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【JAF鈴鹿グランプリ 2018】SF最終戦、山本尚貴選手がポールポジション獲得。Q1、Q2、Q3でトップタイム

キャシディ選手は4位、石浦選手は11位。チャンピオン争いは山本選手が優位に

2018年10月26日~28日 開催

ポールポジションを獲得した山本尚貴選手(16号車 TEAM MUGEN SF14)

「2018年 全日本スーパーフォーミュラ選手権 最終戦 第17回JAF鈴鹿グランプリ」が10月26日~10月28日の3日間、三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキット 国際レーシングコースで開催されている。10月27日は予選が行なわれ、山本尚貴選手(16号車 TEAM MUGEN SF14)がポールポジションを獲得した。

 山本選手はこれで1ポイントを加えて、ランキング2位だった石浦宏明選手(1号車 JMS P.MU/CERUMO・INGING SF14)を抜きランキング2位に浮上した。ランキングトップのニック・キャシディ選手(3号車 ORIENTALBIO KONDO SF14)は予選4位、石浦選手は予選11位に沈み、明日のチャンピオン争いは山本選手が大きく有利になった。

ポールポジションを獲得したことにより、山本尚貴選手はポールポジションポイントを獲得

関口雄飛選手がまさかのQ1落ち、山本選手が絶好調のトップタイム

山本尚貴選手(16号車 TEAM MUGEN SF14)

 12時35分から始まった予選1回目(Q1)は開始から5分が経過し、1回目のアタックが始まった。その中で山本尚貴選手(16号車 TEAM MUGEN SF14)が1分38秒477という、Q1で利用するミディアムタイヤとしてはかなり速いタイムをマークする。その直後、野尻智紀選手(5号車 DOCOMO DANDELION M5S SF14)のリアからオイルが漏れ、ピットレーンの入口あたりで出火するというトラブルが発生。火はすぐに消されたものの、野尻選手は走行不能になり、Q1敗退が決定した。

 野尻選手は安全な場所で停止していたのだが、ピットレーンとコース上にオイルが巻かれていることが確認されたため、この時点で赤旗が出され、予選は中断となった。

石浦宏明選手(1号車 JMS P.MU/CERUMO・INGING SF14)

 15分程度の中断後開始されたが、すでにタイムを出していた山本選手が出ていかない中、チャンピオンを争う石浦宏明選手(1号車 JMS P.MU/CERUMO・INGING SF14)、ニック・キャシディ選手(3号車 ORIENTALBIO KONDO SF14)はQ1を突破しているのに十分なタイムを出しておらず、山本選手に比べて追い込まれた状態でタイムアタックすることになり、いずれもギリギリの中でのアタックになった。その中でも両選手は石浦選手が11位、キャシディ選手が8位でQ1を通過した。

ニック・キャシディ選手(3号車 ORIENTALBIO KONDO SF14)

 チャンピオンの可能性があるドライバーの1人だった関口雄飛選手が17位でまさかのQ1落ちとなってしまい、チャンピオン争いではかなり不利な状況に追い込まれた。

関口雄飛選手(19号車 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14)

Q2でも山本選手がトップタイム、石浦選手がまさかのQ2落ちで11位

 Q2はソフトタイヤに全車交換して交換した。セッションは全車問題なくアタックが行なわれたが、トップタイムをマークしたのは、Q1と同じく山本尚貴選手。山本選手は他のドライバーが2周のウォームアップをしてからタイムアタックをしたのに対して、山本選手は1周のウォームアップで、2周目にタイムを出した。このため、セクター1ではタイヤが暖まり切っていなくてタイムを出せなかったのだが、セクター2、セクター3で上手くまとめることに成功して、トップタイムをマークした。

石浦宏明選手(1号車 JMS P.MU/CERUMO・INGING SF14)

 このQ2での波乱はランキング2位の石浦宏明選手が11位に終わり、Q2で脱落してしまった。石浦選手はQ2で、2周のウォームアップを行ないタイムアタックをする作戦に出たのだが、それが裏目にでた形だ。同じように2周のウォームアップを行なったニック・キャシディ選手は7位でQ2を突破してQ3へ進むことになった。他にも国本雄資選手(2号車 JMS P.MU/CERUMO・INGING SF14)もQ2で脱落しており、有力チームのセルモ・インギングは2台ともQ2落ちとなってしまった。

