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【東京モーターサイクルショー 2018】バイクのトレンドはリチウム系バッテリー? メーカーブースを紹介

2018年3月23日~25日 開催

東京モーターサイクルショー 2018のメーカーブースをチェック

 3月23日~25日に、東京ビッグサイト(東京都江東区)で「東京モーターサイクルショー2018」が開催されている。3月16日~18日に行なわれた大阪モーターサイクルショー2018に続くイベントということで、すでにそちらで発表されたモデルもあるが、今回の東京で初めてお披露目となったものもある。ここでは国内外のバイクメーカーを中心に、一部パーツメーカーの展示も交えて紹介する。

新生「モンキー」やネイキッドスポーツ「CB1000R」を展示するホンダ

ホンダブース

 ホンダブースでは、2018年に発表、発売される各種ニューモデルを中心に展示。「CBR1000RR」の系譜をもつネイキッドロードスポーツ「CB1000R」、Dual Clutch Transmission採用の大型ツアラー「Gold Wing Tour」のほか、人気の高いスクーターPCXの電動バージョン「PCX ELECTRIC」や、惜しまれつつ2017年で生産終了となった「モンキー」の後継「モンキー125」などを見ることができる。

ネイキッドロードスポーツ「CB1000R」
大型ツアラー「Gold Wing Tour」
電動スクーター「PCX ELECTRIC」
「モンキー125」
「クロスカブ110」

前2輪の3輪バイク「NIKEN」の迫力を間近に感じられるヤマハブース

ヤマハブース

 ヤマハ発動機は、3月23日に発表した電動トライアルバイク「TY-E」のほか、前2輪の3輪バイク「Tricity(トリシティ)」シリーズの大排気量版「NIKEN(ナイケン)」を目立つところに展示。専用チューニングが施されたKYBサスペンションとオーリンズサスペンションなどを搭載する「MT-09 SP」、カスタムスタイルの「XSR700」も注目。シートバッグなどのオプション品を装着している車両も多く、「日常生活のなかのバイク」を意識させるような展示が目立つ。

「NIKEN」
3輪バイクの構造が分かるフレームの展示
「MT-09 SP」
参考出品車のカスタムした「XSR700」
電動トライアルバイク「TY-E」
ツアラーとしての性格を強めたアドベンチャーバイク「Tracer 900 GT」。アクセサリーを装着
こちらの「MT-25」もアクセサリーを装着
「YZF-R1」などで採用されているシルバーカラーの電動アシスト自転車「YPJ-XC」も

ケビン・シュワンツのライディングを体感できるVRコンテンツが人気必至のスズキブース

スズキブース

 スズキは新型のVツインスポーツバイク「SV650X」、洗練されたスタイリングの125ccスクーター「Swish」、2018年モデルの海外向けスーパースポーツ「GSX-R1000R」、小排気量のコンパクトスポーツ「GSX-R125」などを展示。フィリップアイランドでのケビン・シュワンツ氏の走行を360度カメラで撮影し、それをVR化した「VR Experience」は必見。実際のバイクにまたがり、コーナーではバイクを倒しながらVR映像を視聴できる。

「SV650X」
「Swish」
「GSX-R1000R」
「GSX-R125 ABS」
ケビン・シュワンツ氏のライディングを体験できる「VR Experience」

ハイパフォーマンスバイクで「強さ」を押し出すカワサキブース

カワサキブース

 川崎重工業は、スーパーチャージャー搭載のバイク「H2」の派生となるツアラーバージョンの「Ninja H2 SX SE」を中心に、他のH2シリーズや「Ninja 1000」「Ninja ZX-10R SE」など、ハイパフォーマンスバイクが勢揃い。同社が掲げる「RIDEOLOGY」というコンセプトに沿って、「強さ」を表現したブース展示となっている。ティアドロップタンクやグラフィックなどにレトロな雰囲気をまとわせる「Z900RS」、4月から発売予定のネイキッド「Z900」も目にすることができる。

「Ninja H2 SX SE」。コーナリングライトを装備する
「Ninja H2 Carbon」
「Ninja ZX-10R SE」
「Ninja 1000」
「Z900RS」
「Z900」

海外バイクメーカーはプジョーのスクーターに注目

 ハーレーダビッドソン、BMW、ドゥカティ、トライアンフなど多数の海外メーカーが出展しているが、中でも注目したいのが、2018年から日本に本格進出するプジョーのスクーター。日本では4輪メーカーとしては知られていても、2輪メーカーとしては知名度が低いだけに、同社がバイクを作っていることを知らない人もいるかもしれない。が、実は1901年に原動機付き自転車を発売した老舗2輪メーカーでもある。

 プジョーのブースは、日本における総代理店となったADIVAが出展しているもの。展示しているのはいずれも125ccのスクーターで、レトロデザインの「ジャンゴ 125」シリーズと、スポーティーな「スピードファイト」シリーズ。フランスメーカーらしく、ファッション性の高いエレガントなデザインを特徴としている。

