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フォルクスワーゲンとフォード、世界規模の戦略的提携を自動運転と電動化に拡大

AI企業「Argo AI」に共同出資。協業によるEVを2023年に欧州で発売

2019年7月12日(現地時間)発表

独フォルクスワーゲンと米フォードが戦略的提携を自動運転と電動化に拡大

 独フォルクスワーゲンと米フォードは7月12日(現地時間)、2018年6月に発表した資本提携を含まない戦略的提携について、自動運転と電動化に拡大すると発表した。

 フォルクスワーゲンとフォードは、大都市におけるライドシェアリングや配達サービスに利用可能な「SAE レベル4」のSDS(自動運転システム)に焦点を当てて開発を行なっているAI企業「Argo AI(アルゴAI)」に共同で出資。今後3年間で70億ドル以上の評価額となる投資を行ない、両社がArgo AIの株式を均等に取得して過半数を所有することになる。

 この投資により、Argo AIのSDSプラットフォームは最大規模で世界の各市場に展開できる可能性を持つものとなり、両社はそれぞれのブランドの車両に独立してArgo AIのSDSを搭載し、人や物の移動に対する差別化された取り組みを推進していく。

フォルクスワーゲンとフォードが共同出資するArgo AIのSDSが両社のモデルに搭載され、市場投入される

 電動化では、フォルクスワーゲンが2016年に開発をスタートしたEV専用アーキテクチャ「MEB(モジュラー エレクトリック ドライブ マトリックス)」をフォードに供給。フォードではMEBをベースとしたまったく新しい量産EV(電気自動車)の開発を計画しており、2023年から欧州市場で販売する予定。さらにフォードでは欧州向けの新規第2モデルの開発も検討しており、6年間でMEBを使用した60万台以上のEV販売を目指している。

 このほか、すでに発表済みの「商用バン」「中型ピックアップトラック」の共同開発計画も順調に進んでおり、フォードが開発・製造を担当する中型ピックアップトラックは、2022年から欧州、アフリカ、中東、南米といった主要市場で導入予定となっている。

フォルクスワーゲンのMEBをベースとしたまったく新しいフォードの量産EVを、2023年から欧州市場で販売