ヤマハとGogoro、EVで協業の検討開始。台湾市場にヤマハブランドの電動スクーターを2019年夏ごろ投入

Gogoroのバッテリーステーション

　ヤマハ発動機と台湾のGogoro Inc.は9月11日、ヤマハブランドの電動スクーターの開発など台湾市場におけるEVビジネスでの協業に向けた検討を開始したと発表した。協業は電動2輪車の開発・製造委託、バッテリー交換システムの共用に関するもので年内の正式契約を予定している。

　具体的には、Gogoroの市販車をベースとしたヤマハブランドの電動スクーターをヤマハでデザインし、生産をGogoroに委託する。完成車両はヤマハの現地法人であるヤマハモーター台湾の販路を通じて台湾市場で販売する。第1弾モデルの投入は2019年夏ごろを計画している。なお、両社のビジネスパートナーである住友商事の協力を得るとしている。

　Gogoroは2015年から台湾2輪車市場に参入。自社製電動スクーターと簡単にバッテリー交換ができるバッテリーステーションを設置するといった新しい電動2輪車ビジネスを展開している。

　バッテリーステーションはGogoro エナジーネットワークによって現在までに台湾で750か所以上に設置され、2019年には1000か所を超える予定。なお、設置開始から1700万回以上のバッテリー交換実績があり、Gogoroではこの協業により電動2輪車の生産量拡大を見込む。

　ヤマハでは、Gogoroとの協業により台湾市場におけるエンジン車を含めたラインアップ拡充を進め、EVにおいてはGogoroが持つバッテリーステーションの活用によるユーザーの利便性向上を図る狙い。

　ヤマハ発動機 執行役員 MC 事業本部長 木下拓也氏は「このたびの台湾におけるGogoroとの協業は、お客さまのモビリティの選択肢を広げるとともに、先進的なバッテリー交換システムを共用することで、新たなモビリティサービスと市場創出にチャレンジできるものと考えています」とコメント。

　Gogoro Inc. CEO ホレイス・ルーク氏は「Gogoroはエネルギーネットワークインフラを活用したオープンプラットフォーマーとして設立、大都市におけるスマートシティ化への変革を推進しています。今回のヤマハとの協業はその実現に向けた大きな一歩であり大変光栄に感じます」とコメントしている。