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メルセデス・ベンツ、「48V電気システム」のマイルドハイブリッド車もラインアップする新型SUV「GLE」発表会
「新型GLEはベストオブベスト」とプロサーファーの大野修聖氏
2019年6月19日 20:55
- 2019年6月19日 開催
メルセデス・ベンツ日本は6月19日、新型プレミアムSUV「GLE」の受注を開始。同日に都内で記者発表会を開催した。
累計販売台数が200万台を超え、同社SUVの中でも中核モデルとなるGLEは7年ぶりのフルモデルチェンジとなる。日本仕様のラインアップは、同日から発売が開始される「GLE 450 4MATIC スポーツ(ISG搭載モデル)」、8月以降発売の「GLE 400d 4MATIC スポーツ」、11月以降発売の「GLE 300d 4MATIC」の3種類。
発表会で最初に登壇したメルセデス・ベンツ日本 代表取締役社長兼CEOの上野金太郎氏は、前日に山形県沖で起きた地震の被災者にお見舞いの言葉を述べたあと、2019年度は人気のSUVセグメントで同社は複数のモデルをデビューさせる予定だと説明。その第1弾が、SUVの元祖とも言える今回の新型GLEとなる。
「現在、日本では『GLA』『GLC』『GLE』『GLS』、本格オフローダー『Gクラス』と多彩なSUVラインアップを揃えています。2013年当時は(モデル比率で)全体の5%だったこのセグメントが、2018年には20%まで成長しました。今回のGLEは、当初は『Mクラス』と呼ばれて1998年にデビュー、2005年の2代目、マイナーチェンジを機にGLEと呼ばれるようになった3代目に続く4代目。新型はガソリン+モーターの新パワートレーン、音声認識する『MBUX インフォテインメントシステム』、最新の安全運転支援装備、さらに豪華になったインテリア、7人乗りを標準装備として導入したことなど、多くの特徴を持っています」と紹介した。
濃いブルーの新型GLEがアンベールされた後、最大の特徴である3列目シートからドアを開けて舞台に降り立ったのは、メルセデス・ベンツ日本 営業企画部 商品企画2課 マネージャーのマニュエル・テロネス氏だ。
テロネス氏は「新たに開発したSUV用プラットフォームを採用した新型GLEのボディサイズは、4924×1947×1772mm(全長×全幅×全高)。先代に比べて全長が105mm長く、ホイールベースを80mm延長することで、居住性や積載性が大きく向上しました。この恩恵で、GLEでは初めて3列シートが設定され、日本仕様の標準装備となりました。3列シート目の出入りは、2列目シート肩口のボタンを押すだけ。2列目シートが前に出て、バックレストが前傾することでアクセスできます。2列目、3列目が不要の場合はフルフラットになり、2055Lの広大なラゲッジスペースが現れます」と新型をアピールした。
インテリアについては、「計器とインフォテインメントシステムを表示する12.3インチ2画面の高精細ワイドモニターを1枚のガラスカバーで融合させたダッシュボードと、標準モデルのフロントグリルに採用されたルーバーデザインをモチーフにした長方形の4連エアベント、体を支えるための大きなグラブバーを左右に配した幅広のセンターコンソールが特徴です。シートや各トリムに使用されるレザーやウッドの材質は、そのすべてが高品質となっています」と説明。
「ハイ、メルセデス」の音声で起動する対話型インフォテインメントシステム MBUXについては、「目的地入力や音楽選択、気象情報などのほか、クライメートコントロールやアンビエントライトなどに対応します。間接的な表現に対応できるほか、『何か冗談を言って』と言うと、『すみません、私を作ったのはドイツ人のエンジニアです』と答えることもあります」と話して会場を笑わせた。
さらにヒーターやパフュームアトマイザー、照明、音楽などを統合コントロールする「エナジャイジング コンフォート」については、「Garmin製スマートウォッチを装着した場合、ドライバーのストレスレベルや睡眠の質などの個人データを活用して、ドライバーをサポートするモードの提案も可能です」と進化の度合いを紹介。また、これらの操作はボイスコントロールだけでなく、ステアリングやセンターコンソールに配置されたタッチパッドでも行なえるようになっているという。
エクステリアは、メルセデス・ベンツのデザイン思想「Sensual Purity(官能的純粋)」を具現化し、現代的ラグジュアリーを表現したものという。フロントマスクは「マルチビームLEDヘッドライト」と8角形のフロントグリルを組み合わせた最新のメルセデス各モデルが採用する顔つきとなり、ボンネット上の2本のパワーバルジや初代Mクラスへのオマージュとも言える太いCピラー、特徴的なリアクォーターガラスエリアがGLEらしさを強調している。ボディは強いキャラクターラインを廃した最新メルセデスらしいもので、シャープな印象とCd値0.29(先代は0.32)という優れた空力性能を獲得。高速走行時の燃費や静粛性がさらにアップしているという。
パワートレーンと価格は、最高出力/最大トルクが180kW(245PS)/500Nmの直列4気筒 2.0リッタークリーンディーゼルターボ「OM654」型を搭載するGLE 300d 4MATICは940万円(11月以降納車、消費税10%)、243kW(330PS)/700Nmの直列6気筒 3.0リッタークリーンディーゼルターボ「M656」型を搭載するGLE 400d 4MATIC スポーツは1089万円で、消費税の税率が10%に上がる10月1日以降に登録される場合は1109万円。
また、270kW(367PS)/500Nmの直列6気筒 3.0リッターガソリンターボ「M256」型と、エンジンとトランスミッションの間に配された16kW/250Nmの電気モーター「ISG」を備える「48V電気システム」を組み合わせたマイルドハイブリッドモデルのGLE 450 4MATIC スポーツは1132万円で、こちらも10月1日以降に登録される場合は消費税10%で1153万円。4MATICについては、上位2モデルで前後100-0%~0-100%の連続可変トルク配分に対応し、GLE 300d 4MATICは前後50:50の固定式となる。トランスミッションはいずれも9速ATの「9G-TRONIC」を採用している。
最後に、新型GLEのアンバサダーを務めるプロサーファーの大野修聖氏が登壇。「子供のころからメルセデス・ベンツは大好きで、夢に見ていたクルマです。18歳で最初のクルマである『Vクラス』を手に入れて大会を転々としていました。新型GLEはベストオブベストで、ひたすら移動する僕にとっては安全性が大切。これ以上のクルマはないと思っています。今まで挑戦したことのない波に、このGLEとともに一生現役で進んでいきたいと思っています」と抱負を語った。