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トヨタ、WRC 2019年シーズンのドライバー発表。クリス・ミーク選手が新加入

「敬意と礼儀を重んじる日本文化が受け継がれるトヨタのチームスピリットは信じられないほど素晴らしい」

2018年10月17日 発表

ヤリスWRC

 TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(トヨタ自動車)は10月17日、2019年のWRC(FIA世界ラリー選手権)に参戦するドライバー・ラインアップを発表した。2018年シーズンに続き、2019年シーズンも3台のヤリスWRCで全イベントに参戦するとのこと。

 2019年シーズンでは、2018年シーズンに参戦したオット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組に加え、新たにクリス・ミーク選手がドライバーとして加わる。コ・ドライバーは、シーズン終了後に発表される予定。

 一方、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組は、2018年シーズンの終了後にチームを離れることが決定している。

 今回の発表に伴い、チーム総代表の豊田章男氏、チーム代表のトミ・マキネン氏、新加入するクリス・ミーク選手がそれぞれコメントを発表。コメントは以下のとおり。

豊田章男氏(チーム総代表)

 ラッピ選手、フェルム選手、我々のチームで2年間一緒に戦ってくれて、本当にありがとう。

 昨年のラリー・フィンランドで優勝という素晴らしい結果をもたらしてくれ、われわれに感動を与えてくれました。若さに溢れるラッピ選手の活躍は、チームの大きな原動力であったと思います。

 また、今年のラリー・フィンランドでは、ラッピ選手がファンを大切にし、ファンに愛されている姿を私も現地で目の当たりにしました。TOYOTA GAZOO Racingのファンとの絆をさらに強くしてくれたこと、感謝しています。

 コ・ドライバーのフェルム選手は、常に冗談を言って、チームを明るく盛上げてくれました。来年、私がWRCの現場に行った時、ライバルチームのテントから大きな笑い声が聞こえてきたら、仲間だったラッピ選手とフェルム選手が、元気に活躍しているのだと思うでしょう。

 来年は手強いライバルとして、われわれを強くしてくれると思いますし、競争を通じて一緒にラリーを盛り上げていけることに、ワクワクしています。しかし、その前に、先ずは、今年の選手権を一緒に戦い抜きましょう!最高の走りを2人にしてもらえるよう最終戦、最後のステージまでもっといいクルマづくりを続けます。

 そして、来年から新しく仲間に加わってくれるミーク選手。

 さまざまな経験を持ったドライバーであるミーク選手が、ヤリスを一段と強くしてくれることを期待しています。ヤリスに乗ったら、その感想をぜひ教えてください。思いっきり走らせられるヤリスをトミ・マキネンとともにつくっていくので、来シーズンの開幕を楽しみに待っていてください。

トミ・マキネン氏(チーム代表)

 クリスがTOYOTA GAZOO Racingに加入してくれることを、われわれ全員がとても嬉しく思っています。彼は非常に速いだけでなく、豊富な経験を持っていますし、彼の高い技術的な理解力は、もっといいヤリスWRCをつくるための新しい知識やアイデアをもたらしてくれると思います。ヤリ-マティが来年もチームの一員としてシーズンをともに戦うことも、大変嬉しく思います。彼のこれまでの働きは素晴らしく、ここ最近は表彰台に連続して上がるなど、非常に重要な貢献をしてくれています。現時点で最速のドライバーの1人ともいえるオットとともに、スピード、経験、ラリーに勝つ力を備えた3人のドライバーのラインナップで来シーズンを迎えることができます。この強いチームでドライバー、マニュファクチャラーの両選手権獲得を狙いたいと思います。

 最後に、新しいチャレンジを求めてチームを去ることになったエサペッカには、これまでの活躍に感謝するとともに、これからの幸運を祈っています。

クリス・ミーク選手

 トヨタのドライバーになることは、私にとって大変嬉しく、光栄なことです。豊田章男総代表、トミ・マキネンチーム代表、そしてチームの皆さんに心から感謝します。3年前、チーム加入の可能性について話し合ったことがあるのですが、今回、ついにチームの一員になることができ、とても嬉しく思っています。ヤリスWRCの実力は、クルマ自体が物語っていますが、敬意と礼儀を重んじる日本文化が受け継がれるトヨタのチームスピリットは信じられない程素晴らしいと感じています。来年のスタートが待ちきれません。私の最大の目標は、ふたたび自分のドライビングを楽しみ、トヨタのチャンピオンシップ優勝に貢献することです。

 16歳の時に、地元のラリー選手権で、初めて兄のコ・ドライバーとして優勝した時のクルマが、トヨタのカローラでした。そんなエピソードや、これまでの色々な縁が重なり、ここにいることが信じられない程嬉しい気持ちです。自分にとってこれ以上のチームはありません。