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日産、新型「ルークス」のオンラインプレゼン第2弾。デザイン&マーケティング編
2020年5月29日 13:33
- 2020年5月25日 開催
日産自動車は5月25日、3月19日に発売した新型軽自動車「ルークス」のオンラインプレゼンテーションを開催した。
これは5月18日に開かれた開発ポイントについての説明に続く、新型ルークスを題材にしたプレゼン。今回はデザインとマーケティングについての説明を第二プロダクトデザイン部 デザインマネージャーの渡邉和彦氏、第三プロダクトデザイン部 デザインマネージャーの松尾才也氏、日本マーケティング本部 マーケティングマネージャーの島村良子氏の3名から行なわれた。
新型ルークスは広い室内、便利で快適な使い勝手、楽しい移動空間、安全性をキーワードに開発されたスーパーハイトワゴン。ハイトワゴン「デイズ」の全長3395mm、全幅1475mmはそのままに、全高をデイズの1640mmから1780mm(2WD。4WDは1800mm)まで引き上げて使い勝手をより一層高めているのが特徴だ。より大きく見えるワイド感と高い質感で作り込まれた存在感を放つハイウェイスターシリーズと、上品で洗練されたモダンでシンプルなスタイルのスタンダードシリーズを用意する。
インテリアではクラストップレベルの広い室内を実現し、後席ニールームは795mmを確保するなど、ゆったりと座ることが可能。また、後席の室内高は1400mmと、小さな子供であれば立ったまま着替えることもできるスペースを有する。ラゲッジスペースの床面の長さは675mmと広いスペースを確保したことで、48Lのスーツケースを同時に4個積載できる能力も持つ。
品があり 凛とした 軽スーパーハイトワゴン
はじめに登壇したデザインマネージャーの渡邉氏からは、新型ルークスのエクステリアデザインの特徴について語られた。新型ルークスで目指したのは「品があり 凛とした 軽スーパーハイトワゴン」で、「新型になるにあたって室内を大幅に広げました。フロントホイールを前に出し、特にリアのニールームが広げられているとともに、前席のエルボールームも23mm広くなりました」とコメント。また、リアのスライドドア開口部がクラストップの650mmという開口幅を持つこと、前席が高いアイポイントでクラストップの見開き角(上方17.8°、下方11.7°)を実現し、使いやすいパッケージであることをアピール。
デザイン面では、まずタイヤを限界まで4隅にレイアウトしてドシッとした安定感を与え、高いベルトラインを保つことでその下のボディのボリュームが取れ、さらにフロントウィンドウからルーフへ流れるようなラインを作り上げることでキャビン全体が薄く長いルーミーな印象に仕上げたという。
エクステリアデザインのキーワードは「品と凛」を掲げ、全体を水平基調でまとめるとともに、煩雑なラインを使わずクリーンで抑揚のある面で構成することで品の良さを感じさせるものとした。また、細部に至る作り込みにもこだわったといい、代表的な例としてフロントグリルのデザインを挙げ、「グリル部の穴は6角形で、下側は穴が開いていて、上側に行くに従って穴が小さくなっていくもので、上の部分は平滑面になっています。見る角度、光の当たる方向によっては見え方が変わって、色々な表情が楽しめるものになっています」と説明。
また、デザインにこだわった点としてボンネットフードとヘッドライトの合わせについても触れ、「ヘッドライトのレンズの上側に覆いかぶさるようにして、ひとつながりのように見せています」と述べるとともに、段差なくつながったリアのクロームフィニッシャーについてもアピールした。
ミニバンを思わせるクラスを超えた質感
インテリアについては、デザインマネージャーの松尾才也氏が登壇して「インテリアは品がある空間 凛とした佇まいを特徴としつつディテールにもこだわり、ミニバンを思わせるクラスを超えた質感、収納などを多数用意して楽に使えるという点に重点を置いて開発してまいりました」と、その特徴を語る。
具体的なポイントとしては、インパネでは上半分を前側にオフセットして、そこに生まれた空間にシフトノブやエアコンのスイッチなどを配置。そして軽自動車として珍しい、インパネからドアに向かってラウンドしたデザインテーマを採用した。また、先代モデルである「デイズ ルークス」ではインパネ上部とAピラー横の“オペラウィンドウ”に段差があったが、新型ルークスではその段差をなくして一体感を持たせ、直感的に広くて気持ちいい空間、視界を作ったという。
