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2019年のDTM最終戦・レース2はニコ・ミューラー選手がアウディ独占の表彰台の頂点に立つ

ハンコックのウェットタイヤに困惑するSUPER GT勢最上位はジェンソン・バトン選手のNSX-GTで16位

2019年10月5日~6日(現地時間) 開催

DTM最終戦・レース2で優勝したニコ・ミューラー選手(51号車 Castrol EDGE Audi RS 5 DTM)

 ドイツ・ホッケンハイムリンクで10月5日~6日(現地時間)、ドイツのツーリングカー選手権であるDTMの最終戦が2日間に渡って開催された。このレースに、DTMの歴史上初めて日本の自動車メーカーのレーシングカーが参戦しており、「クラス1」という新しいレーシングカーの規定を策定してきた両者のコラボレーションは新しい時代に突入した。10月5日にはレース1(別記事参照)が行なわれ、10月6日の13時半からはレース2が行なわれた。

 このレースで優勝したのは、シリーズランキングの2位で前日のレース1ではレース終盤にペナルティを受けて17位に終わったニコ・ミューラー選手(51号車 Castrol EDGE Audi RS 5 DTM)で、これによりシリーズランキング2位を確定して2019年シーズンを終えた。2位は午前中に行なわれた予選でポールポジションを獲得したマイク・ロッケンフェラー選手(99号車 Akrapovic Audi RS 5 DTM)、3位はレース1の勝者で今年のDTM王者であるレネ・ラスト選手(33号車 Audi Sport RS 5 DTM)となり、アウディ勢が1-2-3とポディウムを独占した。

 日本からやってきたSUPER GT勢は、前日に引き続いて走行したジェンソン・バトン選手(1号車 Honda NSX-GT)が16位、ロニー・クインタレッリ選手(35号車 MOTUL AUTECH GT-R)が17位と2台が完走し、ニック・キャシディ選手(37号車 LEXUS TEAM TOM'S LC500)はオープニングラップの混乱で他車に追突され、ガードレールに激突してレースを終えることになった。

ドライでは戦えた日本勢だが、ウェットではタイヤがまったく動作せず厳しい戦いに

ウェットタイヤの課題で厳しいレースになってしまったSUPER GT勢。ロニー・クインタレッリ選手(35号車 MOTUL AUTECH GT-R)は17位完走

 前日のレース後に行なわれた記者会見において、日本勢の最上位となる9位でゴールしたジェンソン・バトン選手をはじめ日本のチームのドライバーは異口同音に「ドライだと戦えるが、雨になってウェットタイヤになると作動温度レンジに入れることができず、まったく走れない」と語っており、雨が予想されていたレース2へ向けての懸念を口にしていた。

 通常、SUPER GTではブリヂストン、ミシュラン、ダンロップ、横浜ゴムといったタイヤメーカーが競争を行なっており、それだけにグリップ力が高かったり、「デグラデーション」と呼ばれるタイヤの性能劣化が比較的少ないタイヤで、かつ作動温度レンジ(タイヤが最高の性能を発揮するタイヤ自体の温度)も予想される現地の気温に合わせ込んでサーキットに持ち込んでくる。このため、日本のSUPER GTでは、おそらく世界最高の性能を持つタイヤを利用してレースを行なっている。

 それに対してDTMは韓国のハンコックタイヤのワンメイクになっており、性能もわざと高くせず、デグラデーションもある程度発生するようになっている。グリップ力も日本のSUPER GTで使われているタイヤと比較すれば低くなっているし、何より作動温度レンジも大きく異なっている。DTMをレギュラーで走るチームやドライバーはこのあたりの情報に精通しており、データもたくさん持っているが、日本のチームやドライバーは4月に富士スピードウェイで行なわれたテストで1度使っただけ。ほとんど初めてこのハンコックタイヤを履くような状態で、このホッケンハイムリンクでハンコックタイヤを使うのはもちろん初めての経験となる。

