無観客開催となった「新城ラリー2020」。ランエボ 奴田原選手が今季初優勝

「新城ラリー2020」のJN1クラスで優勝した3号車 奴田原文雄/佐藤忠宜組（ADVAN-PIAAランサー）

　愛知県新城市で3月14日～15日、「新城ラリー2020」が開催された。全日本ラリー選手権の第2戦となる新城ラリーは、例年約5万人のファンを集める人気イベントだ。今シーズンは新型コロナウイルスの影響で無観客開催となり、イベントなどは中止となったが、リエゾン区間では旗を振る多くのファンの姿を見ることができた。

　新城ラリーは全日本ラリー選手権の第2戦の位置付けだが、第1戦の「Rally of Tsumagoi」（ラリーオブ嬬恋）が2019年に発生した台風19号による被害の影響で中止となり、事実上の2020年開幕戦。競技は3号車 三菱自動車「ランサーエボリューション」の奴田原文雄/佐藤忠宜組が今季初優勝を飾った。

　新城ラリーはこれまで、金曜日に新城文化会館でセレモニアルスタートが行なわれ、土日はメイン会場となる県営新城総合公園やサテライト会場の鬼久保ふれあい広場などに多くのファンが集まる新城市の一大イベントだ。既報（新城ラリー2020、新型コロナウイルスの影響で無観客開催に）のとおり、今回は新型コロナウイルスの影響で無観客開催となり、3月13日に予定していたセレモニアルスタートや、14日～15日に県営新城総合公園および鬼久保ふれあい広場で予定されていた企業出展、飲食店の屋台などの催しもすべて中止となった。さらに県営新城総合公園内でのSS（スペシャルステージ）も中止され、残念な状況の中での開催となった。

　競技は県営新城総合公園からSS1に向かう車両を関係者が見送る形で始まり、土曜日は雨の中で競技が行なわれた。午前はSS1 舟着（5.97km）、SS2 ほうらいせん一念不動（7.47km）、SS3 鬼久保（6.96km）の3ステージ、午後のSS4～6はSS1～3のリピートを予定していたが、SS4 舟着がキャンセルとなった。

雨の中、県営新城総合公園のゲートからSS1に向けてスタートが切られた

　国内最高峰クラスのJN1は、午前のSS1～3を3号車 奴田原文雄/佐藤忠宜組（ADVAN-PIAAランサー）が3ステージ連続でトップタイム。午後のSS5 ほうらいせん一念不動は1号車 新井敏弘/田中直哉組（富士スバル AMS WRX STI）、天候が回復したSS6 鬼久保は2号車 新井大輝/小坂典嵩組（ADVAN KYB AMS WRX）がトップタイムを計測する。土曜日のLeg1トップは3号車 奴田原文雄/佐藤忠宜組（ADVAN-PIAAランサー）、2位は4.6秒差で1号車 新井敏弘/田中直哉組（富士スバル AMS WRX STI）、3位はトップから19.0秒差で2号車 新井大輝/小坂典嵩組（ADVAN KYB AMS WRX）となった。

土曜日Leg1は3号車 奴田原文雄/佐藤忠宜組（ADVAN-PIAAランサー）が制した

　日曜日は快晴。この日はSS7 雁峰西(16.26km)、SS8 鬼久保（6.96km）、SS9 雁峰西リピート、SS10 鬼久保リピートの4ステージでLeg2が争われた。この日のSSは好調の3号車 奴田原文雄/佐藤忠宜組（ADVAN-PIAAランサー）が4連続でトップタイム。前日からトップの座を譲ることなく、新城ラリー2020の優勝は3号車 奴田原文雄/佐藤忠宜組（ADVAN-PIAAランサー）が獲得した。

　2位は22.1秒差で1号車 新井敏弘/田中直哉組（富士スバル AMS WRX STI）、3位はトップから55.7秒差で2号車 新井大輝/小坂典嵩組（ADVAN KYB AMS WRX）となっている。

JN1クラス2位は1号車 新井敏弘/田中直哉組（富士スバル AMS WRX STI）

JN1クラス3位は2号車 新井大輝/小坂典嵩組（ADVAN KYB AMS WRX）

　JN2クラスは8号車 眞貝知志/安藤裕一組（TGR Vitz GRMN Rally）、JN3クラスは21号車 竹内源樹/木村悟士組（YH CUSCO 大阪冷研 BRZ）、JN4クラスは27号車 内藤学武/小藤桂一組（YH Motys BRIG G4 スイフト）、JN5クラスは30号車 天野智之/井上裕紀子組（豊田自動織機・DL・ヴィッツ）がそれぞれクラス優勝を飾った。

JN2クラスの優勝は8号車 眞貝知志/安藤裕一組（TGR Vitz GRMN Rally）

JN3クラスの優勝は21号車 竹内源樹/木村悟士組（YH CUSCO 大阪冷研 BRZ）

JN4クラスの優勝は27号車 内藤学武/小藤桂一組（YH Motys BRIG G4 スイフト）

JN5クラスの優勝は30号車 天野智之/井上裕紀子組（豊田自動織機・DL・ヴィッツ）

　全日本ラリーの第3戦以降のスケジュールは以下のとおり。F1、SUPER GT、スーパーフォーミュラなどのレースで中止や延期が次々に発表され、全日本ラリー選手権の開催も先が見えない状況なので、主催者からの情報を確認し、観戦をしていただきたい。