに継承、2017年まで続いた。
CB1100R RD(1983年)
1500台が生産されたホモロゲーションマシン。輸出専用市販公道レーサー。兄弟車のワークスレーサーRS1000は、1979年と1980年に世界耐久選手権で連続優勝している。この最終のRD型は120PS。伊藤真一選手の運転で走行。
NSR50(1987年)
2ストローク50ccのレーサーレプリカ。「Nチビ」とも呼ばれ、80ccモデルもある。当時、スズキ「GAG」(こちらは4ストローク)から端を発し、ヤマハ「YSR50」、カワサキ「KSR50」など相次いで発売。ミニバイクレースも盛んに行なわれていて、その最速を目指して作られた。レース専用車両の「NSR Mini」が2008年まで販売されていた。
NSR250R SP(1988年)
水冷V型2気筒2ストローク250ccレーサーレプリカ。ワークスレーサーNSR500のレプリカ。SPはマグネシウムホイールやワークスカラーなどを装備した特別モデル。ヤマハ「TZR250R」、スズキ「RGV250」と2ストレーサーレプリカブームを牽引する。高橋裕紀選手の運転で走行。
ゴールドウィング GL1500(1988年)
シルキーシックスとも呼ばれる、なめらかな1520cc水平対向6気筒エンジンを搭載したクルーザー。ヒーターの付いたベンチレーションシステムやラジオなども装備。広大な北米大陸の走行を想定していた。
CX650ターボ(1983年)
世界初のターボ搭載の市販バイク。650ccで100PSとリッターバイク並みの出力。4500rpmから効くターボの加速は強烈。この頃4輪を含めターボチャージャーブームが起きた。
シビック タイプ R(1997年)
自然吸気エンジンとして世界最高峰の高出力を目指す。直列4気筒DOHC VTECで185PSのエンジンを搭載。6代目シビック(EK9)の「タイプ R」バージョン。レカロシートやモモステアリングなども装備する。小暮卓史選手の運転で走行。
CBR250RR(1990年)
250ccの4気筒DOHCエンジンはレッドゾーンが19000rpm。高回転を得るため、カムギヤトレーンと呼ぶ通常チェーンやベルトを使うカム駆動にギヤを使う方式をとっている。この音が特徴的。1989年発売のCBR250Rの後継マシン。2000年まで販売。
VFR750R(RC30)(1988年)
V型4気筒エンジン搭載のワークスマシン「RVF」の市販レーサー。プライベーターがワークスに挑めるマシンとして、鈴鹿8耐やSBKで抽選販売になるほどの人気となった。タイヤ交換を素早くするためにリアスイングアームを片持ちの「プロアーム」にし、マフラーの取りまわしも左側になっている。伊藤真一選手の運転で走行。
S2000(1999年)
ホンダではS800以来のFR、2シーターのオープンカー。2.0リッター4気筒DOHC VTECエンジンで250PS。最高許容回転数は9000rpmというF1カー並の高回転。最大トルクも7500rpmで出力されるという高回転型エンジン。2009年で生産終了。
CB1000 SUPER FOUR(1992年)
「プロジェクト・ビッグ1」のコンセプトで作られた、CBシリーズのビッグネイキッドバイク。リア2本のサスペンションでオーバーリッターのネイキッドバイクのブームを牽引する。その後さらに排気量を増したCB1300 SUPER FOURへ受け継がれ現行販売されている。
CBR1100XX(1997年)
「スーパーブラックバード」というサブネームで、世界最速を目指したツアラー。この頃カワサキ「ZZR1100」「ニンジャZX-12R」、スズキ「GSX1300R隼」などのハイスピードツアラーと最高速で争い、2001年にオートバイでの最高速の上限を300km/hとする自主規制も行なわれることになった。
インテグラ タイプ R(2001年)
2.0リッターDOHC i-VTECエンジンで220PSを実現した2代目。ブレンボ製ブレーキキャリパーを装備。シビックに代わり世界最速FF車としてレースなどでも活躍する。2006年まで販売。小暮卓史選手の運転で走行。
NR(1992年)
楕円ピストンのV型4気筒750ccエンジン。レッドゾーンは15000rpmからだが、全域でフラットトルク。テクノロジーの粋を集めた夢のスーパースポーツマシン。本体価格は520万円で300台限定。高橋裕紀選手の運転で走行。
ゴールドウィング GL1800(2007年)
水冷水平対向6気筒レイアウトのまま、新設計の1800ccになり、13年ぶりにフルモデルチェンジした。2輪車世界初の電動式光軸調整機能付きディスチャージ式ヘッドライト、液晶マルチディスプレイや6連奏CDプレイヤー付オーディオシステムなどの充実装備。
DN-01(2008年)
スクーターなどのVベルト方式とは異なるオートマチックトランスミッション「HFT」で、オートマチックスポーツバイクという新ジャンルを目指したモデル。ニーグリップが可能で、シャフトドライブやリア片持ち式スイングアーム「プロアーム」などこだわった作り。
フィット(2001年)
燃料タンクを中央に配したセンタータンクレイアウトを採用し、広い室内空間を実現しヒットモデルとなる。2013年3月末時点で国内累計販売200万台を突破。世界累計販売台数では2011年8月に400万台を突破。
RC213V-S(2015年)
レーサー「RC213V」に必要最小限の変更と追加で公道仕様にした限りなくレーサーに近いレプリカ。2190万円という2輪車最高額で販売された。1000cc V4 DOHCエンジンにカムギヤトレーンを採用。150万円のスポーツキット装着で215PS以上を出す(国内仕様ノーマルは70PS)。最小限のマフラーやレバーガードに取って付けたようなミラーは特徴的。伊藤真一選手の運転で走行。
クラリティ フューエル セル(2016年)
水素を使った燃料電池自動車(FCV)。FCX、FCX クラリティに継ぐ3代目。排出するのは水のみで排ガスやCO2は一切出さない。これまではリース販売のみで、ホンダ初の量産型FCV市販車となる現行車。
イベントの最後にはサプライズで、道上選手の運転するNSX-Rに、会場内の3名の子供を同乗体験させてもらえるサービスがあった。これまで以上に攻めた運転で会場を沸かせていた。
走行終了後には、ホンダコレクションホールにてスペシャルトークショーも開催され、ライディング、ドライブした4名の選手が、ファンの前で感想や活動状況などを語ってくれた。最後には4名のサインの入った色紙がプレゼントされるジャンケン大会と記念撮影で幕を閉じた。
この「ホンダコレクションホール開館20周年記念 市販製品 特別走行」は、次回2018年9月24日(月曜日だが振り替え休日)10時~16時に同じ走行車両にて2回目が行なわれる(雨天時は翌日に順延予定)。興味が湧いたら、ぜひ実車で堪能して欲しい。
【お詫びと訂正】記事初出時、スペックの表記に一部間違いがありました。お詫びして訂正させていただきます。