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アウディ、“SUVクーペ”の新たな時代を切り拓く新型SUVフラグシップ「Q8」発表会

48Vマイルドハイブリッド採用。クーペスタイルの大型SUV

2019年7月3日 開催

新型フラグシップSUV「Q8」の発表会でフォトセッションに立つアウディ ジャパン株式会社 代表取締役社長のフィリップ・ノアック氏(左)とアウディAG エクステリアデザインチーム リーダーのフランク・ランバーティ氏(右)

 アウディ ジャパンは7月3日、新型フラグシップSUV「Q8」を東京都現代美術館で報道関係者向けに公開した。

 新型Q8の価格は992万円~1102万円で、10月1日以降の消費税10%が適用された場合の価格は1010万円~1122万円。このほか、新型Q8の概要は関連記事「アウディ、クーペスタイルSUV『Q8』。Qシリーズの新フラグシップ日本上陸」を参照いただきたい。

新型Q8
ボディカラーは「ドラゴンオレンジメタリック」
「HDマトリクスLEDヘッドライト」を装着
「LEDリヤダイナミックターンインディケーター」
アウディ ジャパン株式会社 代表取締役社長のフィリップ・ノアック氏

 最初に登壇したアウディ ジャパンのフィリップ・ノアック社長は「本日皆さまに、東京都現代美術館で最新のモデルを紹介できることを誇りに思います」と述べて発表会をスタート。「新年に約束した通り、7月半ばになりましたが、また1つ、アウディの新製品を紹介できることを嬉しく思います。『RS 4』『A6』『TT』に続き、最もエキサイティングなモデルの1つ、アウディ『Q8』を発表いたします」と続けた。

 アウディにおけるSUVモデルの歴史は、2006年の「Q7」からスタートしたが、すぐに成功を収め、デザイナー、スタイリスト、著名人など“トレンドセッター”と呼ばれる人たちの間で高い人気を獲得。“Qモデル”の人気は続いて登場した「Q5」「Q3」によってさらに高まり、最近ではコンパクトな「Q2」が2017年に発売され、ベストセラーの1つになっているとノアック社長は紹介。また、今日ではアウディを購入するユーザーの3人に1人がSUVモデルを選択するという状況があり、SUV市場はさらに伸長。2019年第1四半期の世界販売に占めるSUV比率は38%となり、2025年までには50%になることが予想されるという。

 こうしたことから、ノアック社長は2016年に第2世代となったQ7と同じセグメントである大型SUVのジャンルに、新しいモデルをさらに投入することが必要になった理由について、プレミアムSUVセグメントの最近の傾向として、全高が低くワイドなスタンスとクーペのようなシルエットを備えたSUVが富裕層に強くアピール。販売が好調に推移して、いわゆる“SUVクーペ”と呼ばれる新しい市場が形成されていることなどを挙げ、これらが「なぜアウディ Q8が登場したのか」ということへの答えであると説明した。

アウディ“Qモデル”の歴史
プレミアムSUVセグメントは右肩上がりで成長している
ステージ上で新型Q8がアンベールされた

 鮮やかなオレンジメタリックのQ8がアンベールされた後、ノアック社長は「いかがでしょうか。アウディが近年開発したクルマの中で最もスタイリッシュなQ8が、日本の、そして東京の道をたくさん走ることを楽しみにしています」との期待を述べた。さらに、「Q8は“Qシリーズ”のフラグシップモデルであり、“アウディ4リング”を完璧に表現しています。新型のハイライトについては、シングルフレームグリルやクーペスタイルなど最新のデザイン言語を体現している点、3.0 TFSIエンジンとクワトロAWDシステム、4輪操舵システムによるダイナミックな走行パフォーマンス、新型MMIを採用したスタイリッシュで未来的なインテリアです」と説明した。

 また、V型6気筒エンジン+48Vマイルドハイブリッド技術を標準装備。リチウムイオンバッテリーとベルト駆動式オルタネータースターターが組み込まれ、制動時は最大12kWの電力を回生発電してバッテリーに充電するほか、エンジンを停止させた状態で一定時間コースティング(慣性走行)できる機能や、22km/hから作動するスタート/ストップ機能などを実現した点。さらに高速道路では最大40秒間エンジンを停止し、燃料節約に貢献する。

 このほか、20以上のセンサーやカメラによって「A8」同様の安全運転支援システムを搭載した点、HDマトリクスヘッドライトとLEDダイナミックターンシグナルを選択できる点、日本に初めて導入する「エアクオリティパッケージ」などの装備について紹介。さらに大型SUVらしく、広いスペースと実用性を備えている点もノアック社長は強調。リアシートを格納すると1755Lものラゲッジスペースが出現するとした。