一方、後席でも視覚的ノイズがなくなるようにフラットなフロアを採用するとともに、ルーフサーキュレーターは先代モデルではトリムに後付け感のあるものだったが、新型ルークスではユニットをルーフトリム内に収めて視覚的ノイズを減少。さらに後席の露出していた部材を隠し、すっきりした見栄えにしているのもポイントだとした。
また、収納については「助手席カップホルダー&センタートレイ」「引き出しティッシュBOX」「センターロアトレイ」「センターロアBOX」など豊富に用意されているが、「収納をたくさん用意するだけでなく、形にしっかりインテグレートさせることでいつでも簡単にすっきり片付く内装を目指しています」とのこと。
なお、インテリアカラーについてはスタンダードシリーズが「HAPPY&RELAX」、ハイウェイスターシリーズが「SPICY&COOL」、さらにオプション内装として「PREMIUM&STYLISH」という3つのコンセプトに基づいたコーディネーションが用意される。
スタンダードシリーズではベージュとグレーの中間の「グレージュ」を使い、明るさに包まれたリラックスできる空間を目指した。シートにはソファ調のファブリックを使いつつ、全面にグレージュを使うと汚れやすいということもあり、背面に濃いめのブラウンを用い、汚れなどに配慮しつつ明るい空間に仕上げている。
ハイウェイスターシリーズではブラックを基調にネイビーをアクセントとして使い、シートにはダイヤモンドパターンを使用。このダイヤモンドパターンでは一部にRをかけたり、そのRも場所によって変化させるなどして緻密さを表現したという。
また、オプション内装については「シート下側に濃いめのブラウンを、上側に明るめのモカカラーを使い、さらにインパネにはPVCラッピングを施すとともにカラーステッチを使い、軽自動車の概念を超えたプレミアムな品質感を実現しています」とアピールした。
先進技術で、家族はもっと楽しめる。
日本マーケティング本部 マーケティングマネージャーの島村良子氏はマーケティングの概要について紹介を行ない、「軽自動車は複数台所有のうち、サブで使うというイメージがあるかと思いますが、最近は少し様子が違っていて、軽自動車をファーストカーとして使われるお客さまが少しずつ増えてきています。また、使い方も変わってきており、通勤・通学・送迎といういわゆる“日常の足”的な使い方から趣味・レジャーにも使うというのが、最近の軽自動車ユーザーの使い方の特徴になっています」と報告。
また、軽スーパーハイトワゴンの主な購入者は子供のいる家庭がもっとも多く、それに子育てを卒業した家庭が続くという恰好で、新型ルークスでは子育て家族にフォーカスしてマーケティング活動を行なっているという。その子育て家族の家族観のトレンドとしては「家族の絆は、意識して作るものへ」「共働き家族の増加で、家族全員での時間は減少」の2点を挙げる。
以前までは結婚/家族を持つことが当然で、その絆もあって当然という意識だったが、「結婚/家族を持つことはあくまで選択肢の1つで、それでも結婚/家族を持つという選択肢をした人にとって、家族の絆はあって当然なものではなく意識して深めようとするものと考える人が増えている」という。一方、女性労働者数の増加に伴い共働き世帯数が世の中のマジョリティになり、子供との時間を増やしたいと思っていても減少しているという現状がある。
そうした子育て家族がクルマに対してどういうニーズがあるのか調べたところ、「家族と一緒に出掛けたいというニーズがある一方、子供がグズり、親がイライラし、楽しいお出かけが楽しめない」という声が多くあったそうだ。そこで新型ルークスでは「目的地までの移動を価値あるものにする」をテーマに掲げ、プロパイロットやアダプティブLEDヘッドライトシステム、インテリジェントアラウンドビューモニター、ハンズフリーオートスライドドアといった先進の装備を採用したとのこと。
島村氏は最後に「『技術の日産が人生を面白くする』というのが会社としての想いですが、軽自動車としても全く同じで、日本のマーケットシェアの約40%は軽自動車が占めていますが、軽自動車にお乗りのお客さまの中で、私たちのルークスはこれから家族として歩み始める人を応援するクルマでありたいと思っています。『先進技術で、家族はもっと楽しめる。』というのはそういう想いを込めたものになっています」と述べてプレゼンを締めくくった。