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開発コンセプトは「技術の日産が造る、誰もが楽しめる移動空間」。新型ルークス発表会
各パートの開発担当者が新型ルークスのポイントを詳しく解説
2020年2月26日 06:00
- 2020年2月25日 開催
- 141万5700円~206万6900円
日産自動車は2月25日、新型軽自動車「ルークス」を発表した。価格は141万5700円~206万6900円。発売日は3月19日となる。発表会はインターネット中継を交えた形式となり、星野副社長のあいさつから始まり、各パートを担当した開発責任者よりコンセプトの解説が行なわれた。また、生中継の途中に質問を広く募集し、最後にネット中継を介した質疑応答が実施された。
進化した日産インテリジェントモビリティでワクワクを提供します
最初にステージに登壇した星野副社長は「日産インテリジェントモビリティを各セグメントに投入して、進化した電動化と自動運転に配備される日産の先進的な技術で、皆さまにワクワクをお届けしたいと思っています。今日はその第1弾として、新型の軽自動車『日産ルークス』を発表します。今から1年前に日産開発の軽自動車『デイズ』をここで発表しました。その当時『本気で軽自動車をすごくする、ヤバくするぞ!』という決意のもと、いちはやく運転支援技術のプロパイロットを導入して、軽自動車市場に変革を起こしました。そしていろいろな賞をいただきましたし、販売もおかげさまで絶好調です」
「そのDNAを継承しているのが、この日産ルークスです。日本で一番大きなセグメントで、昨今人気のある“スーパーハイトワゴン”という背の高いセグメントのクルマになります。競合他社もたくさんありますが、日産はデイズで培ったプロパイロット、素晴らしい走り、静かな走りをふんだんに搭載しました。デイズと同じように可愛がっていただければ幸いです」
「2020年は日産インテリジェントモビリティを搭載したクルマを続々と投入してまいります。進化した電動化、自動運転の技術、つながるクルマとしてお客さまにワクワクを提供してまいりますので、今後ともご期待下さい」とあいさつし、開発陣営にバトンを渡した。
特長は「広さと使い勝手」「家族の安心を守る先進の安全技術」
続いて日本商品企画部の豊島部長が登壇し、新型ルークスの特徴を紹介した。
「現行のデイズについては、昨年3月の発売から数々の賞をいただき、軽自動車に初めて搭載したプロパイロットは、オプションで設定しているグレードの中で、2台に1台の割合で選択して頂いている。『使ってみると足が思った以上に楽だった』『とても運転が楽になり遠くに出かけたくなった』などの声をたくさんいただき、プロパイロットによりワクワクを感じていただけていることを嬉しく思っています。現在軽自動車は日本の市場の4割を占めています。さらにその過半数がスーパーハイトワゴンのセグメント。人気があり、まだまだ成長の可能性がある市場にこのルークスを投入することで、このセグメントにも変革をもたらしていきます」と新型ルークス投入の意気込みを紹介。
「新型ルークスの特長は『広さと使い勝手』『家族の安心を守る先進の安全技術』にあります。旧型よりもホイールベースを拡大して、後部席の膝まわりは大人が足を組んでもゆとりがある広さを実現しました。使い勝手のよさとしては、ロングスライドする後部席により、後部席にいる子供のケアもしやくなった。また、すでにミニバンの『セレナ』に採用しているハンズフリーオートスライドドアを採用し、子供を抱えた状態でのドア開閉や、チャイルドシートへの乗降サポートもしやすくなっています」と2つの大きなコンセプトを解説した。
続いて豊島部長は、スカイラインやセレナ、デイズにも搭載されていて、新型ルークスにも搭載される日産の全方位の先進安全技術の中から代表的な技術として4つの機能を解説。
進化したプロパイロット