エクステリアデザインや走行性能、車内の先進装備などがアピールポイント
48Vマイルドハイブリッド技術や「A8」同様の安全運転支援システムといった先進性も備える
HDマトリクスヘッドライトとLEDダイナミックターンシグナルを選択可能
「エアクオリティパッケージ」は日本初導入の装備
ボディサイズの一覧

アウディのアイデンティティを注ぎ込んでデザインを追求

アウディAG エクステリアデザインチーム リーダーのフランク・ランバーティ氏

 続いて登壇したのは、独インゴルシュタットの本社から来日したアウディAG エクステリアデザインチーム リーダーのフランク・ランバーティ氏だ。

「新製品の発表はいつもワクワクするもので、ここに立てることを誇りに思います」とプレゼンテーションを開始したランバーティ氏は「アウディにとって“8”はフラグシップを意味する数字。A8、R8に続いて、今まで空いていた“Qモデル”の8を今回埋めることができました」と続けた。

「開発を開始したのは6年前で、当初はボディを変えずにルーフだけをクーペラインにしようとしましたが、BMWの『X6』やメルセデス・ベンツの『GLE』などのクローンになってしまっては、アウディにとって造る意味がない。そこで、アウディのアイデンティティを注ぎ込んでデザインを追求し、全体をまったく新しいパッケージとしたのが今回のQ8なのです」と説明した。

 エクステリアの最大の特徴は、新しいQファミリーの顔となる8角形デザインのシングルフレームグリルだ。フレームと呼ばれるグレーの太い枠に囲まれ、左右に伸びるスポイラーと立体的な造形のエアインレットが組み合わされて、圧倒的な存在感を放っている。また、力強い弧を描くルーフラインや、22インチホイールが装着できるホイールアーチ上のクワトロブリスター、左右のリアコンビランプをつなぐライトスリップ下のブラックパネルなどには、初代アウディ スポーツ・クワトロをモチーフとしたデザインディテールを採用。これら一連のデザイン要素の取り入れ方について、会場でビデオを使って説明した。

8角形デザインのシングルフレームグリルがエクステリア最大の特徴になると解説するランバーティ氏
初代アウディ スポーツ・クワトロをデザインディテールのモチーフとしている

 一方、標準装備のLEDヘッドライトや、オプションのHDマトリクスLEDヘッドライトで採用した3次元的なシグネチャーを生み出すデイタイムランニングライトによって、デジタルの世界を表現。オーナーがスマートフォンアプリにインストールした「myAudiアプリ」を使用すれば、さまざまなライティング機能を有効にして、車外からそれを眺めることもできるという。

ゲスト参加した井浦新さん

 最後に登壇したのは、俳優・フォトグラファーで、現在NHKの朝ドラ「なつぞら」に出演中の井浦新さんだ。井浦さんとアウディとの関係については、2012年に箱根彫刻の森美術館で井浦さんが写真展を行なった際、アウディの協力でプレエキシビジョンを開催したり、作品作りをする移動の足として、1年間にわたって箱根の山での移動にアウディ車(R8とA3)を使用したことがあるという。

 今回のQ8について井浦さんは「洗練された新しさとともに、どこか無骨なたくましさやタフさを感じることができ、自分にとって理想的なバランスを感じることができるモデルです」とコメント。乗ってみると「車内も広く、安心で安全なリビングにいるような感じでした」と表現した。

 Q8のボディサイズは4995×1995×1705mm(全長×全幅×全高)で、パワートレーンには最高出力340PS、最大トルク500Nmを発生するV型6気筒DOHC 3.0リッター直噴ターボエンジンを搭載し、48Vマイルドハイブリッドシステムと8速ATの「8速ティプトロニック」、クワトロ4WDシステムを組み合わせる。予約注文は同日から受け付けが開始され、納車は9月3日からの予定となっている。

4995×1995×1705mm(全長×全幅×全高)というLクラスのボディを、340PS/500Nmを発生するV型6気筒 3.0リッター直噴ターボエンジンで軽快に加速させる
ラゲッジ容量は通常は605Lで、リアシートの背もたれを前に倒すことで最大1755Lまで拡大可能
新型Q8のインテリア
ほかのアウディモデル同様、メーターパネルはフルデジタルタイプ
広々とした後席空間が用意される