ニュース

【SUPER GT 第4戦 タイ】GT500/GT300 優勝記者会見

2019年6月30日(現地時間)開催

左から大嶋和也選手、山下健太選手、星野一樹選手、石川京侍選手

 6月29日~30日にわたり、SUPER GT 第4戦「2019 AUTOBACS SUPER GT Round4 Chang SUPER GT RACE」がタイ王国 ブリーラムにある「チャン・インターナショナル・サーキット」において開催された。レースの詳細は既報でお伝えしているが、GT500クラスで優勝したのはポールポジションからスタートした6号車 WAKO'S 4CR LC500(大嶋和也/山下健太組、BS:ブリヂストン)。GT300クラスは10号車 GAINER TANAX triple a GT-R(星野一樹/石川京侍組、YH:ヨコハマ)が大逆転して優勝した。

 決勝レース終了後にはGT500クラス、GT300クラスそれぞれの優勝者による優勝者会見が行なわれ、GT500クラスの大嶋和也選手、山下健太選手、GT300クラスの星野一樹選手、石川京侍選手の4人が参加した。

「ここで抜かれたらおしまいだと思って、全力でキャシディ選手をブロックした」と山下選手

――それでは優勝した各選手の今日の振り返りと感想を。

大嶋和也選手

大嶋和也選手:最後に優勝したのが2013年で、それからずっと勝てなかった。やっと勝つことができて応援してくれた人に恩返しができた。自分のスティントでは、ピットから出てきたクルマを抜きにいって順位を落としてしまった。だが、チームがピット作業をものすごく速く終わらせてくれて、前に出ることができ、山下選手もいい走りをしてくれた。チームのみんなに感謝したい。

山下健太選手

山下健太選手:チームに感謝したい。スタートから見ていてペース的に厳しそうだと感じていた。だが、ピット作業が速くて、トムスの前に出ることができた。それからは絶対に守らないといけないと感じていたが、トムスの2台の方がペースが速くて敵わなかった。何回も抜かれそうになったし、時にはぶつかってしまうなどニックには申し訳なかったが、絶対引かないというつもりで走っていた。まずはホッとしている。

星野一樹選手

星野一樹選手:本当に嬉しい。GT-Rはこのコースに合っているし、チームともここで勝たないとと乗り込んできた。鈴鹿でもチャンスはあったけれど、ポイントを逃してしまったのが残念だった。予選は満足できない出来で7位だったけれど、決勝のペースは速いと信じていた。自分のパートでは3位まで追い上げたが、その後石川選手に代わってから、セーフティカーが入って前との差がつまるという運もあって、何よりも石川選手の走りはよかったけど難しいだろうと思っていた。なのに(オーバーテイクしてくれて)ニューヒーロー誕生ということで本当に嬉しかった。個人的にチームを移籍してから結果が出せていなくて辛かったが、今日優勝できたことがとにかく嬉しい。

石川京侍選手

石川京侍選手:素直に嬉しい。クルマも快調だったが、予選で硬めのタイヤを選んでしまったため厳しい順位になってしまった。セーフティカーがいいタイミングで出て前との差が縮まったのはよかったが、チャンスがなかなかこなくて、最後の最後でオーバーテイクできた。ヨコハマタイヤの今季初優勝に貢献できて嬉しいし、チーム一丸で実現できた勝利だ。

――大嶋選手は山下選手に交代したあと、ピットで見ていてどんな気持ちだったか?

大嶋選手:山下選手が自分のスティントと同じタイヤで行ったと後から聞いた。そのため、厳しいレースになるだろうと思って見ていた。ただ、37号車が後ろに来たときには、すでに37号車も同じタイヤを選択したと聞いていたのでいいバトルになるのではないかと思っていた。一瞬もうダメかなと思っていたときもあったが……。

――山下選手に、先ほどニック・キャシディ選手とバトルがという話があったが、詳しく教えてほしい。

山下選手:3コーナーでキャシディ選手がインに入ってきたのだが、そこで本当はよくないのだろうけど、自分もさらにインに入っていった。また、130Rでキャシディ選手が前に出て自分が後ろにいる、コーナーの優先権があちら側にある状況でも接触しながらも抑えたので、そこはやり過ぎな面があったのかと思って、キャシディ選手に申し訳なかったのだが、そこで抑えられないと自分は終わりだと思ったので、なんとか抑えきった。

――石川選手に最終ラップのオーバーテイクができた状況を教えて欲しい。GT500車両を利用したのか?

石川選手:利用したというよりは、急にタイミングが訪れた。最終コーナーで勝負かと思っていたのだが、瞬間的にあのコーナーでチャンスが生まれた。接触はちょっとはあったかもしれないが、平峰選手はクリーンにバトルしてくれたので感謝している。

――星野選手はこれでこのサーキットで3勝目だが、その秘訣は?

星野選手:GT-Rにレイアウト的に合っている。90度コーナーのようなコーナーがなくてトルクフルなエンジンやダウンフォースをうまくいかすことができた。

 また、ヨコハマタイヤが大きく進化した。強くて、常に安定していてロングランペースがよかった。そんなレースはめったにないが、週末をとおしてそういうタイヤを用意していただいたことが勝因だと考えている。

(石川選手が走っている時にはどうしていたのかと問われて)2位かと思って、着替えも済ませてピットへ歩いていって、そこでモニターを見ていたら石川選手が前に出たところが映っていた。そこからそこら中叩きまくって、誰と握手したのか覚えていないぐらい、あまりに叫びすぎて声が出なくなった。それまでは冷静に見ていたので覚えているが、危なげなくアグレッシブに攻めていた。

――最後に次戦に向けて、そして今後のシーズンの展望を。

大嶋選手:ランキングトップになって、ウェイトと燃料リストリクターで厳しいとは思うが、次の富士を含めてしっかり戦っていきたい。今までは2位とか3位とかでウェイトを積んで厳しいレースをやっていたが、1つ勝てたので今後は取りこぼしがないように頑張りたい。

山下選手:次からウェイトが重くなるので厳しいと思うが、ランクトップなので取りこぼしなく、ミスしないように上位でフィニッシュしてチャンピオンを狙いたい。

星野選手:余計なことを考えず全力でいくだけ。1戦1戦確実に、目の前の1戦を全力で戦っていきたい。

石川選手:一樹さんと同じだが、ポイントを積み重ねて最終戦にチャンピオン争いをしているようにしたい。