雨の中走行するジェンソン・バトン選手(1号車 Honda NSX-GT)

 このため、木曜日の走行開始から日本の3チームは非常に苦戦しており、こうしたハンコックタイヤ攻略に時間をかけることになった。それでもドライ路面では徐々にパフォーマンスは向上していった。土曜日に行なわれたレース1ではジェンソン・バトン選手(1号車 Honda NSX-GT)が予選6位につけ、レースではどんどんタイムを向上。途中のピットストップで想定外の10秒をロスしたため順位を下げてしまったが、その時点まで走っていた順位で前後にいたドライバーを見てみると、最終的に4位~6位あたりに入賞してもおかしくないパフォーマンスを発揮していた。

 このため、ドライに関しては戦えそうな感触を得ていたが、ウェットについては金曜日に行なわれた練習走行で、ウェット路面で走行した日本の3台のうち2台がクラッシュしてしまうなど苦しい状況に置かれていた。チーム側としては、タイヤの内圧やさまざまなセッティングを変えることにトライしたが、ドイツ側がウェットタイヤでは日本のチームが戦える状況にはないことを認めるほど明白に厳しい状況に置かれてしまっていたのだ。

予選はマイク・ロッケンフェラー選手がポール獲得。ランキング2位のニコ・ミューラー選手は2位からスタート

ポールポジションを獲得したマイク・ロッケンフェラー選手(中央)、2位を獲得したニコ・ミューラー選手(左)、3位を獲得したティモ・グロック選手

 このため、バトン選手をはじめとしたSUPER GTのドライバーは全員レース2に向けてウェットタイヤへの懸念を語っていたが、残念ながら予報通りに天候は雨。朝から徐々に雨量が増えていき、予選が始まる段階では路面は完全に濡れてフルウェットになった。DTMのタイヤはドライ6セット、ウェット3セットのそれぞれ1種類がハンコックより各チームに渡されており、雨量が多いレースでも1種類のウェットタイヤを利用して戦う必要がある。

ポールを獲得したマイク・ロッケンフェラー選手(99号車 Akrapovic Audi RS 5 DTM)

 そんなウェットの予選においてポールポジションを獲得したのは、前日のレース1で3位となったアウディ・スポーツ・チーム・フェニックスのマイク・ロッケンフェラー選手(99号車 Akrapovic Audi RS 5 DTM)だ。ロッケンフェラー選手はこの時点でランキング4位につけており、ランキング5位のアウディ・スポーツ・チーム・アプト・スポーツラインのロビン・フラインス選手(4号車 Aral Ultimate Audi RS 5 DTM)とは6点差の僅差。ランキング4位を確保するために、ポールポジションに与えられる3点を手に入れて有利な位置を得た。

 予選2位は前日のレース1では接触によるドライブスルーペナルティを受けてポイント圏外でゴールすることになったアウディ・スポーツ・チーム・アプト・スポーツラインのニコ・ミューラー選手(51号車 Castrol EDGE Audi RS 5 DTM)。ランキング2位にいるミューラー選手は、この時点でランキング3位になっているBMW チーム RMRのマルコ・ウィットマン選手(11号車 Schaeffler BMW M4 DTM)とは21点差。予選2位に対して与えられる2点を加えたことでポイント差を23点に広げており、自身がリタイアしない限りほぼランキング2位が確実な状況だ。そのBMWのウィットマン選手は予選6位で最終レースを迎えることになる。

 BMW勢の予選最上位となったのは、ウィットマン選手のチームメイトで日本ではトヨタのF1参戦時に活躍した元F1ドライバーとしてもよく知られているティモ・グロック選手(16号車 JIVS BMW M4 DTM)だ。

 なお、前日の勝者で今季のDTM王者となったアウディ・スポーツ・チーム・ロズベルグのレネ・ラスト選手(33号車 Audi Sport RS 5 DTM)は予選8位とやや低迷し、決勝レースで追い上げを期すことになった。

