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トヨタ、WRC 第12戦でタナック選手が今季6勝目

タナック選手「まだ2戦残っており、何も決まってはいない」

2019年10月3日~6日(現地時間) 開催

表彰台で優勝の喜びを表現するオィット・タナック選手

 TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、2019年 WRC(FIA世界ラリー選手権) 第12戦ラリー・グレートブリテン(現地時間:10月3日~6日開催)においてヤリスWRC 8号車のオィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組が優勝。今シーズン6勝目を挙げた。

 第12戦終了時点、ドライバーズランキングではオィット・タナック選手が240ポイントでトップ、セバスチャン・オジエ選手(シトロエン C3 WRC)が212ポイントで2位、ティエリー・ヌービル(ヒュンダイ i20クーペ WRC)が199ポイントで3位となっている。

ヤリスWRC 8号車のマルティン・ヤルヴェオヤ選手(左)、オィット・タナック選手(右)

 マニュファクチャラーズランキングでは、1位がヒュンダイ・モータースポーツの340ポイント、2位がTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamの332ポイント、3位がシトロエン・トタル・ワールドラリーチームの278ポイントとなっている。

オィット・タナック選手

 タナック選手は「優勝できて最高の気分です。われわれのために、多くの人が働き努力を続けてきたので、最大ポイント獲得でそれに報いることができて嬉しく思います。パワーステージではクルマに大きな自信を感じていたので、フルポイント獲得の好機を逃すわけには行きませんでした。われわれのチームは“pushing the limits for better”というスローガンを掲げていますが、自分も常にベストを尽くそうと努力しています。今シーズンはまだ2戦残っており、何も決まってはいないので、これからも集中して攻め続ける必要があります」とコメントしている。

ヤリスWRC 8号車

ラリー・グレートブリテン

1:オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (トヨタ ヤリス WRC)
2:ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20クーペ WRC)
3:セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(シトロエン C3 WRC)
4:クリス・ミーク/セブ・マーシャル (トヨタ ヤリス WRC)
5:エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (フォード フィエスタ WRC)
6:アンドレアス・ミケルセン/アンダース・ジーガー (ヒュンダイ i20 クーペ WRC)
7:ポントゥス・ティディマンド/オーラ・フローネ(フォード フィエスタ WRC)
8:クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (ヒュンダイ i20 クーペ WRC)
9:カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (シュコダ ファビア R5)
10:ペター・ソルベルグ/フィル・ミルズ (フォルクスワーゲン ポロ GTI R5)

 WRC第12戦の優勝と富士スピードウェイで開催されたFIA世界耐久選手権(WEC)の優勝に対して、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team チーム総代表 豊田章男氏がコメントを発表した。以下に全文を掲載する。

チーム総代表 豊田章男氏のコメント

 FIA世界耐久選手権(WEC)、FIA世界ラリー選手権(WRC)と、TOYOTA GAZOO Racingは1つの週末で2つの世界選手権に勝利することができました。2つ同時に勝つことに強い拘りは持っていませんでした。しかし、今年の6月、私は、目前でそれを逃す姿を目の当たりにしていました。ル・マン24時間レースをワンツー体制で走る中、WRCイタリアで最後までトップを走ってくれていたオィット・タナック選手がストップしてしまった時のことです。

 タナック選手の走りには絶対の信頼を置いています。ですので、私も勝利を確信し、彼の走りを見守っていました。しかし、車両トラブルで、私たちは彼から勝利を奪ってしまいました。今回、そのことを思い出し、2つの世界選手権が同時に行われるこの週末は、いずれの戦いも、絶対に無事にゴールまで走り抜け、勝利してもらいたいと思っていました。

 8号車のセバスチャン・ブエミ選手、中嶋一貴選手、ブレンドン・ハートレー選手、7号車のマイク・コンウェイ選手、小林可夢偉選手、ホセ・マリア・ロペス選手、重たいハンデを背負い、決して簡単ではないワンツーフィニッシュを本当にありがとう。土曜日にみんなと会い、改めて6人をはじめとした皆のチームワークを感じました。今後、更に重たいハンデが課されますが、そのチーム力で乗り越えていきましょう。

 激しい風雨で難しさを極める路面の中、チームとクルマを信じて優勝してくれたオィット・タナック選手、マルティン・ヤルヴェオヤ選手。前戦トルコでも車両トラブルで勝利を遠ざけてしまっていたので、今回、勝利してくれたこと、本当にうれしく思います。残り2戦、なんとしても君たちを勝たせたい。改めてもっと安心して乗れるクルマをチームみんなでつくっていきたいと思います。

 さまざまな世界戦が行われたこの週末に、われわれの2つの世界戦も応援いただいたファンの皆さま、本当にありがとうございました。引き続き、ご支援よろしくお願いいたします。