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【SUPER GT 第2戦 富士】GT500/GT300 優勝記者会見

波乱のレースを制した令和最初の優勝者

2019年5月4日 開催

SUPER GT第2戦終了後、GT500、GT300それぞれの優勝者による記者会見が行なわれた

 5月3日~4日の2日間にわたり、SUPER GT 第2戦「2019 AUTOBACS SUPER GT Round 2 FUJI GT 500km RACE」が富士スピードウェイで開催された。4日には決勝レースが行なわれた。レースの詳細は既報のとおりだが、スタート直前の降雨により、最後の最後まで勝者がわからない波乱のレースとなった。GT500で優勝したのは8番グリッドからスタートした38号車 ZENT CERUMO LC500(立川祐路/石浦宏明組、BS)。GT300は4番手グリッドからスタートした11号車 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信組、DL)。

 レース終了後に、表彰式のセレモニー、GT500、GT300それぞれの優勝者による記者会見などが行なわれた。以下は優勝者記者会見の模様だ。

ドライではGT-Rミシュランがウォームアップではよく、スティントの後半はLC500+ブリヂストンが良かったと立川選手

──優勝した今の気持ちと、自分が担当したスティントの状況説明をお願いしたい。

石浦選手:今の気持ちはホッとしている。このシーズンオフにチームの体制も変わって責任も増えて、この第2戦で勝ってしっかり結果を残していこうとシーズンオフから2人で話していた。結果的にこういうことになってホットしている。(石浦選手が担当した)セカンドスティントに向けて路面が急激に乾いてきていて、ドライタイヤに変えるタイミングを見計らっていた。その時に立川さんから乾いたのでいけるという無線をもらって変えることにした。タイヤが暖まってしまえばタイムがいいと分かっていて、土曜日のフリー走行のロングでも手応えを感じていた。(23号車を)オーバーテイクもできたので、もっと引き離して替わりたかったけど、引き離せなかったのが残念だった。

GT500クラス優勝の石浦宏明選手

立川選手:そうですね、「見たか!」という気持ち。新体制になっても勝ったぞというのが率直な気持ち。今年は自分が監督的なこと、石浦も取締役になるなど、ドライバーとしてだけでなく、違う責任も背負っている。その中チームづくりを石浦としっかりやってきて、チームのみんなもそれに応えてくれていたので、とにかく結果を出したいと思っていた。僕ら2人の責任も乗ってくるので、今回にかける想いは強かった。開幕戦が厳しい戦いで終わってしまったこともあり、富士に向けてTRDも速くすることをやってくれていて、LCにはチャンスがあると思っていた。ここで勝てないでどこで勝てるんだという気持ちで臨んだ。

そうした中絶妙なタイミングで雨が降ってきた。昨日の予選ではタイヤ選択がうまくいかなくて後方に沈んでいたので、ウェットで前に行けたことは大きかった。ドライではウォームアップは23号車の方がよくて、ロングではこちらの方がよかった。気の抜けないレースをしたというのが実感。

GT500クラス優勝の立川祐路選手

平中選手:昨日は朝の練習走行から調子がよくて、あやうくQ1落ちするところだったのが、4輪脱輪したクルマがあって、なんとかQ2に進むことができた。それでセッティングなどを変えていって最終的に4番手に食い込むことができた。それで僕自身の中では決勝はかなりいい感触で勝てるんじゃないかと思っていた。そんな中で臨んで、第1スティントで安田選手がいい走りをしてくれて、トップに立てた。路面がドライに変わっていく中で、安田選手が決断して、他のクルマよりも速いタイミングで替えていって、ラップごとにマージンを築くことができ、自分のスティントもよい状態で走ることができた。最後はああいう状態(2位の55号車が猛烈に追い上げてきていたこと)って精神的に追い詰められる場面も沢山あったと思うが、(安田選手が)耐えて優勝に導いてくれた。チーム全体が完璧にいい仕事をした結果で、今までの中で一番嬉しい勝利だ。

GT300クラス優勝の平中克幸選手

安田選手:スタートして雨が強くなったときに赤旗が出たのはいい判断だったと思う。セーフティカー明けにはいいペースで走っていたが、乾いてくると65号車が速くて抑えることができなかった。しかし平中選手に替わってからマージンを作ってくれた。最後はGT-R同士の戦いだと思っていたら、全然違うクルマ(55号車のNSX-GT3)が来て、しかもそれが速くて抑えるのが大変だった。最後はGT500をうまく使うことができて、抑えることができた。見ている人には大変に見えたと思うが、(平中選手の)セカンドスティントがいいペースで走れたことが勝ちにつながった。

GT300クラス優勝の安田裕信選手

──令和元年最初のビッグレースで勝った気持ちを教えて欲しい。

立川選手:感想、そうだな……、おめでたいというところか(笑)。記念に残る勝利であるのは嬉しい、記憶にも記念にもなると思うので、いつまでもあのときあれかなーと思い出せるのでよかったと思う。ただ、自分は昭和生まれ……(笑)

石浦選手:自分も昭和生まれだが(笑)、令和最初のレースの勝者は他の人はなれないので嬉しい。

平中選手:違うカテゴリーだけど、平成最後のレース(スーパー耐久)で勝てて、令和最初のレースで勝てたので、平成も令和も自分にむいている気がしている。今年はいいのかなと(笑)。

安田選手:記念になる優勝で嬉しかった(笑)。石浦取締役からボーナスを頂きたいところ(笑)

令和初のチャンピオンになり、石浦取締役からボーナスが欲しいと立川選手

──第3スティントでの23号車とのバトルで、最初の暖まりは向こうがよかったが、スティントの後半では自分達の方がよかったという説明があったが、両メーカーのタイヤの性格の違いが影響しているのか?

立川選手:タイヤメーカーが違うので向こうのことは分からないが、一緒に走っていてミシュランはウォームアップがいいと感じた。直接の比較はできないが、石浦選手が乗っていたスティントを見ていてもそうだった。最後のスティントは確実に前に行かれるだろうと思っていたので、アウトラップは2周ぐらいすべりながら必死で頑張ったが、向こうの方が全然前で諦めかけた。スティント後半には少しずつ厳しくなってきたが、グリップは安定しており、最後まで何の問題もなく走ることができた。

──それはブリヂストンがスティント後半の方がいいということか?

立川選手:正直途中はそんなになかった。こちらもついて行くので精一杯で余裕があった訳ではない。1コーナーでイエローが出たときには周回遅れのクルマが間に入ったので、厳しいかなと思っていたが、なんとか後ろまで追いつくことができた。向こうの方がストレートで速くて、横に並ぶとかなかなかそういう展開がなかったので、思い切って行くしかないとなって、なんとか(ブレーキングで)前に出ることができた。

──最後に今シーズンの抱負を

安田選手:去年チャンピオン争いしたけど取れず悔しかったので、今年はこのまま表彰台をキープしてチャンピオンを目指したい。

平中選手:早いタイミングで優勝できたので、令和初のチャンピオンになれたらいい。

GT300クラス優勝の平中克幸選手(左)と安田裕信選手(右)

石浦選手:去年は全戦でポイントとってランク4位。トラブルもあって不本意なシーズンだった。今シーズンは速く優勝したい思っていて、チャンピオンシップを考えると、ここで勝つのはいい流れ。シーズンを有利に戦いたい

立川選手:今年はガンガンと攻めのレースをして、令和最初のチャンピオンになり石浦取締役からボーナスをもらいたい(笑)

GT500クラス優勝の立川祐路選手(左)と石浦宏明選手(右)