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ブリヂストン、2018年に投入する2輪車用タイヤ「BATTLAX」5製品の新商品発表会
2018年2月発売。スポーツツーリング、アドベンチャー、スクーター、サーキット、4つのカテゴリーに5つの新商品
2017年11月30日 22:13
- 2017年11月30日 開催
ブリヂストンは11月30日、2018年2月に発売する2輪車用タイヤブランド「BATTLAX」の新商品「BATTLAX SPORT TOURING T31」「BATTLAX ADVENTURE A41」「BATTLAX SCOOTER SC2」「BATTLAX SCOOTER SC2 Rain」「BATTLAX RACING R11」を発表した。価格は1万2600円~3万1350円、BATTLAX RACING R11についてはオープンプライスとなる。
新商品はスポーツツーリングカテゴリーの「BATTLAX SPORT TOURING T31」、アドベンチャーカテゴリーの「BATTLAX ADVENTURE A41」、スクーターカテゴリーの「BATTLAX SCOOTER SC2」「BATTLAX SCOOTER SC2 Rain」、サーキットカテゴリーの「BATTLAX RACING R11」といった、4カテゴリーに5つの商品が投入される。
BATTLAX ADVENTURE A41では本田技研工業の「アフリカツイン」をはじめ各メーカーが新モデル投入するアドベンチャーカテゴリーに対応。スクーターカテゴリーに投入されるBATTLAX SCOOTERシリーズではウェット性能に特化したモデルを用意するなど、新商品は幅広いユーザーのニーズに対応したラインアップが特徴となっている。
同日発表会が開催され、ブリヂストン MCタイヤ事業部長 内田達也氏、同 MCタイヤ開発部設計第2ユニットリーダー 高橋淳一氏が新商品の特徴やマーケティング戦略を説明した。
内田氏からは、同社のモーターサイクルタイヤ開発の位置付けが語られ、バイクの進化に合わせてタイヤを開発する「新車タイヤ開発」、モータースポーツでタイヤを鍛える「モータースポーツ活動」、さまざまなバイクライフに合わせて1人ひとりのニーズに合わせた商品開発をする「リプレイスタイヤ開発」という3つの柱を紹介。内田氏は「3つの開発を通じて、我々がお客様に走る喜びと安心感をお届けするのがBATTLAXシリーズである」との考えが示された。
また、直近の2輪車市場環境について「2輪車全体としては需要が伸び悩んでいるが、一方で250ccを超える趣向性の高い領域においてはここ数年伸びてきている。これは、世の中にさまざまな趣向品があるなかでバイクというものがあらためて見直されているのではないかと思っている。日本のメーカーのみならず、海外のメーカーからもいろいろな商品が出され、その多様性がお客様の心に届いて販売が伸びてきているのではないかと思っている。我々の取り組みも1人ひとりのお客様のニーズに応えていくことが重要」と、5つの新商品を投入する意義を示した。
続いて登壇した高橋氏からは、新製品それぞれの特徴などが説明された。
BATTLAX SPORT TOURING T31
BATTLAX SPORT TOURING T31は、従来品「BATTLAX SPORT TOURING T30EVO」の安定性やライフ性能を維持しながら、ウェット性能や軽快性を向上させたスポーツツーリングカテゴリーのフラグシップモデル。特にウェット路面における制動距離短縮やコーナリング時のグリップ性能を追及したという。
フロント、リアに新設計のパターンを採用。新設計のパターンは、ショルダー部分では溝の割合を上げて排水性を確保させることでウェット性能を向上。センター付近では溝の割合を減らすことでブロック剛性を上げて、ウェット制動距離の短縮を追及した。
フロントは新開発コンパウンドを採用。シリカの分散を分子レベルで改良して、ゴムの柔軟性が上がることで、荷重がかかったときにゴムが路面凹凸へ食い込みやすくなり、かつ分子を動きやすくすることでエネルギーロスを発生させグリップ性能向上に貢献。特に、低温域でのグリップ性能を追及し、これによってウェット路面でも高いグリップ性能を発揮させる。リアは3レイヤーのコンパウンドを採用し、センター部分のコンパウンドがショルダー部分のベースにも広がっていることでショルダー部分の剛性が高くなり、特にコーナリング時の安定性の確保に貢献。
