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【鈴鹿8耐 2018】ヤマハ4連覇を達成した21号車YAMAHA FACTORY RACING TEAMのライダーが参加した記者会見
中須賀選手の「ケガによって、チームとしての絆が深まった」
2018年7月30日 14:20
- 2018年7月29日 開催
7月29日に三重県・鈴鹿サーキットで開催され、21号車YAMAHA FACTORY RACING TEAMの4連覇で幕を閉じた「2018 FIM世界耐久選手権シリーズ最終戦“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース 第41回大会」(鈴鹿8耐)。
その決勝レース後に行なわれた、ポディウムを獲得したトップ3チームと年間総合優勝チームによる記者会見でのコメントをお届けする。
優勝:21号車YAMAHA FACTORY RACING TEAM
中須賀克行選手:正直、僕は何もしていないんですけど、(優勝できて)非常にうれしく思いますし、しっかりバイクを作ってきて結果に結びついたので、自分がやってきたことは間違ってなかったなと思います。改めてこの2人(アレックス・ローズ選手とマイケル・ファン・デル・マーク選手)のすごさを間近で、肌で感じることができて、自分の刺激にもなりました。一緒に走ってここ(優勝記者会見)に来たかったんですけど、昨日の転倒でケガをして走ることなく終わってしまったのは悔しいですが、ヤマハが4連覇して、歴史を塗り替えることができたのはうれしいです。
(ケガの状況については)まったく問題ないです。チームメイトは僕が走れないと聞いたとき、チームだから大丈夫だ、と言ってくれました。僕のケガによって、チームとしての絆がさらに深まったんじゃないかと思う。勝ち続けられるように自分自身も、バイクも作って、また来年自分が中心となれるように頑張りたい。
アレックス・ローズ選手:最高の気分。中須賀サンは走ることはなかったが、彼のおかげでこのすばらしいバイクとチームで走ることができた。ヤマハは本当にいいバイクを作ってくれたと思う。僕は運よくいい天候の中で走れたけれど、マイケル(・ファン・デル・マーク選手)は雨が降ったりセーフティカーが入ったりという中で走って苦労したと思う。それでもすばらしいスティントを見せてくれてありがとうと言いたい。来年もここに来られるとうれしい。
マイケル・ファン・デル・マーク選手:今日は本当にタフなレースだった。中須賀選手がケガをしてしまって、2人で走らなければならなくなると分かって緊張した。最初のスティントは通常の1.5スティント分はあったので長く感じたし、3スティント目も長くて、それを乗り越えられて本当によかった。最後は(2番手に)いいギャップを作って、勝つことができたのもうれしい。来年もできればこの3人で5回目のタイトルが取れれば。
2位:33号車Red Bull Honda with 日本郵便
高橋巧選手:今日はコンディションがわるくて、スタート前から雨が降ってきて大変なレースでした。差をつけてバトンパスしたかったですが、(それがうまくいかず)悔しい気持ち。前半の4時間のうち(自分が)3時間走って、その後2人に任せてしまったので、そういうところでもうちょっと引っ張っていけるようにしたかった。2人には自分が作った完成しきっていないマシンで頑張ってもらったので、また来年乗れる機会があれば、もっとしっかり準備をして、万全の体制で挑めるようにしたいと思う。
中上貴晶選手:3人ベストを尽くしたと思いますが、2位で負けてしまったので悔しい気持ちが強い。今回、昨年自分が転倒してしまったことからリベンジしたいという気持ちもありました。そういうなかでベストを尽くせたのはよかったですが、来年またチャンスがあれば、「打倒ヤマハ」で戦いたいなと思っています。
パトリック・ジェイコブセン選手:難しいレースだった。ウェットでのレースは未知の世界で緊張していた。自分は雨が好きだし、ワークスチームという環境で、本当ならもっとベストを尽くせたはず。まったく知らないコース、環境のなかでできるだけのことはやったと思うけれど。チームメイトは2人ともすばらしい走りをしていて、もう少しで優勝できたかもしれないので、これからも頑張っていきたい。
3位:11号車Kawasaki Team GREEN
渡辺一馬選手:昨日までの流れがあれば勝てるチャンスはあったと思う、勝てなくてすごく悔しい。チームとして精一杯頑張った結果なので、この悔しさを忘れず、来年に向けて自分自身ももっと強く、速くなれるように努力し続けないといけないと思う。個人的には2年続けて表彰台に上ることができたので(うれしい)。バイクや体制を用意してくれたチームとスタッフ、カワサキのみんなにお礼を言いたい。
ジョナサン・レイ選手:大変難しい、変化の激しいコンディションで、全力を尽くしたけれども、悔しいと思うところはたくさんある。今日は勝つことはできなかったが、パワーのある勝てるバイクということは証明できたと思う。こんな難しいレースですばらしい仕事を成し遂げたチームメイトとレースができてよかった。
(セーフティカー導入中のスリップダウンについては)何が起こったのかよく分からない。ウェットでスリックタイヤをはいていた。ピットに入りたかったが、そのピットからは「ステイ(まだ入るな)」というサインが出ていて、その後になんだかおかしな感じでクラッシュしてしまった。うまく言えないが、ケガはないし、すぐにピットに戻ってレースを続行できたけれど、タイムロスになってしまったのは残念だった。
レオン・ハスラム選手:うれしくもあり、悔しくもある。過去、鈴鹿8耐では2位を2回、3位を1回経験していて、今年こそは優勝したいという気持ちがあった。自分のスティントではアレックス(・ローズ選手)といいバトルができたりしてレースは楽しかったし、いろいろあったなかで3位で終わることができたのはよかったのではないか。来年もまたここに戻ってきて優勝を狙いたいと思う。
2017-2018 FIM世界耐久選手権の総合優勝:5号車F.C.C. TSR Honda France(ジョシュ・フック選手は体調不良により欠席)
フレディ・フォレイ選手:最高だ。チームが1年を通してベストを尽くし、このように成果が出てうれしい気持ちで一杯。日本のファンがいる鈴鹿8耐で決められたのもよかった。フジ(藤井監督)のホームでもあるし、ホンダのホームでも、(装着タイヤの)ブリヂストンのホームでも、F.C.C.のホームでもあるし、こういうところでチャンピオンシップを獲得できたのは本当にうれしい。
アラン・テシェ選手:ワールドタイトルを獲得できて最高にうれしい。2016年からEWCに参戦して、もちろんチャンピオンになることは目標にはあったけれど、3年でそうなれるとは思っていなかった。鈴鹿で勝つことができたというのも喜ばしいこと。ポディウムから見た景色は一生忘れない。
藤井正和監督:われわれがここにいるのは鈴鹿のおかげ。鈴鹿がわれわれを鍛えてくれた。なんとか鈴鹿で活躍したい、いい結果を出したい、そう思ってレースを始めてトライしてきた。なおかつホンダが厳しく指導してくれて……指導といってもね、教えてくれないんですよ。それどころか、Hなんとかレーシングというところはですね、見せてくれない、教えてくれない、貸してくれない。しかし、必ずやっつけてやるぞ、絶対乗り越えてやるぞと思い続けて、優勝することができた。これからが楽しみ。次の目標はこれから考えます。