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メルセデス・ベンツ、3列シート/7名乗車仕様になった新型「GLE」

対話型インフォテインメントシステム「MBUX」も搭載

2019年6月19日 受注開始

940万円~1132万円

新しくなったGLE

 メルセデス・ベンツ日本は6月19日、新型「GLE」の受注を開始した。価格は940万円~1132万円。なお、「GLE 450 4MATIC スポーツ(ISG搭載モデル)」の納車は同日から、「GLE 400 d 4MATIC スポーツ」は8月以降、「GLE 300 d 4MATIC」は11月以降の納車を予定。そのためGLE 300 d 4MATICの価格については消費税率10%としている。

 GLEは、1998年にその前身となる「Mクラス」として誕生。2015年10月に「GLE」に名称を改め、EクラスファミリーのSUVとしての位置づけを強化。4世代目となる今回のGLEは、プレミアムSUVとしての特性はそのままに、内外装デザインを一新し、最新技術と装備を搭載。オンロードでは高いアジリティを、オフロードでは卓越した走破性を実現したという。

 また、室内スペースを大幅に拡大し、GLEとして初めて3列目シートを設定し乗車定員が7名となったほか、新型Aクラスで導入したインフォテインメントシステム「MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)」と最新の安全運転支援システムを備えている。

 GLEとして初の4気筒クリーンディーゼルエンジンを搭載した「GLE 300 d 4MATIC」、直列6気筒クリーンディーゼルエンジン搭載の「GLE 400 d 4MATIC スポーツ」、直列6気筒ガソリンエンジンと「ISG」を搭載した「GLE 450 4MATIC スポーツ」がラインアップする。

GLE 400 d 4MATIC スポーツ
GLE 450 4MATIC スポーツ
モデルエンジン変速機消費税率価格
GLE 300 d 4MATIC直列4気筒2.0リッター直噴ディーゼルターボ9速AT10%9,400,000円
GLE 400 d 4MATIC スポーツ直列6気筒3.0リッター直噴ディーゼルターボ8%10,890,000円
10%11,090,000円
GLE 450 4MATIC スポーツ(ISG搭載モデル)直列6気筒DOHC 3.0リッター直噴ターボ8%11,320,000円
10%11,530,000円

SUVの力強さと現代的ラグジュアリーを表現したエクステリア

 新型GLEのエクステリアは、メルセデス・ベンツのデザイン思想「Sensual Purity(官能的純粋)」を具現化し、現代的ラグジュアリーを表現したという。

 フロントまわりでは、クローム仕上げのアンダーガードと2本のパワードームを備えたボンネットでSUVとしての存在感とパワーを表現。GLE 300 d 4MATICの標準モデルでは、ラジエターグリル内に特徴的なツインルーバーデザインを装備してSUVらしさを強調する一方、AMGライン仕様とGLE 400 d 4MATIC スポーツ、GLE 450 4MATIC スポーツ(ISG搭載モデル)では、ダイヤモンドグリルとシングルルーバー、バンパー下部左右に配置された2本のフィンなどにより、スポーティさを強調するデザインとしている。

 サイドビューは、Mクラス時代から変わらない力強いCピラーと、特徴的なリアクォーターのガラスエリアのデザインを採用。GLE 300 d 4MATICの標準モデルでは、ホイールアーチの太いライナーが、ルーフレールとともに堅牢なSUVとしての性格を際立たせる。

 リアまわりでは、特にCピラーからリアコンビネーションランプにかけては、肩の筋肉を思わせる逞しいラインを描き、リアコンビネーションランプは、リフレクターを下部に移動することで、スリムなデザインとし、ボディのワイドな印象を引き立たせる。

 空力においても大幅に改善し、Cd値はこのセグメントトップの0.29としている。

GLEのエクステリア

MBUXをはじめ、先進機能で快適性を向上したインテリア

 新型GLEのインテリアでは、マルチメディアシステムとして対話型インフォテインメントシステム「MBUX」も搭載。MBUXは、人工知能による学習機能で、特定のユーザーに適応する個別対応能力を備え、音声認識機能は多くのインフォテインメント機能(目的地入力、電話通話、音楽選択、メッセージ入力・読み上げ、気象情報)や、クライメートコントロール、各種ヒーター、照明などの操作にも対応する。

GLEのインテリア。ダッシュボードには2画面の12.3インチの大型ワイドスクリーンを標準装備

 ホイールベースを先代比で80mm延長したことで、居住性と積載性を向上。さらにAピラーを起こすことで乗降性も向上した。2列目シートにはこのセグメントのSUVとしては世界初となる6ウェイフルパワーシートを全モデル標準装備し、レッグルームは先代比69mm増となる1045mmに拡大した。また、左右のシートは前後方向に約100mm、電動でスライド可能なほか、40:20:40分割可倒式バックレストは電動角度調整式、左右ヘッドレストの高さは電動調整式となっている。

 全モデル標準装備の3列目シート(2人掛け)は可倒式で、フレキシブルなシートアレンジが可能。3列目シート使用時のラゲッジルームスペースは160Lで、2、3列目シートを倒すことで最大2055Lまで拡大する。また、トランクスルーで積み込める横幅を72mm拡大し、長尺物の積載性を向上。加えて、AIRMATICサスペンション装備車では、スイッチ操作でリアの車高を約40mm下げることもでき、よりスムーズな荷物の積み下ろしを可能とした。

