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ホンダ F1 山本MD、角田裕毅選手のF2初優勝について語る 「ほめてあげたいし、ほめ言葉を贈りました」

2020年8月9日 決勝

F2で初優勝した角田裕毅選手 (c)Getty Images / Red Bull Content Pool

 レッドブル・ホンダが今季F1初優勝を飾ったF1第5戦 70周年記念GP。このレースで併催されていたF2 スプリントレースでF2初優勝を成し遂げたのが角田裕毅選手だ。角田選手は、ホンダおよびレッドブルの育成ドライバーとしてF2に参戦しており、将来の日本人F1ドライバーへの期待もかかる。今季F1初優勝のオンライン記者会見に参加した、Honda F1マネージングディレクター 山本雅史氏に角田選手の初優勝について聞いてみた。

YouTube F2 Sprint Race Highlights | 70th Anniversary Grand Prix 2020

https://www.youtube.com/watch?v=w7A6DGEy_RQ

Honda F1マネージングディレクター 山本雅史氏

F1の優勝トロフィーを持つHonda F1マネージングディレクター 山本雅史氏(右) (c)Getty Images / Red Bull Content Pool

 F2は私とマルコさん(ヘルムート・マルコ博士)とクリスチャン(クリスチャン・ホーナー氏)と3人で見てました。マルコさんと「表彰式に行こうか」と言ったんだけど、やっぱり(密になるから)F2に行ってはだめだよねという話になり行かなかったのです。角田くんは一戦一戦すごく学んでいるなと。レースが終わった後、電話で話したり、メールやLINEでやりとりしたりはしています。

 今日のレースは、ほめてあげたいし、ほめ言葉を贈りました。「うれしかったです」と本人も返してくれました。今日はひと言で言うと「あっぱれ」ですね。マルコさんも言ってましたが、前半はタイヤマネジメントをすごく賢くしていた。(前半は3位を走っていた角田選手が)4位のエイトキンには付かれず、2位には離されずというレースをして、前半は非常に我慢のレースをしていたと思います。

 そんな中で、4位を走っていたエイトキンが離脱していき、トップ3の争いになったときに非常に自分のペースを作りながらタイヤマネジメントをしていた。彼も言っていたし、僕もマルコさんと見ていたのですが、1位、2位をわざわざ狙っていかず、しばらく後ろで2人の争いを見てましたよね。それが手に取るように分かって、本当に角田が賢く成長してきたなと正直感じました。

 もともと開幕から速さ的には光るものを見せてくれていたと思うのですが、やはりF2のルーキーなのでキャリアがないのです。最後に当てられてリタイヤするとなどありました。それらを含めて一戦一戦が勉強しているなと正直思います。

 本当に今日のレースは賢いレースができていましたし、なかなか将来が楽しみだなと思いました。今回の勝利で彼が一皮むけると思います。いいレースでした。


 ホンダの山本MDは、マクラーレン・ホンダからトロロッソ・ホンダ、アストンマーティン・レッドブル・レーシングへとホンダPU(パワーユニット)の供給先を変更するなど、ホンダF1関連のマネジメント責任者。ホンダF1を勝利させていく責任を負っている。

 そのために必要なのは強いチーム作りで、山本MDの発言に出てくるヘルムート・マルコ博士やクリスチャン・ホーナー氏とともに、レッドブルやアルファタウリが勝つための取り組みを行なっている。

 F1で勝てるドライバーの見極めもその業務の1つに入っていると思われ、その山本MDやマルコ博士、ホーナー氏が見る中で角田裕毅選手が勝てるドライバーであり、しかも賢いドライバーであることを証明したのは大きな要素だろう。

 F1と同様、F2も過密スケジュールとなっており、8月15日土曜日にはフューチャーレースが、翌16日の日曜日にはスプリントレースがスペインで開催される。

 ネット配信のDAZNでは、F1同様F2レースを配信しており1か月の無料体験なども行なっている。海外のF2レースをリアルタイムに見られるチャンスでもあり、そこでは日本人ドライバーが活躍している。F1同様、F2レースにも注目していただきたい。