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日産、No.1の広々空間とダントツの収納力を目指した新型「ルークス」開発担当者のオンラインプレゼン

第一製品開発部 セグメントCVE 齊藤雄之氏と車両実験部 実験主担 永井暁氏が新型ルークスの開発ポイントを説明

2020年5月18日 開催

オンラインプレゼンテーションに登場した日産自動車株式会社 第一製品開発部 セグメントCVE 齊藤雄之氏(右上)

 日産自動車は5月18日、3月19日に発売した新型軽自動車「ルークス」のオンラインプレゼンテーションを開催。

 日産自動車 第一製品開発部 セグメントCVEの齊藤雄之氏と同 車両実験部 実験主担の永井暁氏が新型ルークスの開発ポイントについて説明した。

新型ルークスのファーストインプレッションはこちら

ミニバンの使い勝手と軽自動車の運転しやすさを両立した新しいカタチ

ミニバンの使い勝手と軽自動車の運転しやすさを両立した新しいカタチを目指した新型ルークス

 新型ルークスで目指したものについて、齊藤氏からはミニバンの使い勝手と軽自動車の運転しやすさを両立した新しいカタチを実現させることが明かされた。

 新型ルークスのパッケージの特長としては、従来モデルとの比較で、ホイールベースを2495mmと65mm拡大。前席の着座位置をアップすることで前席からの見晴らしのよさ、Bピラーを前出しするとともに後席にロングスライド機能を備えることで、後席空間や荷室の拡大、後席へのアプローチしやすさを実現させたという。

 新型ルークスの全体としての特長は「BIG」「EASY」「FUN」「SAFETY」とのキーワードで、「家族4人がゆったり使えるNo.1の広々空間とダントツの収納力」とする特長のほか、ママにもうれしい使いやすさを持たせたシートアレンジや運転のしやすさ、ドライブが楽しくなるように後席まで静かで快適な室内空間の実現や先進安全装備の充実といったポイントが挙げられた。

後席のシートスライドを後方に移動した状態で後席ニールームは従来モデルより81mm拡大

 具体的に“N0.1の広々空間”とした車内空間については、前席を前方に配置するとともに、スライド長320mmのロングスライド機能と折りたたみ方式を採用した後席の新シート構造により、後席のシートスライドを後方に移動した状態で後席ニールームは従来モデルより81mm拡大してクラストップを実現。

 荷室スペースについては、後席のシートスライドを前方に移動した状態で奥行きを従来モデルより208mm拡大してクラストップを実現。背もたれの角度を14度と従来モデルより立たせたことを合わせて、スーツケース4つ分を積載するスペースを確保したことが紹介された。

後席スライド長320mmのロングスライド機能と使い勝手のよい折りたたみ方式を採用した新シート構造
荷室スペース

 また、後席を倒すことでクラストップレベルの荷室長となり長モノが収納できるほか、コンパクトなサスペンションを採用することにより、荷室スペース床下にクラストップの大容量ラゲッジアンダーBOXを設定することができたという。

ママにもうれしい使いやすさを備えたシートアレンジや運転のしやすさ

日産自動車株式会社 車両実験部 実験主担 永井暁氏。ここ30年くらいスポーツ系のクルマを担当して最後はGT-RとZを担当。軽自動車はデイズ以降、企画段階から参加しているという

 新型ルークスで実現させた「ママにもうれしい使いやすさ」については永井氏から説明があり、「ママのために考え抜かれた多彩なシートアレンジ」「ママも軽々扱える、子供を抱いていても開けられる」「抜群の見晴らしと取り回しのよさで運転しやすさ No.1」といったポイントを示した。

ルークス独自の機能をもたせたシートアレンジ

 新型ルークスのシートアレンジについて、永井氏は「後席のスライドを非常に長くとったことによって、お母さんが後ろにいる子供を簡単にケアできるように近くに寄せることができ、もう1つは後ろに人が乗ってもロングスライド機能と後席シートバッグを直角に近く取ることによって荷室スペースにも使える、そういったところを目標にしてロングスライド機能を採用しました」と紹介。

 そのほかにも、ベビーカーや買い物カゴをそのまま置けるような後席足下のフラットな空間や、後席の背もたれを倒すことで27インチのアップハンドルの通学用の自転車を積載できる荷室空間を確保、足を伸ばしてリラックスできるフルフラット機能をもたせていることが紹介された。

ラゲッジ部分の操作性

 ラゲッジ部分については、後席背もたれ部分にリクライニングレバーとスライドレバーを配置することで、ラゲッジからのシートスライド操作を可能にするとともに、バックドア閉じ力については、新型ロング高圧ガスステーを採用することで、最初から最後まで軽く操作できることを実現させたという。

大開口を実現させたスライドドア
ハンズフリーオートスライドドアを採用

 スライドドア部分では、開口幅が最大で650mmと従来モデルより95mm拡大、ステップ付近足の通過スペースでは394mmと従来モデル148mm拡大させ、ハンズフリーオートスライドドアの採用と合わせて、子供を抱いたまま後席にアクセスする場合のアクセス性を向上させた。

 運転のしやすさの部分では、アイポイントの高さを従来モデルより61mm高く設定、同社のミニバン「セレナ」並に視点を高く設定することで、広く見渡せて運転がラクになるとしている。

5月18日時点の受注台数は2万1000台

 このオンラインプレゼンテーションではこのほかにも、後席まで静かで快適な室内空間の実現に向けた取り組みや、先進安全機能などについての説明が続いた。

後席まで静かで快適な室内空間の実現に向けた取り組みを示すスライド
先進安全装備に関するスライド

 新型ルークスについて、永井氏は「私は今までスポーツ系のクルマをずっとやってきてある時から急に軽自動車の担当になりました。軽自動車にぜんぜん乗ったこともない中で乗ってみたら、今世の中に出ている軽自動車のレベルの高さにかなりびっくりしました。新型デイズをはじめ今回のルークスは、そういったものとの競争で勝てるクルマ、お客さまにとっても愛されるクルマにしたいと、このクルマを開発してきました」と話すとともに「他社さんのクルマとも比較して、本当にこのクルマはどうだったかっていうところをきちんと評価していただきたい」と話した。

 また、5月18日時点の受注台数については2万1000台であることが明らかにされ、その内訳については、ハイウェイスター比率が8割を超え、プロパイロットの装着率も全体の約6割が装着するという。

 齊藤氏は「お客さまの外出の機会も減って、われわれ一生懸命作ったんですけれどもちょっとルークスの販売でスタートダッシュが遅れている気がします。われわれとしては、勝てるクルマ、お客さまに喜んでいただけるクルマを目指して仕上げてきたつもりです。ぜひ皆さんもクルマを見る機会がありましたら評価をいただきたい」との意気込みを語った。