「ミリ波レーダーを使い、より遠くの先行車を検知できます。その結果、ブレーキやハンドル操作を早めに行なえるようになり、より自然な感覚で安定した制御を実現しました。高速道路での渋滞や、長距離運転を快適で安心、安全に楽しんでいただけます。ハンドル、アクセル、ブレーキ操作を制御していて、車線の中央付近の走行と、前方車との車間距離の維持を支援します。0km/hキロからのハンドル操作支援も日産プロパイロットの特長です」
「また、電動パーキングブレーキには、ブレーキペダルを踏んで止まった際にブレーキペダルを離してもブレーキを自動で維持してくれるオートブレーキホールド機能があり、足の疲労が軽減されます。自動運転の先駆けとして取り組んできた日産だからこそ、より安心、安全、快適なドライブをお届けします」
軽自動車初搭載のインテリジェントFCW
「これは軽自動車には初めて搭載する安全技術で、2台前を走るクルマの車間、相対速度を状況把握を行ないます。見えない前方の状況の変化を検知し、危険を判断した場合はドライバーに注意を促します。すでにスカイラインやセレナに搭載されている技術をルークスにも採用しました」
対向車にやさしいアダクティブLEDヘッドライトシステム
「周囲の状況に応じて左右合計24個あるLEDヘッドランプを独立して制御することで、対向車や先行車、歩行者にまぶしい思いをさせることなく、必要なところだけ遠くまで明るく照射するので、夜間でも視認性の高い状態が維持されます」
エクステリアデザインのキーワードは「品」と「凛」
インターネット中継を交えての発表会なので、より視聴者に分かりやすく伝えるため、ここからは担当者が実車を触れながら解説する流れに。進行役の佐藤恵氏が登場し、まずはエクステリア担当の渡邊デザインマネージャーに質問しながらの解説となった。
「エクステリアデザインのキーワード『品』と『凛』という言葉を使いました。とても洗練されていながらも、強い存在感を同時に持つような、そんな上質なスーパーハイトワゴンにしたいと考えました」
「とにかくフロントまわりは厚みとワイド感をしっかり持たせて『強い塊感』を演出しています。さらにハイウェイスターは精悍で引き締まっていて端正な顔立ち。スタンダードのほうは、より親しみやすさがありながらハンサムな顔立ちに仕上げています」
「サイドに関しては、分厚いしっかりしたボディを作ることができました。テーマとしても前から後ろまでスバっと真っ直ぐに非常に明快なデザインです」
「リアは室内が広く使いやすいクルマだとひと目で分かるように、ワイド感がでるように、水平方向のすっきりしたラインを重視しています。ハイウェイスターはクロームのパーツを使っていることで、よりワイド感を演出しています。スタンダードのほうはモダンな感じを高めるためにブラックアウトしたフィニッシャーでガラスと一体になったクラシック感を強調しています」
「ヘッドライトも大きな特徴の1つで、先進感を演出している1つです。ヘッドライト内にあるクロームのパーツは精悍な顔立ちを演出していますが、実はこのクロームのパーツが光ることで、二度楽しめる驚きのデザインにしました」
「また、パーツとパーツの合わせ目、隙間を見えなくする工夫をしています。ボンネットとライトですと、ボンネットがライトの上に少しかぶさるようにして、隙間を見えなくすることで高級感を出しています」
「フロントグリルはエンジンを冷やすための空気を取り込む場所なので穴が開いている訳ですが、ただ穴が開いているのではなく、全部大きさが異なり、下から上にいくにつれて穴がだんだん小さくなっていき、六角形の穴が消えていく感じの演出をしています。とても新鮮に感じて頂けるかと思います」
「ボディカラーはモノトーン、2トーンの合計17種類の多彩なバリエーションを設けました。2トーンはハイウェイスターで3種、スタンダードで2種類と、それぞれに世界観をもたせた配色にしています」と渡邊マネージャーが解説を行なった。
ポイントは「洗練された空間」「ミニバン同等の質感」「収納と使い勝手のよさ」
続いてインテリア担当の松尾デザインマネージャーが、佐藤恵氏に教えるようにインテリアのポイント解説を行なった。
「インテリアに関しては、『洗練された空間性』『クラスを超えてミニバンを思わせるような品質感』『綺麗にしまえる、楽に使える収納と使い勝手』と、力を入れたポイントが3つあります」