日本勢の予選最上位はニック・キャシディ選手(37号車 LEXUS TEAM TOM'S LC500)の16位

 注目の日本勢はニック・キャシディ選手(37号車 LEXUS TEAM TOM'S LC500)が最上位で16位、前日に続いて走行したジェンソン・バトン選手(1号車 Honda NSX-GT)が19位、ロニー・クインタレッリ選手(35号車 MOTUL AUTECH GT-R)が21位と、予想通り厳しい展開になってしまった。全車が共通してウェットタイヤを使いこなせていない状況が続くことになった。

順位カーナンバードライバーチームマシン名タイム周回数
199Mike Rockenfeller (DEU)Audi Sport Team PhoenixAkrapovic Audi RS 5 DTM1分50秒80012
251Nico Muller (CHE)Audi Sport Team Abt SportslineCastrol EDGE Audi RS 5 DTM1分50秒81311
316Timo Glock (DEU)BMW Team RMRJIVS BMW M4 DTM1分51秒26010
453Jamie Green (GBR)Audi Sport Team RosbergHoffmann Group Audi RS 5 DTM1分51秒39111
547Joel Eriksson (SWE)BMW Team RBMCATL BMW M4 DTM1分51秒48910
611Marco Wittmann (DEU)BMW Team RMGSchaeffler BMW M4 DTM1分51秒78811
725Philipp Eng (AUT)BMW Team RMRZF BMW M4 DTM1分51秒80711
833Rene Rast (DEU)Audi Sport Team RosbergAudi Sport RS 5 DTM1分51秒87311
94Robin Frijns (NLD)Audi Sport Team Abt SportslineAral Ultimate Audi RS 5 DTM1分51秒99011
1028Loic Duval (FRA)Audi Sport Team PhoenixMASCOT WORKWEAR Audi RS 5 DTM1分51秒99411
1176Jake Dennis (GBR)R-Motorsport 1Aston Martin Vantage DTM1分52秒24212
1262Ferdinand von Habsburg (AUT)R-Motorsport 2Aston Martin Vantage DTM1分52秒37412
1327Jonathan Aberdein (RSA)WRT Team Audi Sport WRTAudi RS 5 DTM1分52秒48311
147Bruno Spengler (CAN)BMW Team RMGBMW Bank M4 DTM1分52秒49111
1531Sheldon Van der Linde (RSA)BMW Team RBMShell BMW M4 DTM1分52秒51111
1637Nick Cassidy (NZL)Lexus Team KeePer TOM'SLEXUS TEAM TOM'S LC5001分52秒52711
173Paul Di Resta (GBR)R-Motorsport 1Aston Martin Vantage DTM1分52秒53412
1823Daniel Juncadella (ESP)R-Motorsport 2Aston Martin Vantage DTM1分52秒65212
191Jenson Button (GBR)Team KunimitsuHonda NSX-GT1分52秒78711
2021Pietro Fittipaldi (BRA)WRT Team Audi SportWRT Audi RS 5 DTM1分53秒41011
2135Ronnie Quintarelli (ITA)NismoMOTUL AUTECH GT-R1分53秒87511

1周目にキャシディ選手が追突されてクラッシュし、アストンマーティンのトラブルで赤旗中断に

豪雨の中でのスタートシーン。ウォータースクリーンで後続車両が見えない状態だが、すでに予選2位からスタートしたミューラー選手がトップに立っている

 雨が上がってドライになってほしいという日本チームの希望を打ち砕くように、お昼からレーススタートの13時半に向けて雨は強くなるばかり。結局、レースは雨が強くなっていく状況の中で行なわれることになった。

 レースではフォーメーションラップが1周追加されて2周行なわれることになり、その逆にレース時間が60分+1周から52分+1周に短縮されることになった。しかし、2周目のフォーメーションラップの途中で、今年から参戦しているアストンマーティンをドライブするポール・ディ・レスタ選手(3号車 Aston Martin Vantage DTM)のマシンがコース脇に止まってしまい、それを排除する時間を稼ぐためにフォーメーションラップがもう1周追加され、最終的には49分+1周でレースが行なわれることになった。

