ニュース

トヨタ、タナック/ヤルヴェオヤ組が2019年 WRCタイトル獲得! トヨタドライバーの世界王者獲得は1994年以来で通算5回目

チームはシーズン最終戦のラリー・オーストラリアで逆転優勝を目指す

2019年10月28日 発表

コ・ドライバーズチャンピオンを獲得したマルティン・ヤルヴェオヤ選手(左)、GAZOO Racing Company President 友山茂樹氏(中央)、ドライバーズチャンピオンを獲得したオィット・タナック選手(右)

 TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(トヨタ自動車)は10月28日、スペイン サロウを中心として10月25日~27日(現地時間)に開催されたWRC(世界ラリー選手権)第13戦 ラリー・スペインの結果、同チームのオィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヤリスWRC #8号車)が総合2位フィニッシュを飾り、最終SSの「パワーステージ」でベストタイムを記録してボーナスポイントを獲得。これによって2019年シーズンのドライバーズチャンピオン、コ・ドライバーズチャンピオンのタイトルを獲得したと発表した。

 このほか、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamの#10号車をドライブするヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC #10号車)は総合5位で完走し、チームのマニュファクチャラーポイント獲得に貢献。クリス・ミーク/セブ・マーシャル組(ヤリスWRC #5号車)はラリー デイ2でリタイアとなり、ラリー2規定に基づいて再出走して総合29位フィニッシュとなっている。

 なお、トヨタのドライバーが世界王者を獲得したのは1994年以来となり、通算5回目。また、WRCタイトルを初めて手にしたタナック選手とヤルヴェオヤ選手は、同時にエストニア人初のWRCチャンピオン獲得となっている。

トヨタのマシンでWRCドライバーズタイトルを獲得した選手

1990年 カルロス・サインツ(セリカ GT-Four ST165)
1992年 カルロス・サインツ(セリカ ターボ 4WD ST185)
1993年 ユハ・カンクネン(セリカ ターボ 4WD ST185)
1994年 ディディエ・オリオール(セリカ ターボ 4WD ST185)
2019年 オィット・タナック(ヤリス WRC)

タナック選手とヤルヴェオヤ選手がチャンピオン獲得
オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヤリスWRC #8号車)は総合2位フィニッシュ
ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC #10号車)は総合5位フィニッシュ
クリス・ミーク/セブ・マーシャル組(ヤリスWRC #5号車)は総合29位フィニッシュ

 4チームによって行なわれているマニュファクチャラーズランキングでは、HYUNDAI SHELL MOBIS WORLD RALLY TEAM Hyundaiが380ポイントでトップ、続いてTOYOTA GAZOO RACING WRTが18ポイントの差の362ポイントで2位、CITROEN TOTAL WRT Citroenが284ポイントで3位、M-SPORT FORD WORLD RALLYが218ポイントの4位となっている。

 3位以下はトップと大きくポイント差があり、シーズン最終戦に持ち越しとなったマニュファクチャラーズチャンピオン争いは、ヒュンダイとトヨタの2チームの対決となる。

レース後のコメント

チーム代表 トミ・マキネン氏(右)

チーム代表 トミ・マキネン氏:歴史的な快挙です。われわれのチームから新たなる世界チャンピオンが誕生したのです。チームの全員がオィットとマルティンと共に、シーズンを通してハードワークを続けてきましたが、素晴らしい結果によってその努力が報われました。この週末、オィットには大きなプレッシャーがかかっていました。それがどのようなものなのか、同じような経験をした私には分かりますが、一般的にはなかなか理解されないものです。タイトル獲得のためにパワーステージでオィットが見せた走りは、本当に素晴らしいものでした。また、彼が2位に入ったことはマニュファクチャラー選手権争いにおいても助けになります。オーストラリアではまだ逆転の可能性が残っていますので、全力で戦いに臨みます。

オィット・タナック選手

オィット・タナック選手:今の気持ちを言葉にすることは簡単ではありません。この週末に感じたプレッシャーは、これまでとは違うレベルでした。世界チャンピオンになることは、自分の人生の目標でした。ミスをすることは許されず、しかしタイトルを決めるためにはよい結果が必要だったので、とても大きなプレッシャーを感じましたし、スタート直後はいつものように走れませんでした。しかし、最終的にはリラックスすることができましたし、普段通りに運転できるようになりました。今朝はクルマのフィーリングがよく、いいリズムで走れました。しかし、それでもダニ・ソルド選手の方が常に少しだけ速かったので、パワーステージで必要なポイントを獲得するのは難しいように思えました。それでも全力で攻めたことが、結果的に報われました。これまで、いくつもの試練を乗り越えてきたので、ついにタイトルを獲得できて本当に嬉しく思います。素晴らしい仕事でわれわれを支えてくれたチームに感謝します。

ヤリ-マティ・ラトバラ選手

ヤリ-マティ・ラトバラ選手:この週末の自分の走りには満足しています。一貫性のある走りができましたし、ミスもしませんでした。また、パフォーマンスも全体的に見れば高いレベルにあったと思います。ラリー開始直後は少し自信を持てなかったので、この結果には満足するべきですし、チームにマニュファクチャラーポイントをもたらせてよかったと思います。今日は、もっとハードにプッシュすれば、総合4位も可能だったかもしれませんが、それはマニュファクチャラー選手権争いにおいてはあまり意味がないことでしたし、最終戦ラリー・オーストラリアまで逆転の可能性を繋ぐことが、今日は何よりも重要でした。

クリス・ミーク選手

クリス・ミーク選手:今日は、いいリズムを取り戻すことができました。ヤリスWRCはターマックで本当に速く、今朝は再びよいフィーリングで走れました。パワーステージでは、オィットのタイトル獲得を確実にするため、ペースを落とす必要がありました。彼のボーナスポイント獲得にとって、マイナスとなるようなことは避けなければなりませんでした。オーストラリアには、マニュファクチャラー選手権を勝ち取るために挑み、自分のベストを尽くして走ります。

【お詫びと訂正】記事初出時、本文内のイベント名が間違っておりました。お詫びして訂正させていただきます。