ニュース

【SUPER GT 第3戦 鈴鹿】快晴の鈴鹿を制したのはポールからスタートした36号車 au TOM'S LC500(中嶋/関口組)。レクサスが1-2-3

GT300は2勝目の96号車 K-tunes RC F GT3(新田/阪口組)

2019年5月26日 決勝開催

SUPER GT 第3戦 鈴鹿、GT500の優勝はポールからスタート36号車 au TOM'S LC500(中嶋一貴/関口雄飛組、BS)

 SUPER GT第3戦「2019 AUTOBACS SUPER GT Round 3 SUZUKA GT 300km RACE」が5月25日~26日の2日間にわたって鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)で開催され、5月26日の14時30分からは、決勝レースが行なわれた。開幕戦、第2戦と雨に祟られたレースになったのとうって変わって今回の鈴鹿のレースは快晴の天候下で行なわれ、気温や路面温度が高い中でのレースになった。

 優勝したのはGT500がポールからスタート36号車 au TOM'S LC500(中嶋一貴/関口雄飛組、BS)、2位は37号車 KeePer TOM'S LC500(平川亮/ニック・キャシディ組、BS)、3位は6号車 WAKO'S 4CR LC500(大嶋和也/山下健太組、BS)。

 GT300は開幕戦についで2勝目をマークした96号車 K-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南組、BS)。2位は最終ラップの最終コーナーで大逆転劇を演出した5号車 ADVICS マッハ車検 MC86坂口夏月/平木湧也組、YH)、3位は61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内 英輝組、DL)となった。

GT300の優勝は、開幕戦についで2勝目をマークした96号車 K-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南組、BS)

GT500、スタートからトムスの2台がレースを支配するが、23号車のクラッシュでSC導入

GT500クラスのスタート

 予選日同様、決勝日の鈴鹿地方の天気は快晴で、スタートの時点で気温30度、路面温度46度という、この時期の通常よりもかなり暑い天気になっていた。こうした天気がレースにどのような影響を与えるのかが、レースの行方に影響を与えそうだというのが戦前の予想となった。

 スタートは14時30分にパレードラップが開始され、三重県警の先導の元に1周行なわれ三重県警のパトカー3台と白バイ6台がピットロードに戻った後、その後フォーメーションラップが1周行なわれた。今年のSUPER GTは第1戦、第2戦ともにセーフティカースタートとなったため、地元警察の先導によるパレードラップが行なわれたのは今シーズン、第3戦にして初めてとなる。

 スタートはフロントロウの36号車 au TOM'S LC500(中嶋一貴/関口雄飛組、BS)、37号車 KeePer TOM'S LC500(平川亮/ニック・キャシディ組、BS)というトムスの2台がタイミングをあわせたのような綺麗なスタートを見せ、3位の8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/伊沢拓也組、BS)を引き離して1コーナーに入っていき、1-2でレースの序盤を支配した。その後ろも予選の順位順にレースが静かにスタートしていった。

序盤は、36号車 au TOM'S LC500(中嶋一貴/関口雄飛組、BS)、37号車 KeePer TOM'S LC500(平川亮/ニック・キャシディ組、BS)がレースをリード

 序盤のレースは6位からスタートした16号車 MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀/中嶋大祐組、YH)がタイムが上がらず、後ろがひっかかる展開に、3周目の終わりに1号車 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン組、BS)が日立オートモーティブズシケインで激しいタイヤスモークをあげて、激しいオーバーテイクを見せ、6位に上がった。

 その後3位を走っていた8号車が、4位を走っていた6号車 WAKO'S 4CR LC500(大嶋和也/山下健太組、BS)、5位を走っていた12号車 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/ジェームス・ロシター組、BS)に抜かれて、5位に落ちた。それにより2車がそれぞれ3位、4位に上がることになった。

 レース序盤は、完全にブリヂストン勢が支配した。23号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)、3号車 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/フレデリック・マコヴィッキ組、MI)という2台のミシュラン勢は、同じGT-Rでもブリヂストンを履く12号車のGT-Rに比べて1~2秒程度遅い状況で11位と12位。。このため、2台のミシュラン勢にとっては後半にどのようなタイヤを履くかが、ポイント獲得に向けて勝負を分けることになりそうだ。

 15周目に入った段階でトップは36号車 au TOM'S LC500、2位は37号車 KeePer TOM'S LC500、3位は6号車 WAKO'S 4CR LC500となり、その3台が徐々に4位以下を引き離している状態になり、序盤のトップ争いはこの3台に絞られた。