1周目の激しい順位争い

 3周のフォーメーションラップの後にレースはスタートが切られた。多くの車両が1コーナーのアウト側に飛び出すなど混乱のスタートになったが、その中で予選2位からスタートしたミューラー選手が抜群のスタートを見せ、隊列をリードして1コーナーに入っていた。それに次ぐ2位に上がってきたのは、なんと予選8位からスタートしたラスト選手。ラスト選手は1コーナーの混乱を利用して3位まで上がり、ヘアピンに差しかかるまでにポールからスタートして2位に落ちていたロッケンフェラー選手に並び、抜き去って2位に上がった。

キャシディ選手は1周目に他車に追突されてリタイア。ケガがなかったのが不幸中の幸いだった

 ところが、そのオープニングラップの後半で、ニック・キャシディ選手が後続車に追突され、なすすべなくガードレースにぶつかってクラッシュ。キャシディ選手がケガもなくマシンを降りたことは安堵されたところだが、これでリタイアになってしまった。

 このクラッシュによりセーフティカーが出され、レースはセーフティカー先導で行なわれるかと思われた瞬間、今度はダニエル・ジュンカデラ選手(23号車 Aston Martin Vantage DTM)がコース脇にマシンを停め、エンジンルームから煙を出しており、その処理を行なうために赤旗が出され、レースは中断することになった。

セーフティカー後には赤旗に

 赤旗から約10分後の現地時間13時54分にレースはリスタート。セーフティカー先導でレースは再開され、その周の終わりにローリングスタートが行なわれた。そこからは1位ミューラー選手、2位ラスト選手、3位ロッケンフェラー選手、4位が予選から順位を上げたBMWのエースであるウィットマン選手、5位がグロック選手、6位にラスト選手のチームメイトになるジェイミー・グリーン選手(53号車 Hoffmann Group Audi RS 5 DTM)という順位で周回を重ねていった。

 この中で1位のミューラー選手、3位のロッケンフェラー選手、4位のウィットマン選手は義務付けとなっているタイヤ交換を序盤でいち早く終える。そうした中でトップに上がったラスト選手の対応がどうなるかに注目が集まったが、結局ラスト選手はそれらの選手から2周引っ張ってピットに入り、それまで現在履いてるタイヤを使ってタイムを縮める作戦に出た。

タイヤ交換までにタイムを稼いだ王者ラスト選手が1度は前に出るが、ミューラー選手が抜き返してそのまま優勝

優勝したニコ・ミューラー選手

 これが功を奏してラスト選手がピットストップを終えると、ラスト選手はピットインを終えた中でのトップとなる4位でコースに戻ることに成功する。しかし、後方からはタイヤが暖まっているミューラー選手が迫っており、タイヤが暖まらないラスト選手はなすすべなく抜かれてしまった。そして同じく後続から追い上げてきたロッケンフェラー選手にも抜かれ、タイヤ交換をした中で3位まで落ちてしまった。実はこの時、ラスト選手は雨が少なくなるということを予想してタイヤの内圧を調整しており、それがこのタイヤがなかなか暖まらないという状況につながってしまったのだ。

3位を走るラスト選手

 そうして上位勢がピットストップを終えた後、レースをリードしたのはグリーン選手とジョエル・エリクソン選手(47号車 CATL BMW M4 DTM)。2人は実に最終ラップまで義務付けされているピットストップを遅らせる作戦に出て、タイヤ交換を終えたトップ勢とほぼ同じタイムで走ることにも成功して順位を上げた。上位を走っていたBMWのエースとなるウィットマン選手がピット作業時の「アンセーフリリース」でペナルティを受けたことも相まって、最終的には5位と6位でゴールすることになった。

