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【SUPER GT 第2戦 富士】過去最大規模の観客迎えた富士GTレース、さらなるモータースポーツの認知向上を目指す

GTA 代表取締役 坂東正明氏による定例会見

2019年5月4日 実施

株式会社GTアソシエイション 代表取締役 坂東正明氏

 SUPER GTのプロモーターであるGTアソシエイション(以下GTA)は、SUPER GTの決勝レース開催日に定例会見を行なっている。第2戦が開催されている富士スピードウェイでも決勝日となる5月4日の午前中に坂東代表の定例会見が行なわれた。

過去最高の観客を迎えて開催される富士のGTレース、さらなる発展を目指す

──冒頭に坂東代表から挨拶を

坂東氏:2レース目となるが、今回は好天候、そして新しい年号を迎えるという中で、過去最大規模で行なわれるイベントになっている。サーキットの周囲を見る限りは大変なことになっており、10連休の中でレースを新しい年号の下で行なえることを光栄に感じている。今後もこれを生かして新しいモータースポーツの基盤を発展させ、モータースポーツの認知向上を目指していきたい。

──前回の開幕戦では、天候に左右されるレースとなり、セーフティカー、赤旗、ペナルティも決定が下されるまでに時間がかかっている。もちろんそうした判断は競技運営団が判断を下していると思うが、プロモーターとして前回のレースの感想をお願いしたい。

坂東氏:それは1号車と17号車の1コーナーでの接触についての話でしょうか? それらも含めて、どのようなペナルティを出すのかなどは競技運営団体の専権事項であり、それに対してプロモーターとして何かを言うつもりはありません。雨があれだけ酷かった状況下で、雨量によっては持ち込んだレインタイヤでは厳しい状況が合ったと理解している。もっと多くのパターンなどからチョイスできるようにしておけばいいのかもしれないが、今度はコストがあがり、タイヤメーカーの競争が激しくなってしまう。そう考えれば今のレインタイヤの規制には妥当な所が多いと思う。常に競技運営団体にも確認していたが、車両全損も2台、3台と出てしまった状況もあり、シリーズを運営する当たっては、安全の確保、お客様への配慮、施設へのダメージなどを総合的に考えれば、やむを得ない判断だと考えている。

──今回のレースは令和最初のビッグレースとなる、入場者数もかなり増えていると聞いているが?

坂東氏:年号が変わって令和の初戦となる。モータースポーツに関心を持っている方、GT-Rのオールドファンや、クルマに興味を持って頂いている方などが、いつもは他へ行くけど、今回は面白そうだということ感じて頂いて、10連休だからちょっと行ってみようとなったのではないか。今回まだ正確な数字は出ていないが、過去最大の規模になるのではないか。そのため、お昼までに駐車場に車両が入りきるかという状況になっている。ひとえに、皆さん(メディア)の、そしてサーキット側の努力によって日本のSUPER GTファンが増え、認知度が向上していると感じている。それが10連休というタイミングと合わさっていい方向に進んだのではないか。

昨日のキッズウォークでもかなりのお客様にお越しいただいており、意義のあるレースにしていきたい。前回のレースでも言ったとおり平成で基礎基盤が完成したので、令和ではその発展を目指し、モータースポーツの認知度向上を目指していきたい。

──DTM交流戦、ドイツからの情報アップデートがあったか?

坂東氏:DTMからは12~14台、ジャンボジェット一機で運べる台数になる。1列2台で7列で14台、その両脇に荷物載せてというチャーター便で持ってくる。スポーティングレギュレーションをどうするかは、今議論をしているが、金曜日から走らせ、土日1レーズずつ、1時間のレースを行なう。DRS、プッシュトゥーパス、車両重量の問題に関しては両方にとって公平となるような格好を取り、こちらにはDRSはないのでDRSは使わない。

こうしたプライベートな組織であるITRやGTAが、FIAのような組織のルールではなく同じコンテンツであるClass1を走らせることは画期的な事。そこにマニファクチャラーの販売戦略、映像を含めたメディアなどの展開ができるようになる。それぞれに方針や方向性が異なっているので、どのような協力関係をしていくかは今後の課題。勝ち負けはレギュレーションを作ったその先にある。

なお、タイトルスポンサーはいくつか候補が挙がっていて、鈴鹿のレースでは発表できると思う。

観客動員数が過去最大規模になると見込みを語るGTA坂東氏

英語放送はマレーシアのHaro Sports経由で決まった取り組み

──このレースに先立って海外での英語放送に関するプレスリリースがGTAより出された。岡山の段階でこの会見で聞いて、2レース目までにもう決まるとはとても速い動きだが、どのような経緯でそう決まったのか?

