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トヨタ、WRC 第7戦でタナック/ヤルヴェオヤ組が連勝。シーズン3勝目でドライバー/コ・ドライバー選手権の首位と2ポイント差に

ラトバラ/アンティラ組も総合7位完走でポイント獲得

2019年5月31日~6月2日(現地時間)開催

シーズン3勝目で首位と2ポイント差に迫った「ヤリスWRC」8号車のオィット・タナック/、マルティン・ヤルヴェオヤ組

 TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(トヨタ自動車)のオィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヤリスWRC #8号車)は、5月31日~6月2日(現地時間)に開催されたWRC(世界ラリー選手権)第7戦 ラリー・ポルトガルでシーズン3勝目を挙げた。

 このほか、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamの#10号車をドライブするヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組は総合7位で完走。#5号車のクリス・ミーク/セブ・マーシャル組はラリー最終日まで総合2位となっていたが、最終ステージでリタイアとなっている。

WRC 第7戦で優勝したオィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヤリスWRC #8号車)
ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC #10号車)はWRC 第7戦を総合7位で完走
WRC 第7戦の最終日まで総合2位だったクリス・ミーク/セブ・マーシャル組だが、最終日のトラブルでリタイアとなった

 タナック/ヤルヴェオヤ組は、チームメイトである総合2位のミーク/マーシャル組と4.3秒差でラリー最終日をスタート。最終日オープニングのSS16でミーク/マーシャル組がベストタイムを記録してタイム差が2.4秒に縮まるものの、その後のSS17とSS18ではタナック/ヤルヴェオヤ組が連続ベストタイムをマーク。リードを守り切って総合優勝を飾った。

 また、タナック/ヤルヴェオヤ組はボーナスポイントが設定された最終のパワーステージで3番手タイムを記録。優勝の25ポイントとボーナスの3ポイントを獲得したことで、第7戦を総合3位で終えたセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組とのポイント差を前戦終了時の10ポイントから2ポイントまで縮めている。

WRC 第7戦の表彰台。優勝はタナック/ヤルヴェオヤ組。2位はティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー組(ヒュンダイ i20クーペ WRC #11号車)、3位はセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(シトロエン C3 WRC #1号車)
優勝したオィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組
TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team チーム代表 トミ・マキネン氏

 第7戦の結果を受け、チーム代表のトミ・マキネン氏は「オィットとチームにとって、今回もまた素晴らしい勝利となりました。金曜日は不利な2番手スタートだったにも関わらずトップに立ち、難しいコンディションを上手く切り抜けるなど、ラリーを力強く戦い抜きました。オィットとマルティンは、本当によくやってくれたと思います。また、他の2台も速く、週末を通してわれわれのパフォーマンスは十分高かったと思います。残念ながらヤリ-マティは昨日トラブルに見舞われ、クリスは今日小さなミスで大きな代償を払うことになりました。とはいえ、ドライバーおよびコ・ドライバー選手権、そしてマニュファクチャラー選手権に関しては、依然よい方向に向かっていますので、この後のラリーも自信を持って戦い続けます」とコメント。

オィット・タナック選手

 優勝したオィット・タナック選手は「表彰台の1番高い場所に立ち、とてもいい気分でした。今週末は本当に長くタフな戦いが続き、これまでで最も苦労して手に入れた勝利だと断言できます。金曜日は、不利な出走順であったにも関わらず、高いパフォーマンスを発揮しました。土曜日はかなり厳しい戦いを強いられましたが、今日は速さが十分あり、すべてが上手く行きました。最初のステージは大量のダストで視界が非常にわるかったため、少し慎重に走りました。しかし、その後はマージンをとりながらも攻め、差を大きく拡げることができました。選手権争いはかなり接戦ですが、次戦サルディニアでは、よい出走順でラリーに臨めると思います」としている。

「総合7位に順位が上がり、貴重なポイントを獲得できたのは、特にチームにとってよかった」とコメントしたヤリ-マティ・ラトバラ選手
「自分にとっては今までで1番、クルマのポテンシャルを引き出せたラリーでした」とコメントしたクリス・ミーク選手

 このほか、WRC 第7戦終了後にはTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのチーム総代表である豊田章男氏もコメントを寄せているので、以下に全文を掲載する。


 前戦チリに続き、今度はポルトガルから、うれしいニュースが届きました。ファンの皆さま、応援ありがとうございました。

 WRC復帰以来、ポルトガルの地では毎年、苦戦を重ねてまいりました。3度目の挑戦となった今週末は、序盤戦では3台のヤリスWRCがトップ争い続けながら、最終的に、タナック/ヤルヴェオヤ組が優勝を勝ち取ることができました。悔しさを力に変えて、改善を積み重ねてきたチームの努力が実った戦いだったと思います。タナック選手、ヤルヴェオヤ選手、そしてマキネン代表をはじめとしたチームのみんなありがとう!

 ラトバラ/アンティラ組はサスペンショントラブルにより、途中でデイリタイアをせざるを得ませんでした。しかし、前半戦には、いつも以上に頼もしい速さを見せてくれていました。また、ミーク/マーシャル組はヤリスWRCに乗るごとに、その速さを増してくれていると思います。最後まで攻めの姿勢を忘れず走り続けてもくれました。シーズン後半戦、3台すべてで結果を残せる戦いをしていきたいと思います。

 われわれはトミと共に、ドライバーがもっと安心して走り続けられるクルマを追求してまいりますので、ドライバーのみんなは、引き続き、ヤリスWRCを思い切り走らせてください。

 ファンの皆さまも、引き続き、全力での応援をお願いいたします。次戦イタリアは、みんなの力で、最高の結果を勝ち取りましょう!

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team
チーム総代表 豊田章男