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レクサス、「RX」マイチェンで世界初の「ブレードスキャン式AHS」搭載。8月下旬に日本発売

3列シート車「RX450hL」で2列目キャプテンシートが選択可能に

2019年5月30日 発表

2列目キャプテンシートの追加などで車内の快適性を向上させた3列シート車の「RX450hL」(“version L”仕様)

 レクサス(トヨタ自動車)は5月30日、マイナーチェンジを行なって日本で8月下旬の発売を予定する新型「RX」を初公開した。

 新しいRXでは内外装の意匠変更を行なって「エレガントかつダイナミックなエクステリア」「機能性を追求した上質なインテリア」を演出。また、サイズを小型化してシャープな印象を表現したヘッドライトでは、世界初の先進技術「ブレードスキャン式AHS(アダプティブハイビームシステム)」を採用している。

 このほか、基本となるボディと足まわりの剛性を高め、新構造のショックアブソーバーや新しいブレーキ制御の採用などにより、新世代レクサス車が追究している「すっきりと奥深い」走行性能を実現したという。

マイナーチェンジして8月下旬に発売予定の新型「RX」を初公開
「RX300」(“F SPORT”仕様)
「RX450h」(“version L”仕様)

 エクステリアデザインでは、フロントマスクで前出のようにヘッドライトの小型化でシャープな印象を表現し、“version L”の「スピンドルグリル」内を横桟スタイルから「L字モチーフ」のブロックメッシュパターンに変更。レクサスのSUVモデルが持つ独特の記号性が与えられ、中央部分を押し出し感のある立体構造としてバンパーサイドとの一体感を演出している。また、スピンドルグリルの下辺位置が高められ、“version L”ではバンパー下部をバンパーガード形状にして力強さを表現、“F SPORT”ではスポイラー形状にして軽快さを演出する。

 サイドビューではフロントバンパーからドアパネルまで連続するキャラクターラインを使って勢いのよさを表現。リアコンビネーションランプではこれまで下側にレイアウトしていたL字スタイルの発光エリアを上側に変更。下側もL字を反転させたモチーフの造形としてブランドアイデンティティを強調している。

フロントマスクではヘッドライトを小型化し、「スピンドルグリル」のデザインも変更
フロントマスクの大きな特徴である「スピンドルグリル」は下辺位置を高め、“version L”ではバンパー下部をバンパーガード形状にして力強さを、“F SPORT”ではスポイラー形状にして軽快さを演出する
フォグランプは幅広デザインとなり、従来よりも低い位置にレイアウトされた
「RX350」(海外モデル・“version L”仕様)
「RX350」(海外モデル・“version L”仕様)
「RX350」(海外モデル・“F SPORT”仕様)
「RX350」(海外モデル・“F SPORT”仕様)

 ハイビームの照射エリアを制御する「AHS(アダプティブハイビームシステム)」をさらに進化させた新装備のブレードスキャン式AHSでは、LEDを光源に使ったハイビームの光を高速回転する2個のブレードミラーに照射。ハイビームが照らすエリアに先行車両や対向車がいる場合、ブレードミラーの回転とLEDの照射を連動させ、光を当てたくないエリアを絞り込んで無点灯に制御する。

 従来型のAHSでは複数のLEDのON/OFFでエリア限定を行なっており、細かな点灯制御にはLEDの個数を増やしていく必要があったが、ブレードスキャン式AHSではブレードミラーの回転とLED照射の連動で制御を実施するため、極めてシームレスなエリア制御が可能となる。また、対象物の認識にはフロントウィンドウ内部に設置する単眼カメラを使用。対象物の形状などを見分けることができ、夜間に光を放つ街頭や自動販売機などが周辺にあっても車両と区分し、照射を使い分けできるようにしている。

 このほかに先進安全技術では、レクサスの予防安全パッケージ「Lexus Safety System+」をさらに進化。「PCS(プリクラッシュセーフティ)」では単眼カメラとミリ波レーダーの性能向上によって昼間の自転車運転車、夜間の歩行者の検知が可能になり、新たに「LTA(レーントレーシングアシスト)」「RSA(ロードサインアシスト)」も追加されている。

4個並ぶ内側(写真右側)が「ブレードスキャン式AHS」。先行車や対向車を眩惑することなくハイビームを積極的に利用でき、道路標識や歩行者などを遠い位置からでも発見しやすくする
ロービームも3眼式のLED
ブレードスキャン式AHSの照射イメージ。配光パターンがこれまでより細かく調整できるところがポイント
リアコンビネーションランプのL字型に発光するエリアを上側に変え、リアバンパーも意匠変更を実施
ホイールアーチモールのデザインも変更された

 ボディではスポット溶接の打点増加、構造用接着剤の接着面拡大などによってボディ剛性を強化。足まわりでもハブベアリングとスタビライザーバーの剛性向上を行ない、ステアリング操作に対する応答性を高め、アンダーステアとロールを低減してリニアなステアリングフィーリングを実現する。このほか、電動パワーステアリングのチューニングを徹底的に改良し、コーナーリング中にアクセルを踏み込んだ状態でアンダーステアの発生を抑制する「ACA(アクティブコーナリングアシスト)」を採用する。

 また、ショックアブソーバーに「フリクション・コントロール・デバイス」が追加され、路面からの微小な入力で発生する高周波振動を低減。フラットな乗り心地と操舵時の応答性向上を実現する。

スタビライザーバーの剛性を向上させ、ステアリング操作に対する応答性を高める
スポット溶接の打点を増やし、構造用接着剤の接着面を拡大してボディ剛性を強化。赤いラインの部分に構造用接着剤を使用している
ハブベアリングの剛性強化も実施
ショックアブソーバーに「フリクション・コントロール・デバイス」を追加
新型RXの走行イメージ

 インテリアでは内装色に「オーカー」「ホワイトアッシュ」「フレアレッド(“F SPORT”専用)」の3色を新規設定し、「Apple CarPlay」「Android Auto」といったスマートフォン連携機能を備える横長のタッチディスプレイをセンターコンソールに新設。また、スマホなどの充電用となるUSB端子をフロント2か所、リア2か所の計4個設置し、フロント側には「スマートフォンボックス」を追加している。

RX450hLのインテリア。内装色は新色の「オーカー」
RX300のインテリア。内装色は“F SPORT”専用の「フレアレッド」
新型RX・海外モデル。新たに内装色に追加された「オーカー」(左)、「ホワイトアッシュ」(中央)、「フレアレッド(“F SPORT”専用)」(右)
「Apple CarPlay」「Android Auto」などのスマートフォン連携機能を備えるタッチディスプレイを採用
センターコンソールに追加された「スマートフォンボックス」
センターコンソールにフロントシート用2個、セカンドシート用2個の充電用USB端子を新設

 2017年12月の一部改良でラインアップに追加された3列シート車の「RX450hL」では、2列目シートに従来からある3人掛けのベンチシートに加え、2人掛けのキャプテンシートを設定。ゆったりと快適な移動時間を楽しめるようにした。

 電動格納式の3列目シートは、従来からあるポジションに加え、足下空間が広がる後方側のポジションを新たに設定。シート位置を前後2か所で変更可能としている。シート位置の変更は、シート格納状態で格納スイッチを再度長押し。電子音の鳴る回数で前後どちらのシート位置か分かるようにしている。

3列シート車の「RX450hL」は2列目シートにベンチシートが選択可能になり、3列目シートの位置を前後2か所で変更できるようになった