坂東氏:(海外でのSUPER GTレースの配信権を持っている)Haro Sportsとの関係の中で決まった話。この間の海外ドライバーの集まりで話題になったというのもあったが、昨年はNISMO TVがやっていた配信があったのだが、それがなくなってしまっていた。我々としてもドライバー達がどうこうというのではなく、情報発信は重要だし、映像は財産なので、それをSUPER GTの認知度向上に使いたいと考えていた。その中で今回の話がまとまっており、我々のスタッフも事態を動かすべく努力してきた成果だ。

──岡山でNSXのミッドシップハンデウェイトの搭載位置を岡山と富士の結果を見ていう話だったが、それは今でも変わっていないか?

坂東氏:岡山の中低速、富士の高速でチェックするという姿勢に変わりはない。岡山でも説明したとおり、NSXに搭載するミッドシップハンデウェイトの29kg全部を1か所にではなく、GTAが決めた位置にウェイトを積むという形にした。具体的にはハブ線よりも前にある一定量のウェイトを積んでもらう、それを何kgにするかを、前戦とこの富士での結果を基に判断する。

──Class1でのNSXの扱いはどうなるのか?

坂東氏:現時点では答えるのが難しい質問だ。今の時点では2020年~2022年までの3年間の安定したレギュレーション作りということで、トヨタ、ニッサン、ホンダと協力して行なっている。各メーカーとも協力してくれており、引き続きホンダとも協力して体制作りをしていきたい。

──2022年に富士スピードウェイの中にハイヤットホテルが開業する、GTAとして感想があれば

坂東氏:サーキットに直結した宿泊施設は海外では普通だし、日本でもモビリティランドが取り組んでいる。サーキットのすぐ脇にできるので、サーキットに来るお客さんに対しての利便性を提供することができるようになる。観光で来る方、サーキットを利用して営業活動を行ないたい人などが富士スピードウェイを利用してビジネスにすることができる。今だと御殿場インターチェンジ近くにあるホテルだけなので、こういうところができるのはいいことだ。

──現時点での駐車場の状況を教えて欲しい。

坂東氏:場内は完全にいっぱいになっており、場外の駐車場も徐々に満車になりつつあり、その中で空いているところは誘導している状態。過去最大の車両数で、サーキット側も戸惑いつつ誘導を行なっている状況。それでも一杯になってしまうと、場内の通路への路駐ということになるだろうが、そこまで入ってしまうと帰りは動けなくなってしまう。そういう状況を見越して準備をしてきたけど、それを上回る状況ということだ。

──初めて来る人も多い、これだけ混んでいるとなかなか入れない。初めて来る人にアクセスしやすい方法は?

坂東氏:アクセスしやすい方法はこれまでの整備してきた。その結果認知度が上がって、今の状況が起きているという理解だ。これまではテレビで観戦して頂いていたお客様が、10連休だしテレビで見るのではなくて、行ってみようということではないかと。日本人は東名の30-40kmの渋滞はもイベントの1つと考えているだろうが、このサーキットまで入ってくるアクセスに関しては引き続き整備していかないといけない。

新しい施設に関しては、1年に1度や2度行なわれるSUPER GTのためだけでなく、他のイベントも含めて費用対効果で考えないといけない。バブルの時に作った施設がどうなったか考えれば、よくご理解頂けるだろう。そうしたことも含めてお客様に喜んで頂ける仕組みを作らないといけない。

司会:SUPER GTのシリーズスポンサーになって頂いているJouz Japanからジョウズ・ジャパン 事業開発本部 渡辺順一氏にお越し頂いているので、ご挨拶を頂きたい

渡辺氏:Jouz JapanはSUPER GTを通じてライフスタイルブランドとして提供していきたい。全レースでブースを出展しており、多くのお客様にご参加して頂きたい。

坂東氏と握手を交わすジョウズ・ジャパン株式会社 事業開発本部 渡辺順一氏