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トヨタ、WRC 第2戦で今シーズン初優勝。「ヤリスWRC」8号車タナック選手がチャンピオンシップトップに
2019年2月18日 13:55
- 2019年2月14日~17日(現地時間)開催
TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(トヨタ自動車)は2月17日(現地時間)、「ヤリスWRC」8号車 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組がWRC(2019年FIA世界ラリー選手権)第2戦ラリー・スウェーデンで優勝したと発表した。
ドライバーのタナック選手はスウェーデン開催のWRCで初優勝。今シーズンのドライバーチャンピオンシップでトップとなった。また、チームにとってはWRC復帰初年度の2017年以来、2回目のスウェーデン制覇となる。
タナック選手は、初日のデイ1を総合4位、デイ2を総合2位と着実にポジションを上げ、デイ3では総合2位の選手に54.5秒差を築いてトップで最終日デイ4に挑んだ。最終日デイ4で、タナック選手は最初の2本のステージを注意深く走り、最終のパワーステージでは2番手タイムの選手に3.5秒差をつけるベストタイムを記録。ボーナスの選手権ポイントを5点獲得し、完璧な勝利を飾った。
タナック選手は「とてもよい週末でした。われわれにとっては金曜日が鍵で、あのような路面コンディションでタイムロスを最小限に抑えなくてはなりませんでした。しかし、土曜日はよいリズムを保ち、ミスをしないように走るだけで十分でした。今日はパワーステージのためにタイヤを温存し、パワーステージでは思い切りプッシュしました。自分でもよい走りができたと思いますし、すべてがうまく進んだのでリラックスしてドライブする事ができました。われわれのチームは本当に強く、だからこそシーズン序盤によい結果を得られたのだと思います」とコメント。
チーム代表のトミ・マキネン氏は「今シーズン2戦目で優勝し、両選手権をリードするなど素晴らしいラリーになりました。オィットは週末誰よりも速く、このような難しいコンディションでどのように走ったらよいのかを皆に示しました。彼は今、本当に強いドライバーだと思いますし、タイトルを取るために集中していた20年前の自分を見ているようです。クリスとヤリ-マティにとっては困難な週末になりましたが、彼らもまたわれわれのクルマのスピードと、信頼性の高さを証明してくれたと思います」とコメントしている。
そのほかのヤリスWRCは、ヤリス5号車のクリス・ミーク/セブ・マーシャル組は総合6位、ヤリス10号車のヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組は総合21位でフィニッシュし、全車が完走を果たした。
ラリー・スウェーデンの結果(現地時間2月17日16時20分時点のリザルト)
1位:オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ(トヨタ ヤリスWRC)
2位:エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム(シトロエン C3 WRC)
3位:ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー(ヒュンダイ i20クーペ WRC)
4位:アンドレアス・ミケルセン/アンダース・ジーガー(ヒュンダイ i20クーペ WRC)
5位:エルフィン・エバンス/スコット・マーティン(フォード フィエスタ WRC)
6位:クリス・ミーク/セブ・マーシャル(トヨタ ヤリスWRC)
7位:セバスチャン・ローブ/ダニエル・エレナ(ヒュンダイ i20クーペWRC)
8位:ポントゥス・ティディマンド/オーラ・フローネ(フォード フィエスタ WRC)
9位:オーレ・クリスチャン・ヴェイビー/ヨナス・アンダーソン(フォルクスワーゲン ポロ GTI R5)
10位:ヤンネ・トゥオヒノ/ミッコ・マルックラ(フォード フィエスタ WRC)
今シーズンの初優勝に対してチーム総代表の豊田章男氏がコメントを発表した。以下全文となる。
今シーズンの2戦目となるラリー・スウェーデンでタナック選手、ヤルヴェオヤ選手が優勝しました。今季の初勝利をもたらしてくれた2人の選手とチームのみんなに“おめでとう”と“ありがとう”を伝えたいと思います。そして、応援いただいたファンの皆様、パートナーの皆様にもお礼申しあげます。ありがとうございました。
一昨年、WRC復帰からの2戦目であったスウェーデンでの初優勝は、私の想像を超えるものでした。その時の驚きと喜びは今も鮮明に覚えています。今回のラリー・スウェーデンでは序盤から常に優勝争いに加わりながらの戦いでした。初優勝を遂げた一昨年の戦い方、悔しい想いをした昨年の戦い方を思い出しながら、今年の戦いを見ていると改めてチームとしての成長を感じます。チームを引っ張り続けているマキネン代表へ、改めて感謝の気持ちを伝えたいと思います。
今大会の表彰台ではタナック組の横に、私にとっては見慣れないレーシングスーツ姿のラッピ選手、フェルム選手が立っていました。やはり、ラトバラ組やミーク組にそこに立っていて欲しかったという悔しさはありますが、“少し”嬉しさも感じました。昨年まで一緒に戦った彼らの笑顔がそこにあったことが嬉しく感じた理由のひとつであることは間違いありませんが、一方で、強力なライバルとして彼らがいるということに嬉しさを感じたのかもしれません。次はチームのドライバー全員が彼らより高いところに立っていたい…。マキネン代表はじめチームのみんなも私と同じように、強くそう感じてくれていると思います。そして、それが負け嫌いのTOYOTA GAZOO Racingにとって次への大きな力になっているだろうということを感じた、嬉しさなのだと思います。
シーズンは、まだ始まったばかりです。強力なライバル達とも切磋琢磨しながら、これからもTOYOTA GAZOO Racingは戦ってまいります。引き続き、応援をよろしくお願いいたします。