 レースは17周目を迎えた130Rで23号車 MOTUL AUTECH GT-Rがアウト側のタイヤバリアにクラッシュ。リプレイには23号車の右フロントタイヤが落ちていて火花がでている様子が映し出されており、タイヤないしはサスペンションのトラブルと推測される。これで、ポイントリーダーの23号車はこれでリタイヤとなってしまった。これにより、セーフティカーが導入され、レースは一時中断ということになってしまった。

トムスチームが予選と同じ順位で1-2フィニッシュ、36号車はポールトゥーウィン

 22周目にレースがリスタートすると、多くのクルマがピットに滑り込んでいった。トップ3の3台はそのままストレートを通過していったが、1号車、17号車、16号車などが続々と入っていった。

 レースが動いたのはその翌周。トップの36号車 au TOM'S LC500、3位の6号車 WAKO'S 4CR LC500などが続々とピットインし、さらにその翌周に37号車 KeePer TOM'S LC500もピットイン。これでピットインしていない3号車 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rを除いて上位勢はほぼピット作業を完了し、あとはゴールまでガチンコ勝負となった。

 全車ピット作業が終わると、トップは36号車 au TOM'S LC500、2位はピットストップを遅らせていた37号車のタイヤが暖まっていない隙をついて順位を上げた6号車 WAKO'S 4CR LC500、37号車は3位となり、4位は8号車 ARTA NSX-GT、5位はピットストップ作業の時間が他よりも短かった16号車 MOTUL MUGEN NSX-GTとなった。

 レース中盤は36号車 au TOM'S LC500、6号車 WAKO'S 4CR LC500、37号車 KeePer TOM'S LC500の3台が1秒以内の差でトップを争う展開。その3台がトップを争っている間に、レクサス 3台に8号車 ARTA NSX-GTもみるみる追いつき4台による3秒以内のトップ争いが展開されることになった。2位以下は、6号車と37号車が順位を入れ替えながら、タイムが上がらない36号車 au TOM'S LC500に追い越しをかけるが、36号車をドライブする関口選手は絶妙なブロックラインをとり抜かせない走りに徹して、トップを維持。

36号車 au TOM'S LC500は、中嶋一貴選手がトップのままピットイン。第2ドライバーの関口雄飛選手は、昨年のタイ戦で小林可夢偉選手から学んだという抑える走りを実践。2位と3位のレクサスを争わせて消耗させた

 36周目には5位を走っていた16号車 MOTUL MUGEN NSX-GTが左リアタイヤのトラブルでスロー走行になり、ピットインしてタイヤ交換。これにより6位を走っていた1号車 RAYBRIG NSX-GT以下の順位が一つずつ繰り上げることになった。

 レースは残り10周の段階でトップの36号車 au TOM'S LC500が2位の6号車 WAKO'S 4CR LC500を3秒以上引き離し、3位の37号車 KeePer TOM'S LC500という状況でほぼ順位は固定された。

 レースがそのままゴールするかと思われた残り4周、37号車 KeePer TOM'S LC500が2コーナーでGT300に詰まった6号車 WAKO'S 4CR LC500を見事にオーバーテイク。これで、37号車は2位に上がり、トムスは予選についで1-2フォーメーションを実現した。

 結局レースはそのままゴールし、優勝が36号車 au TOM'S LC500。2位は37号車 KeePer TOM'S LC500でトムスが1-2。3位は6号車 WAKO'S 4CR LC500、4位は8号車 ARTA NSX-GT、5位は39号車 DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン/中山雄一組、BS)、6位は12号車 カルソニック IMPUL GT-Rだったが、最終ラップにメインストレートでスローダウンし、マシンを停めた。それにより6位は38号車 ZENT CERUMO LC500(立川祐路/石浦宏明組、BS)が繰り上がった。

