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シトロエン、「ベルランゴ」「AMI ONE CONCEPT」を二子玉川ライズで日本初公開

11月27日~12月1日開催の「コンフォート・ラ・メゾン・シトロエン」にて

2019年11月27日~12月1日 開催

「コンフォート・ラ・メゾン・シトロエン」で日本初公開された新コンセプトMPV「ベルランゴ」。前に立つのは、左からシトロエンS.A. マーケティング部長 アルノー・ベローニ氏、同CEO リンダ・ジャクソン氏、プジョー・シトロエン・ジャポン株式会社 代表取締役社長 クリストフ・プレヴォ氏

 シトロエン(プジョー・シトロエン・ジャポン)は、二子玉川ライズ・ショッピングセンター ガレリア(東京都世田谷区)において、シトロエンブランドの体験無料イベント「COMFORT LA MAISON CITROEN(コンフォート・ラ・メゾン・シトロエン)」を11月27日~12月1日に開催。現行モデルに加え、新コンセプトMPVの「ベルランゴ」、超小型EV(電気自動車)コンセプトカーの「AMI ONE CONCEPT(アミワン・コンセプト)」を日本初公開している。

シトロエンが目指す快適さを表現したイベント

「コンフォート・ラ・メゾン・シトロエン」の会場は二子玉川ライズ・シッピングセンター ガレリア

 このイベントの名称について、プジョー・シトロエン・ジャポン 広報室 PRマネージャーの森亨氏は、「コンフォートを日本語に訳すと快適性、心地よさ。そしてラ・メゾン・シトロエンはずばりシトロエンの家です」という。「コンフォートはブランドの創業以来100年にわたりシトロエンが追求してきたテーマ。フランスにモータリゼーションをもたらした『2CV』、世界初の量産前輪駆動車である『トラクション アヴァン』、伝説的なハイドロニューマチックを使った『DS』『SM』『CX』といったモデルにも、実はベースとしてコンフォートが存在しています。そしてラ・メゾン・シトロエンは全国のシトロエンディーラーのインテリアのテーマ、コンセプトです。この2つを組み合わせ、来場者に自宅でくつろぐようにリラックスしながら、シトロエンの今を体感してもらいたいという意図から名付けました」と説明する。

 今回のイベントでは日本初公開となる2台の車両が展示されている。まずは2020年後半の導入予定ながら、問い合わせが多かったことから前倒しで特別仕様車として10月19日からオンライン予約が開始されたベルランゴだ。ちなみに、受付開始の5時間後には完売。「1日で100台販売しました」と驚きを隠せないのは、シトロエンS.A. マーケティング部長のアルノー・ベローニ氏だ。そこで急きょ、11月30日9時から第2弾のオンライン予約がシトロエンの専用Webサイトで受け付けが開始される。納車は1回目予約分が2020年初頭から順次開始され、2回目予約分は2020年春ごろを予定。通常のカタログモデルは2020年第3四半期の発売を予定している

日本初公開された超小型EV(電気自動車)コンセプトカー「AMI ONE CONCEPT」

 もう1台はAMI ONE CONCEPTだ。このコンセプトカーについてシトロエンS.A. CEOのリンダ・ジャクソン氏は、「電動化戦略から生まれた100%電動化モデルです。国によっては運転免許が必要ありません。さらに携帯端末でコントロールできるようになっており、クルマをスタートさせるのも携帯端末で行ないます。購入、リース、カーシェアにも対応できるので、幅広いカスタマーエクスペリエンスが提供されることでしょう」と説明する。

AMI ONE CONCEPTのリアビュー
AMI ONE CONCEPTは全長2.5m、全高1.5mの超小型EV
AMI ONE CONCEPTのインテリア

 また、ラ・メゾンというだけに、車両展示以外にもイベントを用意。「家族も楽しめるような企画をいくつも用意しています」と森氏。まずはシトロエン C3のペーパークラフトで、キッズスペースで提供される。さらにクリスマスシーズンということで、二子玉川ライズでのクリスマスツリー展示と関連する子供向けの“サンタレター”が用意されており、森氏は「もしかしたら、シトロエンから小さなプレゼントがあるかもしれません」と語る。そのほかにモデルや年式を問わず、シトロエン車用と分かるキーをスタッフに提示した人に、「Hトラック」で提供する「シトロニストカフェ」のコーヒーがプレゼント(平日限定)されている。

