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トヨタ、WRC 第6戦でタナック/ヤルヴェオヤ組「ヤリスWRC」が今シーズン2勝目

WRC初開催のラリー・チリ優勝でランキング2位に浮上

2019年5月10日~12日(現地時間) 開催

「ヤリスWRC」8号車のオィット・タナック選手(右)、マルティン・ヤルヴェオヤ選手(左)

 TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(トヨタ自動車)のオィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヤリスWRC #8号車)は、WRC(世界ラリー選手権)第6戦ラリー・チリ(現地時間:5月10日~12日開催)において優勝。WRC初開催のラリー・チリで初代ウィナーとなった。

 また、この優勝によりタナック/ヤルヴェオヤ組は、ドライバー/コ・ドライバー選手権において首位と10ポイント差のランキング2位に浮上した。

「ヤリスWRC」8号車のオィット・タナック選手(右)、マルティン・ヤルヴェオヤ選手(左)

 WRC初開催となったラリー・チリで、タナック選手は競技初日のデイ1と2日目のデイ2を総合1位で終え、競技最終日のデイ3は30.3秒のリードを持ってスタート。デイ3はコンセプシオンのサービスパークの東側および南側で、4本計58.38kmのSSが行なわれた。

 競技3日目の天候は、青空が広がったものの早朝のステージでは霧が出て、路面も一部は濡れて非常に滑りやすい状態。また、後方では激しい総合2位争いが展開された。

 タナック選手は最後まで集中力を保ちタイム差を維持しなければならなかったが、最終のパワーステージにおいて2番手タイムの選手に1.3秒差のベストタイムを記録して優勝。

「ヤリスWRC」8号車

 タナック/ヤルヴェオヤ組は、優勝を決めるとともにボーナスの5ポイントを獲得。ドライバー/コ・ドライバー選手権において、首位と10ポイント差のランキング2位に浮上した。

 そのほかのヤリスWRCは、デイ2で転倒により大きく遅れたクリス・ミーク/セブ・マーシャル組(#5号車)は総合8位でフィニッシュしたが、競技終了後1分間のペナルティを課せられ総合10位。また、デイ2でドライブシャフトを破損してデイリタイアとなったヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(10号車)は、ラリー2規定に基づいて再出走し、総合11位で完走した。

チーム代表のトミ・マキネン氏

 チーム代表のトミ・マキネン氏は「オィットとわれわれチームにとって、本当に素晴らしい勝利です。週末を通して彼はミスをすることなく見事なドライビングを続けました。最も強いドライバーだったと思いますし、オィットとヤリスWRCのコンビネーションはラリー・チリ最強でした。クリスとヤリ-マティは残念ながら昨日罠につかまってしまいましたが、このラリーでミスをしたのは彼らだけではありません。チリの路面はスムーズで流れのあるコーナーが続くよいステージでしたが、ドライバーにとっては攻略が難しく、誰もが苦労しました。木々や土壁、丘が多くあり、コーナーの先が見えにくかったので、新たにペースノートを作るのはきっと大変だったでしょう。それでも、多くのラリーファンが集まり、そしてわれわれが優勝することができたので、とても素晴らしいラリーだったと思います」とコメントしている。

オィット・タナック(ヤリスWRC #8号車)選手

 タナック選手は「WRCラリー・チリで最初のウィナーとなり、とても嬉しく思います。本当に難しいラリーで、絶対にミスをしないためには高い集中力が必要でした。今日は、2人のセバスチャンが背後から迫り、それほどタイム差が大きくなかったので、決して簡単ではありませんでした。最後まで攻め続けなくてはならず、パワーステージでは最大ポイントを獲得できました。ここ数戦は残念な結果が続き後退気味だったので、今回のように完璧な週末を過ごし、逆襲できたのは非常にポジティブなことです。高いモチベーションを保ち、攻め続けることは、特にチームにとって重要ですが、今回のような結果はその大きな助けとなります。再び戦える立場に戻ってこられたので、これからのラリーがとても楽しみです」とコメントした。

オィット・タナック、マルティン・ヤルヴェオヤ組の「ヤリスWRC」8号車

 今シーズンのチーム2勝目に、豊田章男チーム総代表も「タナック選手、ヤルヴェオヤ選手、おめでとう!」などとコメントを発表している。

ラリー・チリの結果

1位:オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ(トヨタ ヤリス WRC)
2位:セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(シトロエン C3 WRC)
3位:セバスチャン・ローブ/ダニエル・エレナ(ヒュンダイ i20クーペ WRC)
4位:エルフィン・エバンス/スコット・マーティン(フォード フィエスタ WRC)
5位:テーム・スニネン/マルコ・サルミネン(フォード フィエスタ WRC)
6位:エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム(シトロエン C3 WRC)
7位:アンドレアス・ミケルセン/アンダース・ジーガー(ヒュンダイ i20クーペ WRC)
8位:カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン(シュコダ ファビア R5)
9位:マッズ・オストベルグ/トシュテン・エリクソン(シトロエン C3 R5)
10位:クリス・ミーク/セブ・マーシャル(トヨタ ヤリス WRC)
11位:ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ(トヨタ ヤリス WRC)