「乗った時に安心感が出るようにインパネからドアトリムをつながったデザインにしたことで、包まれている感じを演出しています。さらに今回はヒップポイントをミニバン並みに高くして、見下ろした感じが出るようにしてあるのですが、インパネの上をすっきりと広くしたことで、よりすっきり広々と感じるように作り込みました」
「デイズでも採用した好評のタッチパネル式のエアコン操作部をルークスにも採用しました。透過性のタッチパネルなので直感的に操作が可能で使いやすいです。また、オプションにはなりますが、インパネを硬い樹脂ではなく柔らかいPVC素材を使いつつ、さらにダブルステッチ仕上げにしたことで温かみを感じて頂けるかと思います」と松尾マネージャー。
「収納はたくさん用意しました。まずスマホを置くためのスペース。ここは運転席も助手席も使いやすいように横に長く作りました。また、ティッシュ箱がピッタリ入る引き出しを設けました。その下にはグローブボックスもありますが、軽自動車の場合は車検証を入れたら、余るスペースがありません。そこで、助手席のシート下にボックスがあるのですが、さらにその下に車検証入れを設けました。これでグローブボックスはすべて自由に使えます」
「インテリアカラーは3種類で、それぞれテーマを設けています。スタンダードはグレージュという明るいカラーでリラックスを生み出す空間を作ります。ただし背面はブラウンで汚れを目立ちにくくしています。ハイウェイスターの内装はスパイシー&クールで、黒ベースでブルーのダイヤ柄のエンボスパターンを使った緻密な作り込みをしています。オプションのインテリアは黒ベースにモカとブラウンの3色をコーディネイトしています。ステアリングとも色を合わせていて、高級感も漂っているかと思います」と松尾マネージャーが説明を行なった。
ミニバン級の使い勝手のよさと、運転のしやすさの両立を目指した
最後に開発部のチーフビークルエンジニアである齊藤氏が、もっともこだわった「パッケージング」と「使い勝手」について語ってくれた。
「新型ルークスのモノづくりで目指したのは『ミニバンの使い勝手のよさと、軽自動車の運転のしやすさの両立』です。旧型デイズルークスに対して、ホイールベースを65mm伸ばしただけでなく、前席の着座位置を上にあげて前に出しています。さらにBピラーを前にずらしたことで、後部席のロングスライドシートを配備したオリジナルパッケージにより、広い室内、便利で快適な使い勝手が実現し、ドライバーも同乗者も、みんなが楽しい移動空間を実現して、これまでにないクルマに仕上がったのが新型ルークスです」
「アイポイントが高くなり左右の見開きもワイドになったことで視界がかなり広くなって運転しやすくなっています。実はアイポイントはセレナに近いくらい高い位置です。それが運転のしやすさを生み出しています。ステアリングにはプロパイロットのボタンが、天井にはSOSコールが付いていて安心感が高い。家族みんなが乗って楽しくて安心できるように作り込んでいます」
「リアシートはとても広いです。前席を前方に移動していますので、大人が足を組んでも余るほどニースペースは広いです。Bピラーも前方向にずらしたので、ドアの開口部が約10cmほど広くなっています。これで乗り降りがとても楽になりますが、他にも大型のグリップを取り付けたり、使い勝手をよくしています」
「特に注目して頂きたいのが、お母さんが赤ちゃんを乗せるときの姿勢です。かがみこんだり、ねじったりする必要はありません。また、セレナに採用していたハンズフリーオートスライドドアを開けるときは足をかざすだけでドアが開きます。これも使い勝手のよさの大きな部分です」
「トランクは後部座席をスライドすることで、とても大きなスペースを生み出します。大きなスーツケース4つも軽々詰めます。海外旅行、キャンプ、自転車などなど、家族で楽しむアイテムを何でも積んで下さい。技術の日産が、家族のために広い室内、便利で快適な使い勝手、誰もが楽しい移動空間、そして安全性を考え抜いて企画・開発したクルマです。ぜひ、ショールームや店頭でご体感ください」と締めくくった。