 また、「エナジャイジング コンフォート」は各種ヒーターやパフュームアトマイザー、シート設定、照明、音楽等のシステムを統合的にコントロールして、快適性を向上する。「リフレッシュ」「バイタリティー」「トレーニング」の3プログラムから選択することが可能で、さらに「エナジャイジング コーチ」機能を使用すると走行時間等を加味したうえで、運転手をサポートするモードを提案する。さらにGarminスマートウォッチを装着している場合は、そこから得られるドライバーのストレスレベルや睡眠の質などの個人データも活用される。そのほか、シートクッションとバックレストのわずかな動きにより、着座姿勢の変更をサポートする「エナジャイジングシートキネティクス」も装備する

 他にも、GLEではテレマティクスサービス「Mercedes me connect」も標準で設定する。

国内初導入、右直事故を防ぐ「アクティブブレーキアシスト」

「Sクラス」と同等の、最新世代の運転支援システムを全モデルに標準装備する。国内初導入となる「アクティブブレーキアシスト(歩行者/飛び出し/右折時対向車検知機能付)」は、対向車線を横切って右折しようとするときに、フロントの長距離レーダーセンサーとステレオマルチパーパスカメラで前方の状況を検知。対向車線を直進してくるクルマと衝突する危険がある場合、車速10km/h以内であれば自動ブレーキを作動する。

 そのほか、ステレオマルチパーパスカメラとレーダーセンサーにより先行車に追従する「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック (自動再発進機能付)」や、「アクティブステアリングアシスト」。渋滞末尾での追突を防ぐ「渋滞時緊急ブレーキ機能」。高速道路で自動で車線変更を行なう「アクティブレーンチェンジングアシスト」。アクティブステアリングアシスト起動中に一定時間ドライバーの反応がない場合、緩やかに減速し停止する「アクティブエマージェンシーストップアシスト」といった安全運転支援システムを装備。また、ドライバーを支援するシステムとして、進行方向に障害物がある場合にアクセルを強く踏んでも車速を制限する「ドライブアウェイアシスト」や、縦列駐車、並列駐車をアシストする「アクティブパーキングアシスト」、対向車に対して防眩しつつ最適な配光を行なう「マルチビームLEDヘッドライト(ウルトラハイビーム付)」なども設定する。

モデルに応じて3種類のパワートレインをラインアップ

 エンジンは3種類をラインアップ。GLE 300 d 4MATICに搭載される直列4気筒2.0リッターディーゼル直噴ターボ「OM654」型エンジンは、出力を一層高めて最高出力180kW(245PS)、最大トルク500Nmを発生する。振動、騒音を低減したほか、シリンダーブロックとピストンの熱膨張率の異なる素材の採用や、表面コーティングNANOSLIDEの導入によって摩擦を低減し効率性を向上した。さらに、排出ガス浄化経路の短縮やsDPF(DPF with SCR Coating選択触媒還元法コーティング付粒子状物質除去フィルター)の採用など、排気の浄化にも注力することで、欧州で導入されているRDE(実路走行試験)規制にも適合した。

 GLE 400 d 4MATIC スポーツに搭載されるのは、最高出力243kW(330PS)、最大トルク700Nmのメルセデス・ベンツの乗用車の中で最高水準の出力を誇る直列6気筒3.0リッター直噴ディーゼルターボ「OM656」型エンジン。2ステージターボチャージャーを採用し、小さいタービンにはさらに可変タービンジオメトリーとすることで、低回転域から高回転域まで全域でトルクフルな加速を可能にした。効率性や環境性能に加え、低振動で高い静粛性を有している。

 GLE 450 4MATIC スポーツでは、コンパクトな直列6気筒DOHC 3.0リッター直噴ターボ「M256」型エンジンとともに、電気モーター「ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)」、「48V電気システム」などの新技術を搭載。効率性、快適性、高性能化を同時に実現した。エンジン単体で最高出力270kW(367PS)、最大トルク500Nmを発生するほか、ISGと48V電気システムによって最高出力16kW、最大トルク250Nmを発生。約1kWhの容量のリチウムイオンバッテリーと組み合わせて、回生ブレーキによる発電を行なったり、動力補助を行なったりすることで、高い効率性と力強い加速を実現する。加えて、スターターが高出力な電気モーターとなることで、エンジン始動時の振動を抑え、エンジンスタートおよびアイドリングストップの際の再スタートの快適性も向上している。

 トランスミッションについては、新型GLEは全てのモデルで、9G-TRONICオートマチックトランスミッションを採用する。1速から9速までの変速比幅が広いことで、エンジン回転数を大幅に低減でき、優れたエネルギー効率と快適性を実現している。GLE 300 d 4MATICでは、前後50:50の固定トルク配分となる4MATICを、GLE 400 d 4MATIC スポーツとGLE 450 4MATIC スポーツでは前後100-0%~0-100%の連続可変のトルク配分を行なうことで、オンロードとオフロードの性能をさらに高いレベルで両立させた新開発の4MATICを採用している。