プジョーのブース
「ジャンゴ 125 エバージョン」
「ジャンゴ 125 アリュール」
「スピードファイト 125 R-CUP」
ハーレーダビッドソンのブース
アンベールされた新モデル「Iron 1200」
同じく新モデル「Forty-Eight Special」
ハーレーのカスタムコンテスト「Battle Of The Kings 2018」で、日本国内で受賞した3台を展示
ドゥカティのブース。2018年の新型「Panigale V4 S」などを展示
「Scrambler CAFE RACER」
トライアンフのブース。2019年シーズンからのMoto2エンジンサプライヤーに決まったこともあり、そのベースとなるSTREET TRIPLE RSの3気筒エンジンを展示
「STREET TRIPLE RS」
BMWのブース

新製品をアピールするタイヤメーカーと、今後期待のバッテリーメーカー

 国内のタイヤメーカーであるブリヂストンは、2017年の鈴鹿8時間耐久レースで優勝した「21号車 ヤマハ ファクトリー レーシング チーム」の「YZF-R1」を展示。誰でも実際にまたがって、チャンピオンマシンのライディング視点やポジションを確認できる。2月から販売しているツーリングスポーツタイヤ「BATTLAX SPORT TOURING T31」やアドベンチャーバイク用タイヤ「BATTLAX ADVENTURE A41」などの新製品も展示している。

ブリヂストンのブース
2017年の鈴鹿8耐の覇者、21号車にまたがれる
サーキット向けの新製品「BATTLAX RACING R11」
アメリカンバイク向けの「BATTLECRUISE H50」
ツーリングスポーツタイヤ「BATTLAX SPORT TOURING T31」
アドベンチャーバイク用「BATTLAX ADVENTURE A41」

 一方、ダンロップは3月発売のプレミアムスポーツタイヤ「SPORTMAX Roadsport 2」を中心に展示。性質の異なる2層のコンパウンドを組み合わせた「パフォーマンスコンパウンドレイヤーズ構造」の採用により、耐摩耗性能が従来比43%向上したというロングライフをアピールしている。

ダンロップのブース
プレミアムスポーツタイヤ「SPORTMAX Roadsport 2」
「パフォーマンスコンパウンドレイヤーズ構造」で耐摩耗性能が43%向上
同距離走行後のタイヤの外観を比較
従来製品の「SPORTMAX Roadsport」。スリップサインが見えている
新しいSPORTMAX Roadsport 2は、従来製品よりも溝がまだまだ残っている
NGKスパークプラグの日本特殊陶業のブース
MotoGPマシンが並ぶ
MotoGPマシンのエンジンも展示
サイズ、シリーズ違いのスパークプラグがぎっしり
どのスパークプラグが自分の車種に適合するのか、検索できるコーナーも

 ところで、バイクでは鉛バッテリーに代わる軽量なリチウム系バッテリーが昨今のトレンド。いくつかのメーカーが開発しているが、今後注目度が高まりそうなのがエリーパワーだ。元々は住宅用の蓄電システムに用いられるリチウムイオンバッテリーを開発・製造している日本のメーカーだが、その技術を応用してバイク用バッテリー事業に参入した。2017年にホンダのCBR1000RR SP/SP2に純正採用され、2018年からはさらに「CRF1000L Africa Twin」、競技車両の「CRF450R/RX」「CRF250R」にも採用されている。2017年のJSB1000に参戦したKawasaki Team Greenの「Ninja ZX-10RR」にも採用された実績がある。

エリーパワーのブース
左がエリーパワーのリチウムイオンバッテリー、右が従来型の鉛バッテリー

 バッテリーセルから同社独自に開発。従来の鉛バッテリーに比べ約2kg軽量で、動作温度が-10℃~65℃と幅広く、始動性がよいことも特徴としている。さらに、スペックには現われない、安全性と信頼性に特に注力して開発しているとのこと。外観のデザイン性が高いのも特徴だ。現在はホンダの純正採用品としてのみ流通しているが、将来的には他メーカーへの純正採用や一般販売を目指したいとしている。今のところ、競合となるSHORAIやAZなどのリチウムポリマーバッテリー、リチウムイオンバッテリーと比較してコスト面で不利なのが課題だが、担当者は量産効果を出して競争力をつけたいと話していた。

従来の鉛バッテリーと比べ約2kgほど軽量。デザイン性も高い
自然放電は従来の鉛バッテリーより少ないが、充電の必要がある場合は専用充電器を用いる
Kawasaki Team Greenの「Ninja ZX-10RR」に採用
最初に採用されたのは2017年型の「CBR1000RR SP/SP2」
2018年は「CRF1000L Africa Twin」「CRF450R/RX」「CRF250R」にも採用