ニュース
マツダ、通期営業利益見通しを100億円上方修正した2019年3月期第3四半期決算説明会
2019年は「新世代商品元年」。新世代商品第2弾の登場を予告
2019年2月6日 23:03
- 2019年2月6日 開催
マツダは2月6日、2019年3月期第3四半期決算説明会を開催して常務執行役員 藤本哲也氏が概要を説明した。同社の2019年3月期第3四半期累計実績(2018年4月1日~12月31日)は、売上高2兆6225億5800万円(前年同期比2.9%増)、営業利益595億6000万円(同44.4%減)、経常利益854億1000万円(同36.7%減)、純利益370億4500万円(同56.4%減)となった。
この実績について、藤本氏は日本やASEAN地域などで台数成長が継続したものの、中国での大幅な台数減少により前年を下回る販売になったと報告。その中において日本で「CX-5」「CX-8」の商品改良モデルを導入するなど、クロスオーバー系車種の販売は好調を継続していると総括した。
営業利益595億6000万円(同44.4%減)の増減要因について、豪雨影響、販売費用増、OEM供給減、中国向けノックダウン出荷減などにより220億円の減益要因、米国販売ネットワーク改革への投資、環境規制対応や品質関連費用など211億円の減益要因になったことを報告。
第3四半期連結累計期間のグローバル販売台数は、前年同期比1.4%減の117万台。日本及びタイやベトナムなどのASEAN地域での販売が増加した一方で、景気減速による販売環境の悪化で中国の販売が大幅に減少した。車種別では、「CX-5」や「CX-8」などのクロスオーバー系車種の販売が引き続き好調に推移したという。
市場別では、日本市場は15万台(前年同期比7.4%増)。2018年11月に導入した「CX-5」「CX-8」の商品改良モデルが販売を牽引した。
北米市場は全体では32万台(同0%)。「Mazda2」の販売が好調なメキシコで台数が増加、米国については21万6000台(同1.8%減)と、「CX-5」などのクロスオーバー系車種の販売が堅調であったが、需要の縮小が続くセダン系車種の販売が減少した。欧州市場は19万6000台(同1.9%増)。ドイツの販売が減少したものの、ロシアの販売台数は需要の伸びを上回る大幅な増加となったほか、英国やスペインでも台数が増加した。車種別では「Mazda2」「CX-5」の販売が好調に推移。
中国市場は19万5000台(同20.5%減)。景気減速による販売環境の悪化などにより、主要車種である「Mazda3」を中心に販売台数が大幅に減少した。その他市場は、全体では30万9000台(同7.4%増)。主要市場であるオーストラリアは、他社との競合激化などにより8万2000台(同5.1%減)となったが、タイやベトナムの販売が好調なASEAN地域で前年を大きく上回る販売となった。
通期グローバル販売台数を156万9000台に修正も、通期業績予想は上方修正
こうした販売環境を背景に、2019年3月期通期(2018年4月1日~2019年3月31日)については、グローバル販売台数を156万9000台と、前回公表の163万1000台から47万台減に修正した。藤本氏は「中国での足下の販売実績と景気減速による販売環境の悪化を鑑み、販売計画を見直しました。適切な在庫の維持と商品価値にフォーカスした販売活動を目指していきます」とコメントした。
2019年3月期通期(2018年4月1日~2019年3月31日)連結業績予想についても修正され、売上高3兆5500億円(前年比2.2%増)、営業利益800億円(同45.4%減)、経常利益1100億円(36.1%減)、当期純利益550億円(50.9%減)と、前回予想より売上高で200億円、営業利益で100億円、経常利益で100億円、当期純利益で50億円それぞれ上方修正した。
前回見通しより100億円増加した営業利益の増益要因については、藤本氏は出荷台数増加を中国向けノックダウン出荷減により相殺したことや広告宣伝費の改善などの効率化によるものと説明した。
2019年は「新世代商品元年」。Mazda3を2019年初頭から北米より順次発売開始
主要施策の進捗としては、ロサンゼルスモーターショーで公開した「Mazda3」を2019年初頭から北米より順次販売開始するとともに、米国販売ネットワーク改革については、次世代ブランド店舗を2021年までに300店舗展開する計画に対して現在250店舗の販売店が投資を決定したことを報告、米国合弁新工場で建屋の建設を開始するなど主要施策が着実に進捗していることを強調した。
また、2019年は「新世代商品元年」と位置付けて、新型Mazda3の導入に続いて、新世代商品の第2弾となるクロスオーバー系車種をジュネーブモーターショーで公開予定であることを予告した。
藤本氏は「クルマを所有する価値を飛躍的に高めたこれらの新世代商品を通じて、ブランド価値をさらに引き上げるとともに、今後の成長に向けた基盤固めを確実なものとし、お客さまと世界一固い絆で結ばれたブランドになることを目指していきます」と締めくくった。