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ランボルギーニ、V12エンジン搭載の「アヴェンタドール」が生産1万台を達成

2011年の生産開始から9年。歴史的なマイルストーン(通過点)を迎えた

タイへと送らる1万台目のアヴェンタドール

 アウトモビリ・ランボルギーニは9月10日(現地時間)、サンタガタ・ボロネーゼのファクトリーで生産している「アヴェンタドール」の生産台数が生産開始から9年目にして、1万台に達したと発表した。シャシーナンバー“10000”の「アヴェンタドールSVJロードスター」は、Grigio Acheso(グレー)のボディにRosso Mimir(レッド)のカラーリングが施され、内装はアド・ペルソナムのRosso Alala(レッド)とブラックの配色で、タイのオーナーへ送られるという。

 アヴェンタドールは2011年発表。最初に登場したのはクーペバージョンの「アヴェンタドールLP 700-4」で、新しく導入された技術によって、スーパースポーツカーの世界で新たなスタンダードを確立。サンタアガタ・ボロネーゼのファクトリーで生産された革新的なカーボンファイバーのモノコックボディは、コクピット、フロア、ルーフが一体となった独特の“シングルシェル”構造で、剛性が極めて高く、最高のダイナミクス性能とパッシブセーフティを実現している。

アヴェンタドールLP 700-4

 アヴェンタドールLP 700-4用に新型高性能V12エンジンも開発。最高出力515kW(700HP)/8250rpmのエンジンは、発売当時のスーパースポーツカー界で新しいベンチマークとなり、わずか2.9秒で0-100km/h加速、最高速度350km/hを可能とした。また、アヴェンタドールのISRロボタイズド・トランスミッションは超高速シフトを保証し、プッシュロッド式サスペンションはレーシングカー並みのドライビング精度をもたらす。また、上に向かって開くアイコニックなドアは、伝説的なカウンタックやそれに続くV12モデルと同タイプとなる。

アヴェンタドール ロードスターバージョン

 2012年11月には、アヴェンタドールのロードスターバージョンを発表。フルカーボンファイバー製のルーフは2つのセクションで構成され、RTM成形やForged Compositeなどの技術を採用し、重量は6kg未満となる。リアピラーは、取り外し式のルーフを適切に支え、オートマチック・パッセンジャー・プロテクションシステムを組み込むことで、エンジンコンパートメントの換気が十分に行なわれるように設計されている。

アヴェンタドールJ

 2012年のジュネーブ・モーターショーでは「アヴェンタドールJ」を初公開。サンタアガタのデザイナーとエンジニアが、ルーフと従来型ウィンドスクリーンを取り払い、エクステリアとインテリアが互いに溶け込んで見える“オープン”スーパースポーツカーを生み出した。

 最高出力515kW(700HP)の2シーターで、ランボルギーニのカーボンファイバーテクノロジーにおける他の追随を許さない専門性を示す最先端の技術と素材を備えた。300km/hを超えるスピード走行を前提にしたデザインで、そのエクストリームな体験はすべて唯一無二の格別なものであることを表現。

 ランボルギーニ・アヴェンタドールJは公道走行の承認を受け、ワンオフとして世界でただ1つの芸術作品を所有することとなる幸運な愛好家のもとに送られた。

アヴェンタドール・ミウラ・オマージュ

 2016年「アヴェンタドール・ミウラ・オマージュ」を披露。ランボルギーニのV12スーパースポーツカーの先駆けであったミウラの50周年を記念し、アヴェンタドール・クーペをベースにミウラに敬意を表した特別なシリーズとなる。アド・ペルソナムが手掛け、わずか50台のみの限定生産だったアヴェンタドール・ミウラ・オマージュは、オリジナルのミウラの色や特徴が反映された。

 2016年には新しい空力デザイン、再設計されたサスペンション、さらなる高出力、完全に刷新されたドライビングダイナミクスが打ち出された新型「ランボルギーニ・アヴェンタドールS」も発表。「S」はランボルギーニのモデルの強化バージョンであることを示す。

アヴェンタドールS

 アヴェンタドールSは、最大出力が前モデルより30kW(40HP)アップした545kW(740HP)の自然吸気12気筒6.5リッターエンジンを搭載、ドライビングのスリル感をさらに高める4輪駆動、新しいアクティブサスペンション、革新的な4輪操舵システム、新ドライビングモードEGOという4つのエンジニアリングの傑作が採用された。EGOは、トラクション、ステアリング、サスペンションをSTRADA、SPORT、CORSAの中から好みに合わせて設定し、追加のコンフィギュレーションプロファイルとして選ぶことができるドライビングモードも搭載された。

アヴェンタドールSVJ

 2018年「アヴェンタドールSVJ」が登場。「SV」は、ランボルギーニ伝統の「Super veloce」の意味。「J」は「Jota」のJで、すぐれたサーキット性能とパフォーマンス性能を表している。アヴェンタドールSVJは、ドイツの有名なニュルブルクリンク北コースで20.6kmわずか6分44秒97のラップを出し、市販車最速記録を樹立。

 アヴェンタドールSVJ は、900台の限定生産となるが、カーボンファイバーを広範囲に使用したユニークなセットアップのスペシャルエディション「SVJ 63」は、アウトモビリ・ランボルギーニの設立年である1963年に敬意を表し、63台のみ限定生産された。どちらのモデルも、空力重視の新しいデザイン要素を特徴として、分離されたフロントスプリッターは浮かび上がるような印象を与えつつ、空気の流れを通すチャネルとしても機能する。

 フードの立体的なエアインテークは空気の流れを導き、リアスポイラーは最高の空力効率を発揮する設計。サイドフィン付きの新しいフロントバンパーには新しいエアインテークが設けられ、ランボルギーニが特許を取得したALA(Aerodinamica Lamborghini Attiva)システムを搭載する。

Aventador S by Skyler Grey

 2019年は、2つのアートコンセプトの融合を象徴した、ワンオフの「Aventador S by Skyler Grey」が公開された。1つは引き締まったライン、3次元的な立体感、往年の幾何学的・様式的デザイン要素を特徴とする独特のフォルムに数々の革新的な技術を搭載する、ランボルギーニとしての芸術性。

 もう1つはスカイラー・グレイ氏のストリートアートで、エアブラシ、スプレーガン、ローラー、ステンシルなどのストリートアートの主要テクニックを駆使し、彼独特のオレンジとイエローのポップなスタイルでクルマのボディを個性的に仕上げた。ペイント作業はランボルギーニの新しいペイントショップで3週間かけて行なわれ、高度で複雑な作業にも関わらず、サポートチームの支援もあり、初の公道仕様の4輪アート作品が誕生した。

Aventador S by Skyler Grey