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日産 西川社長「2モーターの新型クロスオーバーEVを2022年までに出す」と発表

2019年度第1四半期決算の説明会にて

2019年7月25日 開催

西川社長が「2モーターの新型クロスオーバーEVを2022年度までに出す」と発表

 日産自動車は7月25日、2019年度 第1四半期決算を発表。この場では5月に実施された2018年度の通期決算説明会と同様、日産自動車 代表取締役社長 CEO 西川廣人氏から日産が進めている事業改革についての説明が行なわれた。この中で西川社長は将来的な商品戦略についても言及し、「2モーターの新型クロスオーバーEVを2022年度までに出す」と発表した。

 直近のモデルについては、新型「スカイライン」が7月に発表されているほか、コネクテッド技術を搭載する「シルフィ」、4月に米国で発表した「ヴァーサ」など、20の新製品を事業構造改革「NEW NISSAN TRANSFORMATION」で目標とする2022年までの期間に市場投入。多方面から指摘されている「車齢の古さ」をにおいて、平均した車齢を「5年以上」の状態から「3.5年」に下げ、目指している「確実な成長」に向けた源泉にするとした。

日産自動車株式会社 代表取締役社長 CEO 西川廣人氏

 また、従来から掲げている「電動化の技術で業界をリードしていく」取り組みで、ゼロエミッションのEV(電気自動車)やエンジンとモーターを組み合わせる「e-POWER」をさらに推進。2つのモーターを搭載して4WDを実現する高性能モデルを同じく2022年までに市場投入すると西川社長が紹介。現在販売しているEVの「リーフ」やe-POWER採用の「ノート」「セレナ」だけでなく、より幅広いラインアップを展開すると言い、EVは軽自動車、Cセグメントクロスオーバー、Dセグメントモデルなどに設定。e-POWERは4つのハイパワーなモーターを使う大型車両(現状はFRプラットフォームを採用したモデル)の置き換えを行なっていくという。

コネクテッド技術を搭載する「シルフィ」や、シルエットのみが公開されている「近日公開予定」の新型モデルなどを市場投入
EVの軽自動車やCセグメントクロスオーバー、4つのハイパワーモーターを使うe-POWERの大型車両などを2022年までにリリースする
「プロパイロット」の技術でも、「高速道路におけるアイズオフ機能」を商品化
自動運転の技術開発を行なっている「Waymo」ともパートナーシップを結び、「ドライバーレスサービス」の開発にも取り組んでいく

 説明で用いられたスライドでは、前輪と後輪のそれぞれにモーターを備えると思われるEVプラットフォームと「新型クロスオーバーEV」の説明があり、EV専用プラットフォームを備えて航続距離を伸ばし、4WDとすることが示唆された。

 このほかにも先進技術として、新型スカイラインに搭載して市場投入する「プロパイロット 2.0」に続き、2022年までの期間にさらに技術を進化させ、自動運転のレベル3に相当する「高速道路におけるアイズオフ機能」も商品化していくと紹介。これらの先進技術を売上高14兆5000億円、営業利益率6%を実現するバックボーンにすると西川社長は解説している。

事業改革についての説明の要約。厳しい現状を乗り越え、「ニッサン インテリジェント モビリティ」の戦略のもと、CASEの導入で業界の先をいくと西川社長は語った
日産自動車 2019年度第1四半期決算発表記者会見(1時間6分10秒)