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ホンダ、全事業の増加で売上収益5.0%増の7兆8658億円を計上した2018年度第2四半期決算説明会
連結売上、営業利益、四半期利益などは第2四半期連結累計で過去最高
2018年10月30日 21:54
- 2018年10月30日 開催
本田技研工業は10月30日、2018年度第2四半期上期(2018年4月1日~9月30日)決算を発表。第2四半期連結累積期間の連結売上収益は7兆8658億円(前年同期比5.0%増)、営業利益は5138億円(同21.7%増)、税引前利益は6413億円(同11.0%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は4551億円(同19.3%増)となった。
同日に東京 青山のホンダ本社で開催された決算説明会では、冒頭で本田技研工業 代表取締役副社長 倉石誠司氏が決算概況について報告。
倉石氏は2018年度第2四半期上期の決算について、営業利益は為替変動の影響があったものの、アジアにおける2輪車の販売増、コストダウンの効果があり、前年同期にエアバッグのインフレーターに起因する集団訴訟の和解金の計上があったことなどから、前年同期に比べて21.7%増益となる5138億円になったこと、親会社の所有者に帰属する四半期利益も前年同期から19.3%増益の4551億円となり、増収増益になっていることを紹介。また、連結売上収益、営業利益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する四半期利益などは第2四半期連結累計期間として過去最高を記録している。
主要市場では、日本市場の4輪車販売実績は、「N-BOX」シリーズが6か月間累計の販売台数で11万7000台を数えて2018年度上半期の新車販売台数で1位になっていること、8月に新型「CR-V」を発売して1か月の累計受注台数が5000台を超えるなど好評となったことなどから、34万6000台(前年同期比4.0%増)となっている。
米国市場ではライトトラックの販売台数が45万9000台(前年同期比7.6%増)になり、「シビック」も2018年9月時点で22か月でセグメントリーダーになっていることを紹介。水害に遭ったメキシコ セラヤ工場では稼働を再開しており、11月中旬からフル生産を開始するとコメント。しかし、販売台数は84万5000台(前年同期比2.5%減)となっている。
中国市場ではシビックが7月から3か月連続で販売台数の単月レコードを更新し、4月~9月の6か月で11万1000台(前年同期比25.1%増)を販売。9月に新型「Crider(クライダー)」を発売し、10月に新型「インスパイア」を発表するなど新車攻勢を掛けているが、販売台数は66万4000台(前年同期比8.9%減)となっている。
2輪車の販売では、主要市場となっているインドで6か月累計329万6000台(前年同期比4.8%増)となっており、生産面でも2輪車工場の生産能力拡大を発表。新たな生産ラインを追加することで年間生産能力を60万台拡大。2020年に700万台/年とする計画となっている。また、ベトナム、タイ、インドネシアの各市場では、量産2輪車用として世界初のハイブリッドシステムを採用する新型車「PCX ハイブリッド」を発売。アジアの4か国で計782万1000台(前年同期比8.0%増)を販売している。
さらに倉石氏はトピックとして、10月に無人ライドシェアサービス用車両の開発で、GM、クルーズと協業することで合意したこと、ホンダのビジネスジェット「HondaJet」が2018年上半期のデリバリー数でカテゴリートップを達成したことなどを紹介した。
2018年度通期の連結業績見通しについては、売上変動/構成差に伴う利益増、為替の影響などを受け、売上収益を3500億円、営業利益を800億円、営業利益率を0.4ポイント、税引前利益を800億円、当期純利益を600億円それぞれ上方修正している。
倉石氏に続いて、本田技研工業 専務取締役 事業管理本部長 竹内弘平氏が決算の詳細について説明を行ない、損益については金融サービス事業や2輪事業の販売増などによって売上収益が3兆8417億円(前年同期比1.7%増)となり、営業利益は売上変動と構成差による利益増、前年同期の数字に集団訴訟の和解金が含まれていたことなどの要因から、前年同期比40.2%増となる2144億円になっていることなどを解説。
さらに竹内氏は売上収益、営業利益などの増減要因、事業別の売上収益と営業利益などについて紹介し、コストダウンの取り組みを続けている効果が出始めていることなどを説明した。
両氏による決算説明に続いて行なわれた質疑応答では、同日発表の2018年度上期の連結決算で公表されている販売台数などの好調と比べ、通期の決算見通しの上方修正の数値が控えめになっている理由について質問され、これに対して竹中氏は「ご存じのとおり、研究開発費とSGA(一般管理販売費)は、下期の方が次期に向けた取り組みやイベントなどがたて込むようになったり、次年度の夏に向けた開発が進められて下期の研究開発費が増えるといったこともあります。販売についても下期の方が多いのですが不透明感もあり、金融事業での残価設定の動き方などが分からない部分もあります。また、インセンティブの部分で、CR-Vが米国で現在は非常に好評ですが、『RAV4』も出てくるということがあります。そこで、少し下期で余分な部分があり、上期と下期で2400億円という(営業利益の)段差がある状況です」と回答した。
また、メキシコのセラヤ工場での生産再開が、当初予想の11月から前倒しになった理由についても尋ねられ、これについて倉石氏は「先ほどもお話ししましたとおり、11月中旬のフル稼働を目指して現在も進めているところですが、基本的には10月23日から生産を再開しています。大きな理由としては、洗浄技術が進化していることです。われわれも被災当初にラインを見て被害状況を知った時にはもう少し時間がかかるだろうと思っていたのですが、前のタイのとき(2011年にタイで発生した洪水被害)から技術が進化していまして、生産設備を交換するのではなく、洗浄と修理によって問題解決できたことが一番大きな理由です。この結果として修理にかかる費用も約100億円ほど改善でき、予定どおり11月に生産のフル稼働ができるという状況です」と説明している。