優勝を喜び合う、中嶋一貴選手(右)と/関口雄飛選手(左)
伊藤監督も加わって記念写真
2位は、37号車 KeePer TOM'S LC500(平川亮/ニック・キャシディ組、BS)
3位は、6号車 WAKO'S 4CR LC500(大嶋和也/山下健太組、BS)
GT500 決勝結果
順位カーナンバーマシンドライバータイヤウェイトハンデ周回数
136au TOM'S LC500中嶋一貴/関口雄飛BS252
237KeePer TOM'S LC500平川亮/ニック・キャシディBS852
36WAKO'S 4CR LC500大嶋和也/山下健太BS652
48ARTA NSX-GT野尻智紀/伊沢拓也BS2452
539DENSO KOBELCO SARD LC500ヘイキ・コバライネン/中山雄一BS1652
638ZENT CERUMO LC500立川祐路/石浦宏明BS4352
719WedsSport ADVAN LC500国本雄資/坪井翔YH552
824リアライズコーポレーション ADVAN GT-R高星明誠/ヤン・マーデンボローYH652
93CRAFTSPORTS MOTUL GT-R平手晃平/フレデリック・マコヴィッキMI1852
1012カルソニック IMPUL GT-R佐々木大樹/ジェームス・ロシターBS1151
1164Modulo Epson NSX-GTナレイン・カーティケヤン/牧野任祐DL351
1216MOTUL MUGEN NSX-GT武藤英紀/中嶋大祐YH451
131RAYBRIG NSX-GT山本尚貴/ジェンソン・バトンBS2251
R17KEIHIN NSX-GT塚越広大/ベルトラン・バゲットBS1231
R23MOTUL AUTECH GT-R松田次生/ロニー・クインタレッリMI4916
GT500 ポイントランキング(第3戦終了時点)
順位カーナンバードライバーRd1Rd2Rd3合計次戦ウェイトハンデ
138立川祐路/石浦宏明1.520526.553
223松田次生/ロニー・クインタレッリ8.516-24.549
336中嶋一貴/関口雄飛1-212244
48野尻智紀/伊沢拓也10282040
537平川亮/ニック・キャシディ-4151938
66大嶋和也/山下健太-3111428
739ヘイキ・コバライネン/中山雄一-861428
81山本尚貴/ジェンソン・バトン-11-1122
93平手晃平/フレデリック・マコヴィッキ4521122
1012佐々木大樹/ジェームス・ロシター5.5-16.513
1119国本雄資/坪井翔2.5-46.513
1224高星明誠/ヤン・マーデンボロー3-3612
1317塚越広大/ベルトラン・バゲット-6-612
1416武藤英紀/中嶋大祐2--24
1564ナレイン・カーティケヤン/牧野任祐0.51-1.53
GT500クラス表彰台

GT300、予選2位からスタートした96号車 K-tunes RC F GT3が開幕戦に次いで優勝

GT300クラスのスタート

 GT300のスタートも予選順位どおりに1コーナーに入っていったが、3位からスタートした5号車 ADVICS マッハ車検 MC86 マッハ号(坂口夏月/平木湧也組、YH)が、61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内 英輝組、DL)、10号車 GAINER TANAX triple a GT-R(星野一樹/石川京侍組、YH)などに次々と抜かれて後退していく展開に。5号車はレース前のウォームアップ走行でも、コース上でストップするトラブルに見舞われており、その影響なのかペースが上がらない状況になっていた。

 序盤のレースを支配したのはポールからスタートした25号車 HOPPY 86 MC(松井孝允/佐藤公哉組、YH)、2位の96号車 K-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南組、BS)。両者はつかず離れずと言ったところで、3位の61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTがトップ3でレースが推移していった。

序盤は25号車 HOPPY 86 MC(松井孝允/佐藤公哉組、YH)がレースをリードした

 GT500の23号車のクラッシュによるセーフティカーが明けると、レースの1/3が経過していたこともあり、トップの25号車 HOPPY 86 MCがピットイン。25号車は得意とするタイヤ無交換作戦を敢行し、前に入っていたGT500よりも前でピットアウトしていった。これで、25号車は、ピットインした車両の中ではトップでコースに戻り、全車がピットインすると2位に16秒程度の差をつけてトップに立っていた。

 こうなると、25号車のタイヤが最後まで持つのか、それがレース焦点となっていった。残り15周の段階で、トップの25号車と2位の96号車 K-tunes RC F GT3の差は12秒。その差は急速に縮まってきており1周につき2秒程度詰まってきており、残り10周で4秒まで詰まってきた。タイムから見ると、25号車のタイヤはかなり厳しい状態であることが想像される。結局残り8周のデグナーで96号車 K-tunes RC F GT3が25号車を抜きトップに立った。

96号車 K-tunes RC F GT3は、残り8周のデグナーで25号車を抜きトップへ。そのまま優勝した

 今回のレースでは各車ともタイヤが厳しい状況にあり、残り8周まで上位を走っていた88号車 マネパ ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥組、YH)もタイヤがパンクしピットに入らざるを得なくなり、ピットに入りポイント圏外に脱落してしまった。