Q1、Q2、Q3すべてでトップタイムをマークした山本選手がポール獲得、明日のチャンピオン争いも優位に

SF14最後の予選をポールポジションで飾った

 Q3でも、ドライバーによってウォームアップ2周か1周かで選択が分かれる結果となった。その中で一発のタイムをマークしたのは、山本尚貴選手。1分37秒909というこの予選の中で最も速いタイムをマークし、2位にぶっちぎりでポールポジションを獲得した。これでポールポジションに与えられる1ポイントをマークし、ランキング2位だった石浦宏明選手を抜き、同点ながら2位に浮上した。山本選手は今回の予選では、Q1、Q2、Q3すべてでトップタイムをマークしており、その好調さは際立っている。

山下健太選手(4号車 ORIENTALBIO KONDO SF14)
中嶋一貴選手(36号車 VANTELIN KOWA TOM’S SF14)

 予選2位は山下健太選手(4号車 ORIENTALBIO KONDO SF14)、予選3位には中嶋一貴選手(36号車 VANTELIN KOWA TOM’S SF14)となった。

ニック・キャシディ選手(3号車 ORIENTALBIO KONDO SF14)

 ランキングトップのニック・キャシディ選手は4番になり、明日のレースでポールをとった山本選手を追いかけることになる。山本選手が優勝した場合には、キャシティ選手は2位ではチャンピオンになることができないため、明日のレースでは山本選手の前にでる必要がある。予選終了時点で4点差であるため、チームメイトとなる山下選手が山本選手を抜きトップに立ち、山本選手が2位の場合にはキャシディ選手が5位以下である必要があるため、今度はキャシディ選手が優位に立つ。その意味では、明日のスタートが大きな意味を持つだろう。チャンピオン争いには何も絡んでいないが、キャシディ選手のチームメイトである山下選手が2番手スタートというのは大きな意味があり、スタートで山下選手がどんな動きをするかによって、明日のレース、そしてチャンピオン争いは大きな変動があるかもしれない。

写真は予選2位の山下健太選手(4号車 ORIENTALBIO KONDO SF14)、ポールポジションの山本尚貴選手(16号車 TEAM MUGEN SF14)、予選3位の中嶋一貴選手(36号車 VANTELIN KOWA TOM’S SF14)

予選結果表

順位カーナンバードライバー車両Q1Q2Q3
116山本 尚貴TEAM MUGEN SF141分38秒4771分38秒0081分37秒909
24山下 健太ORIENTALBIO KONDO SF141分39秒4601分38秒2861分38秒193
336中嶋 一貴VANTELIN KOWA TOM’S SF141分38秒8261分38秒0951分38秒300
43ニック・キャシディORIENTALBIO KONDO SF141分39秒0681分38秒5111分38秒435
517塚越 広大REAL SF141分38秒5751分38秒1801分38秒524
620平川 亮ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF141分39秒1851分38秒3231分38秒553
718小林 可夢偉KCMG Elyse SF141分39秒0221分38秒4541分42秒751
864ナレイン・カーティケヤンTCS NAKAJIMA RACING SF141分38秒7151分38秒5701分58秒156
92国本 雄資JMS P.MU/CERUMO・INGING SF141分38秒9411分38秒597-
106松下 信治DOCOMO DANDELION M6Y SF141分38秒8531分38秒680-
111石浦 宏明JMS P.MU/CERUMO・INGING SF141分39秒4071分38秒761-
128大嶋 和也UOMO SUNOCO SF141分39秒4671分38秒786-
1315福住 仁嶺TEAM MUGEN SF141分39秒0821分38秒888-
1437ジェームス・ロシターVANTELIN KOWA TOM’S SF141分39秒4791分39秒220-
157トム・ディルマンUOMO SUNOCO SF141分39秒492--
1665伊沢 拓也TCS NAKAJIMA RACING SF141分39秒654--
1719関口 雄飛ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF141分39秒717--
1850千代 勝正B-Max Racing SF141分39秒717--
-5野尻 智紀DOCOMO DANDELION M5S SF142分04秒858--