 結局、レースはスタートで予選2位からトップに上がったニコ・ミューラー選手が優勝。すでにほぼ確実にしていたシリーズランキング2位の座を確保した。2位はマイク・ロッケンフェラー選手、3位はレネ・ラスト選手で、アウディ勢が1-2-3となり表彰台を独占する結果を得た。4位はBMW勢の最上位となるティモ・グロック選手で、変則ピットストップ作戦を敢行したジェイミー・グリーン選手とジョエル・エリクソン選手が5位、6位となっている。

雨の中でも花火が打ち上げられフィナーレ!
ゴール後に1-2-3のアウディ3台は、スタンドの前でドーナッツターンを敢行
パルクフェルメで歓喜に沸くアウディ勢
2019年のDTM最終戦・レース2はニコ・ミューラー選手が優勝
レース2の表彰式
プレゼンターは1989年のル・マン24時間レース勝者のヨッヘン・マス氏、4度のDTM王者に輝いたベルント・シュナイダー氏、そして1972年と1974年のF1チャンピオンのエマーソン・フィッティパルディ氏という3人のレジェンド
2019年シーズンを制したラスト選手
シリーズ表彰式
雨天のホッケンハイムリンクを走行する35号車 MOTUL AUTECH GT-R

 使いこなせないウェットタイヤに手こずり、DTM勢から2~3秒遅いラップでしか周回できないという状況に陥ってしまったSUPER GT勢の最上位は、それでも確実な走りを見せたジェンソン・バトン選手が16位で、ロニー・クインタレッリ選手は1周遅れの17位に終わった。富士スピードウェイで行なわれる交流戦でもこのハンコックのウェットタイヤは使われるため、仮に富士のレースでも雨が降ったとしたら同じ状況の再現になるだろうと考えられるだけに、DTM勢を迎え撃つSUPER GT勢としては何らかの対策が必要になるだろう。

週末を通じて苦しい展開になってしまったSUPER GT勢。タイヤ問題の解決が富士での交流戦に向けて急務だ
ドライのレースでは大活躍だったジェンソン・バトン選手も、ウェットでは2~3秒差の厳しい展開に。レース後には「今日はレースじゃなかった」と語った
順位カーナンバードライバー車両タイム周回数
151Nico Mueller (CH)Audi RS 5 DTM1時間04分45秒02327
299Mike Rockenfeller (GER)Audi RS 5 DTM1時間04分48秒85827
333Rene Rast (GER)Audi RS 5 DTM1時間04分53秒42627
416Timo Glock (GER)BMW M4 DTM1時間04分56秒87227
553Jamie Green (GBR)Audi RS 5 DTM1時間04分58秒11727
647Joel Eriksson (SWE)BMW M4 DTM1時間05分01秒27127
74Robin Frijns (NED)Audi RS 5 DTM1時間05分07秒19527
876Jake Dennis (GBR)Aston Martin Vantage DTM1時間05分21秒97727
97Bruno Spengler (CDN)BMW M4 DTM1時間05分36秒34227
1028Loic Duval (FRA)Audi RS 5 DTM1時間05分40秒90027
1162Ferdinand von Habsburg (AUT)Aston Martin Vantage DTM1時間05分43秒86127
1211Marco Wittmann (GER)BMW M4 DTM1時間05分44秒79027
1331Sheldon van der Linde (RSA)BMW M4 DTM1時間05分45秒44027
1425Philipp Eng (AUT)BMW M4 DTM1時間05分46秒89627
1521Pietro Fittipaldi (BRA)Audi RS 5 DTM1時間06分15秒07427
161Jenson Button (GBR)Raybrig NSX-GT1時間06分40秒26627
1735Ronnie Quintarelli (ITA)Motul Autech GT-R1時間05分52秒90826
DNF27Jonathan Aberdein (RSA)Audi RS 5 DTM42分18秒34714
DNF23Daniel Juncadella (ESP)Aston Martin Vantage DTM0
DNF37Nick Cassidy (NZL)KeePer TOM’s LC5000