 結局そのまま優勝したのは96号車 K-tunes RC F GT3。96号車は開幕戦に次いで今シーズン2勝目。2位は5号車 ADVICS マッハ車検 MC86 で、最終ラップの最終コーナーでオーバーランした25号車 HOPPY 86 MCをオーバーテイクして獲得した。3位は61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT、4位は4号車 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組、YH)、25号車は5位となった。

GT300クラスの優勝記念写真。影山正彦監督(右)とともに
25号車がファイナルラップで失速。2位は、5号車 ADVICS マッハ車検 MC86坂口夏月/平木湧也組、YH)
3位は、61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内 英輝組、DL)
GT300 決勝結果
順位カーナンバーマシンドライバータイヤウェイトハンデ周回数
196K-tunes RC F GT3新田守男/阪口晴南BS2049
25ADVICS マッハ車検 MC86 マッハ号坂口夏月/平木湧也YH-49
361SUBARU BRZ R&D SPORT井口卓人/山内英輝DL849
44グッドスマイル 初音ミク AMG谷口信輝/片岡龍也YH1349
525HOPPY 86 MC松井孝允/佐藤公哉YH-49
655ARTA NSX GT3高木真一/福住仁嶺BS4749
734Modulo KENWOOD NSX GT3道上龍/大津弘樹YH249
821Hitotsuyama Audi R8 LMSリチャード・ライアン/富田竜一郎YH649
911GAINER TANAX GT-R平中克幸/安田裕信DL4049
1060SYNTIUM LMcorsa RC F GT3吉本大樹/宮田莉朋DL849
1131TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT嵯峨宏紀/中山友貴BS-49
1210GAINER TANAX triple a GT-R星野一樹/石川京侍YH248
13720McLaren 720S荒聖治/アレックス・パロウYH-48
1465LEON PYRAMID AMG黒澤治樹/蒲生尚弥BS1748
1518UPGARAGE NSX GT3小林崇志/松浦孝亮YH-48
1635arto RC F GT3ナタポン・ホートンカム/ショーン・ウォーキンショーYH-48
1787T-DASH ランボルギーニ GT3高橋翼/アンドレ・クートYH-48
1856リアライズ 日産自動車大学校 GT-R平峰一貴/サッシャ・フェネストラズYH2448
1988マネパ ランボルギーニ GT3小暮卓史/元嶋佑弥YH2348
20360RUNUP RIVAUX GT-R青木孝行/柴田優作YH-48
2130TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT永井宏明/織戸学YH-48
229PACIFIC MIRAI AKARI NAC PORSCHE横溝直輝/峰尾恭輔YH-48
232シンティアム・アップル・ロータス高橋一穂/加藤寛規YH-48
2450ARNAGE AMG GT3加納政樹/山下亮生YH-48
2548植毛GO&FUN GT-R田中勝輝/飯田太陽YH-48
2622アールキューズ AMG GT3和田久/城内政樹YH-48
2752埼玉トヨペットGB マークX MC脇阪薫一/吉田広樹BS1140
2833エヴァRT初号機 X Works GT-Rショウン・トン/マーチー・リーYH838
R7D'station Vantage GT3藤井誠暢/J.P.デ・オリベイラYH-30
GT300 ポイントランキング(第3戦終了時点)
順位カーナンバードライバーRd1Rd2Rd3合計次戦ウェイトハンデ
196新田守男/阪口晴南10-203060
255高木真一/福住仁嶺8.515528.557
311平中克幸/安田裕信-2022244
45坂口夏月/平木湧也--151530
561井口卓人/山内英輝4-111530
64谷口信輝/片岡龍也1.55814.529
756平峰一貴/サッシャ・フェネストラズ39-1224
888小暮卓史/元嶋佑弥0.511-11.523
965黒澤治樹/蒲生尚弥2.56-8.517
1025松井孝允/佐藤公哉--7714
1121リチャード・ライアン/富田竜一郎-33612
1252脇阪薫一/吉田広樹5.5--5.511
1360吉本大樹221510
1434道上龍/大津弘樹1-4510
1533ショウン・トン/道見真也-4-48
1660宮田莉朋2-1310
1760ドミニク・ファーンバッハー-2-210
1810星野一樹/石川京侍-1-12
GT300クラス表彰台