シトロエン100周年記念限定車の「C3 オリジンズ」
「シトロエン 5HP(タイプC)」も車両展示
清澄白河のライフスタイル・カフェ「iki Espresso Tokyo」とのコラボレーションによる「シトロエニストカフェ」

家族が1つになることがコンセプト

日本初公開された新コンセプトMPV「ベルランゴ」

 さて、ベルランゴについてもう少し触れておこう。プジョー・シトロエン・ジャポン マーケティング部 シトロエンブランドマネージャーの中山領氏は、「家よりも家族が1つになれる場所、それがシトロエン ベルランゴです」とコンセプトを話す。

 日本では初登場となるベルランゴだが、すでに20年以上の歴史があり、その始祖は「2CV フルゴネット」にまでさかのぼることができる。「まさにダーウィンの進化論のように、ベルランゴは長い時間をかけて成長してきました」という。

 ベルランゴはグローバルの販売において、「1996年の初代登場以来、170万台以上の売上を誇るメインストリームのモデル。また、ベルランゴはこのセグメント内のキーモデルとしての座を維持していて、2017年には17か国以上でベストセラーモデルとしてノミネートされています」と人気車種であることをアピールした。

新型ベルランゴの製品コンセプト
ベルランゴは20年以上の歴史を持つモデル

 今回導入されるベルランゴには3つの特徴がある。1つはデザインだ。「シトロエンのデザインチームが際立ったスタイリングにするべく力を尽くしました。特徴的でシンプル、かつ高機能的なボディ。ひと目ですぐに分かるようなデザインで、タフでありつつも親しみやすい雰囲気。過度な自己主張のない自由で流れるようなフォルム。そして十分に確保されたスペース。これらに重点を置いてスタイリングを仕上げました」とその特徴を語る。

 また、シトロエンのデザインに関するアイデンティティをすべて取り入れており、既存の「C3」「C3 エアクロス」「C5 エアクロス」といった他のモデルレンジと並んでも違和感なくラインアップされている。

ベルランゴのリアビュー。リアゲートのガラスハッチだけを開閉することも可能

 次は、シトロエンのDNAの1つであるコンフォート、つまり快適性だ。2枚の大きなスライドドア、電動リアウィンドウ、折りたたみ可能なラゲッジシェルフ、2段階で開閉できるリアオープニングガラスハッチなどが挙げられ、それら以外にシートアレンジの多様性も特筆すべき点だという。後席は3座独立型格納式リアシートで、「3人それぞれが平等に移動を楽しめるようになっています」と中山氏。また、後部座席をすべてフラットに格納できる「マジックフラット」と呼ばれる機能も備えている。この機能と可倒式の助手席を合わせることで2.7mの長尺物も積載可能だ。

 そのほか「レーンキープアシスト」「アクティブセーフティブレーキ」「アクティブクルーズコントロール」などの安全支援システムも充実。「装備と機能はセグメント内で最高のレベルであることを自負しています」と中山氏は自信を見せる。

 パワートレーンでは、グループPSAが新開発した直列4気筒1.5リッター直噴ディーゼルターボエンジン(130PS/300Nm)を搭載。トランスミッションはアイシンAWとの共同開発による最新世代の電子制御8速ATが採用されている。

「DV5」型の直列4気筒1.5リッター直噴ディーゼルターボエンジンは最高出力96kW(130PS)/3750rpm、最大トルク300Nm/1750rpmを発生

「INSPIRED BY YOU」の3つの柱

 今回のイベントには前述のとおり、フランスからリンダ・ジャクソンCEOも来日している。「シトロエンは創業から100年の間、人とライフスタイルから多くのインスピレーションを受けてきたブランドです。そしてこれまでに主流のブランドとして90か国以上の市場で受け入れられ、この100年間で5000万台以上ものクルマを売り上げてきました。そして、大胆さと創造性を具現化する自動車ブランドです」とシトロエンについて紹介。また、「シトロエンは100年の伝統に支えられていますが、(保守的ではなく)慣例を揺さぶって、ユニークなデザイン、ベースとなるコンフォートさによって他社との差別化を促進したいと思っています。つまり、メインストリームの市場のまさに真ん中にある主流ブランドがシトロエンなのです」とコメントした。

