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最新のスペック4エンジンを4台に投入。F1 イタリアGPの予選結果について、ホンダ F1テクニカルディレクター 田辺豊治氏に聞く

ホンダ F1テクニカルディレクター 田辺豊治氏

 9月6日~8日(現地時間)の3日間にわたり、F1 イタリアGPがモンツァ・サーキットで開催されている。7日に行なわれた予選では、フェラーリの16号車 シャルル・ルクレール選手が1分19秒307でポールポジションを獲得した。

 ホンダエンジンを搭載し、2019年のF1シーズンですでに2勝を挙げイタリアGPでの活躍も期待されているアストンマーティン・レッドブル・レーシング 33号車 マックス・フェルスタッペン選手は、Q1でのトラブルによりタイムを刻めないこととなった。

 33号車 マックス・フェルスタッペン選手は、レッドブル・トロロッソ・ホンダの15号車 ピエール・ガスリー選手とともにイタリアGPからホンダの最新エンジンとなるスペック4エンジンを投入しており、シーズン中の制限を超えるエンジン基数となることからいずれにしろ2選手とも最後列からのスタートが決まっていた。

 このスペック4エンジンは、前戦でチームメイトの23号車 アレクサンダー・アルボン選手、レッドブル・トロロッソ・ホンダの26号車 ダニール・クビアト選手が投入。イタリアGPは、ホンダエンジンを採用する4車がいずれも最新エンジンを使う初めてのグランプリになる。

 ホンダエンジンを採用する4車の順位は、8位 23号車 アレクサンダー・アルボン、13位 26号車 ダニール・クビアト、15位 15号車 ピエール・ガスリー選手。スペック4エンジンの投入により最後列となる予定だったが、15号車 ピエール・ガスリー選手は17番手から、33号車 マックス・フェルスタッペン選手は19位からスタートする。

 予選終了後、ホンダ F1テクニカルディレクター 田辺豊治氏の囲み取材が行なわれた。Q1におけるフェルスタッペン選手のトラブルについては、エンジントラブルではなく「シケインの出口で縁石に乗り上げて過大なホイルスピンでオーバーレブをした」「そこでアクセルを踏み続けてFIAのフィルターに引っかかった」とのこと。FIAのフィルターとは、FIAのトルク監視システムのことで、ある程度時間がたつまでパワーの発生を抑えるものだという。

 これが作動したことにより「マックスも(アクセル)踏み続けたけどなかなか(パワー)が戻ってこないということで、心配になって戻した」といい、これがQ1でタイムを刻めないという要因になった。

 Q3においても、23号車 アレクサンダー・アルボン選手は、キミ・ライコネン選手のクラッシュによる赤旗中断でタイムを刻めず、結果は8位。スペック4エンジンを搭載したホンダの4車の予選は「ホンダ勢全体としてうまく回らなかった」(田辺氏)という結果になった・

 スペック4エンジンそのもののパワーは上がっており、田辺氏はエンジンの調整範囲は広がっているという。イタリアGPは、4台のスペック4ホンダエンジン搭載車が走る初めてのレースとなるが、ホンダとして「あるクルマはこれ、あるクルマはこれ」というマシンごとに調整を行なうのではなく、各チーム、各ドライバーの要望に応えて調整を行なっていくとのこと。

 モンツァという高速サーキットのイタリアGPでは、ホンダの新スペックエンジンがどのような実力を発揮していくのか、日本時間9月8日22時10分のスタートを楽しみに待ちたい。

ホンダのスペック4エンジンを投入したマックス・フェルスタッペン選手の33号車

※スタート順について変更があり、記事を修正。