そのほか、同社のタイヤ開発技術「アルティメットアイ」の活用による接地性の改良が施されたという。
新商品T31と従来品T30EVOの比較について説明した高橋氏は、抜群のウェット性、快適性と十分な安定性、摩耗ライフをバランスさせたタイヤであることを示した。
BATTLAX ADVENTURE A41
BATTLAX ADVENTURE A41は、従来品「BATTLAX ADVENTURE A40」対比でライフ性能を同等レベルに確保しながら、ウェット性能・直進安定性を追求した、アドベンチャーカテゴリーのフラグシップモデル。ウェット路面における制動距離やコーナリング時のグリップ性能を追及した。
フロント、リアともに新設計のパターンを採用。新設計のパターンは、ショルダー部分では溝の面積を増やして排水性を確保させることでウェット性能を向上。センター部分では溝の面積を減らすことでブロック剛性を上げて、ウェット制動距離の短縮を追及した。
新採用のコンパウンドでは低温時のグリップ性能を追及し、これによってウェット路面でも高いグリップ性能を発揮。また、フロントは3LC、リアは3LC+CAP&BASEトレッドを採用、ドライ路面におけるコーナリンググリップ性能を確保したとしている。
新商品A41と従来品A40の比較について説明した高橋氏は「全般的な性能はウェット性能を中心にほぼ全方位で進化させたのがA41。摩耗ライフ、ロードノイズ、OFF路性能についてはA40同等とした」と紹介した。
BATTLAX SCOOTER SC2、BATTLAX SCOOTER SC2 Rain
BATTLAX SCOOTER SC2は、ドライ路面におけるグリップ性能、ロールリニア性に優れるタイヤとの位置付け。フロント、リアにハイパースポーツカテゴリーのフラグシップモデル「BATTLAX HYPERSPORT S21」系のパターンを採用。ショルダー部の高いブロック剛性で、コーナリング時のドライグリップ性能向上に貢献。また、溝角度を最適化することで、優れたロールリニア性を追及。新たに採用されたコンパウンドは、グリップ向上剤比率を高めたことにより、全温度域で高いドライグリップ性能を発揮。
BATTLAX SCOOTER SC2 Rainは、ウェット路面における駆動性・ハンドリングに優れるタイヤとの位置付け。フロント、リアにスポーツツーリングカテゴリーのフラグシップモデル「BATTLAX SPORT TOURING T31」系パターンを採用。トレッド部全体の溝の面積を増やすことで良好な排水性を実現して、高いウェット性能を追及した。コンパウンドはシリカ比率を高めた配合を採用することで、ウェットトラクション、ウェットハンドリングの向上を目指した。また、160/60 R15サイズでは3LCトレッドを採用することで、コーナリング時のドライグリップを確保した。
SC2とSC2 Rain、2つのモデルを用意することについて高橋氏は「実際のお客様ニーズを考慮したときに、2つのラインに分けて提供することがお客様への提供価値向上に繋がると考えた。SC2はリニア性やグリップを改良。バイク本来の気軽に乗れて楽しく乗れる部分を追求した。SC2 Rainは通勤通学といったコミューターユースとしてのニーズに応え、日々の生活を支えるタイヤ」とそのコンセプトを紹介した。
BATTLAX RACING R11
BATTLAX RACING R11はサーキット走行向けタイヤ。新設計パターンと新開発ベルト構造、さらに新リアコンパウンドの採用により、高いグリップ性能と確実な接地感を具現化。サーキット走行における安心感と乗りやすさを追及。R11はサーキット走行をするユーザーに向けて限定販売される。
R11について説明した高橋氏は「(オッシャースレーベン)サーキットでのラップタイムでは、従来品R10より1秒以上速く、サーキットの世界では次元の違うラップタイム向上が図れた」と紹介するとともに「R11はサーキットでの走行性能を追求しているので、一般公道での走行は推奨していません。サーキットに限定して販売する商品」と特別なタイヤであることを強調した。