「2014年に私がこのポジションに就いた時、私たちはお客さまがわれわれのクルマをどのように使うのかというところからインスピレーションを受けたいと思い、“INSPIRED BY YOU(インスパイヤードバイユー)”というシグネチャーを打ち出しました。しかし、ただ単にこれを主張するだけではなく、シトロエンとしてずっと作り出してきたグローバル戦略を反映しているものなのです。これは日本でも南アメリカでも英国でもフランスでも、どこに行っても皆さんからインスピレーションを受けるという戦略です。これにより、製品やサービス、カスタマージャーニーという3つの柱の中心がお客さまという位置付けなのです」と述べる。

 まず、製品についてジャクソンCEOは、「シトロエンはとてもユニークなデザインで、これはよく知られたことです」と話す。一方で、「2014年からローンチしてきたクルマたちを見てもらうと、大胆なデザインをまとっていますが、一貫性を持ってもいます。まさにファミリーに見えるでしょう。ドアを開けた時に、また道路で見かけた時に絶対にシトロエンのクルマだと分かる。このユニークなデザインはとても重要です」という。

ユニークでありながらブランドとしての共通性を備えたデザインを採用

 また、コンフォートについては、「もちろん、C5 エアクロスに搭載されているハイドローリックサスペンションなどをはじめとした乗り心地は重要なのですが、今のお客さまはその乗り心地以上のものを求めています。例えば接続性や使いやすさ、収納性などです。そういったものを含めてコンフォート、快適性として捉え、まさに私たちの中心にあるものとしているのです」との考えを示す。

 次にサービスでは「360度戦略」を挙げ、「INSPIRED BY YOUとしてお客さまからヒントを得ることで、お客さまがより快適にストレスをなくサービスを受けられ、それによってわれわれが差別化できるようにするという戦略です」と説明。シトロエンアドバイザーによる書き込み可能なWebサイトがあり、「リアルタイムで自分たちのディーラーに対して、例えばクルマを購入した時、修理に出した時、国によっては営業に対しても評価をしてもらうシステムです。カスタマーエクスペリエンスを直接いただくもので、これはまさに信頼性と透明性を持った活動で、現在51は国以上でこのシステムが導入されています」と紹介。

 最後はカスタマージャーニーだ。「これはお客さま自身の体験を指し、ストレスが少なく気楽で快適に体験してもらうためのものです。ラ・メゾン・シトロエンというコンセプトがあり、より暖かな体験を店頭でも感じてもらいたいと、東京のラ・メゾン・シトロエンではシトロエンカフェをディーラーシップで展開。そこでわれわれが達成しようとしているのは、お客さまの生活をより快適に、より気楽にしようというシンプルな戦略なのです」とコメントした。

2018年は世界中で100万台を超える販売を記録
欧州市場では2013年から右肩上がりの成長
ラインアップモデルの販売台数

 こういった戦略とともに、「素晴らしい製品モデルが次々と登場した結果、2018年は世界中で100万台を超える販売台数を達成し、ヨーロッパでは5年間連続で成長。2013年から28%も成長しています。そして2019年もこのダイナミズムが続きます。われわれはヨーロッパではトップ12ブランドの中でも最速の成長率を示しており、マーケット全体が縮小傾向にある中で、マーケットシェアはアップしているのです」と、この戦略が確実に成果に結びついていることを強調した。

 日本では2019年に4000台の売り上げを達成する見込みで、22年間のシトロエンの歴史で最高の売り上げ台数を記録。「ヨーロッパのみならず、日本も含めた多くの地域でこのような素晴らしい成果が出ています」とした。

PHEV(プラグインハイブリッド)の「C5 エアクロス SUV ハイブリッド」

 今後についてジャクソンCEOは、「C5 エアクロス SUV ハイブリッド」を挙げ、「われわれは電動化への検討を始めています。プラグインハイブリッドとして、来年からさまざまなマーケットでの発売を予定し、フラグシップとなる重要なモデルです。また、100%電気自動車の新たなモデルを来年から展開する予定です」と明かす。そして「シトロエンはこれまでにないほど大胆に、ダイナミックになります。シトロエンならではの他とはまったく違う、果敢に規範に挑戦するクルマを出していきたい。そして改めてわれわれは、お客さまの生活をより快適にしていきたいと考えています」と語った。

C5 エアクロス SUV ハイブリッドの紹介ムービー(1分53秒)