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【ニュル24時間 2020】悪天候で9時間以上の中断など波乱のレースを制したのは#99 ROWE RACINGの「BMW M6 GT3」
10年ぶりにニュルに復帰したTOYO TIREが「GRスープラGT4」と「レクサス RC F」で参戦
2020年10月3日 11:36
- 2020年9月24日~27日(現地時間)開催
例年5~6月に開催されてきたが、新型コロナウイルスの影響で9月に延期となっていた「第48回 ニュルブルクリンク 24時間レース」が、9月24日~27日(現地時間)にわたって97台の参加で開催された。観客は土曜日のスタート時からグランドスタンドと1コーナーのメルセデスタワーに招かれたのみで、満席からは程遠い状態。ノルドシュライフェ(北コース)サイドのキャンプスペースはすべて立ち入り禁止で、日没も6月に比べて早く、雨の影響もあって暗いコースサイドだった。
レースはスタートから雨続き。寒く、視界不良、滑りやすいコンディションでスタート早々からスピンやガードレールにクラッシュするクルマが続出。夜中にはさらに雨が激しくなったために、22時40分前にレースは中断となった。雨が強く降り続いたために、0時30分の再開予定は27日の7時半前にピットオープンとなり、8時40分に再スタートとなるまでの9時間以上の中断となった。
再スタート後も雨が降ったり止んだりの厳しいコンディションの中、GT3マシンで争われるSP9クラスのゼッケン99番のアレクサンダー・シムス/ニッキー・キャッツバーグ/ニック・イェロイ/フィリップ・エンゲ組のBMW M6 GT3(ROWE RACING)が総合優勝を飾った。2位はゼッケン3番のミルコ・ボルトロッティ/ハース・クリストファー/ロビン・フライジン/マルクス・ヴィンケルホック組のアウディ R8 LMS GT3(Audi Sport Team)、3位は ゼッケン42番のアウグスト・ファルフス/イェンス・クリングマン/マーティン・トムチェク/シェルドン・ファンデルリンデ組のBMW M6 GT3(BMW Team Schnitzer)が表彰台に上がった。
特認車両が参戦するSP-Xクラスには、ゼッケン704番 スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス SCG 004c(Scuderia Cameron Glickenhaus)1台のみが参加。総合14位でレースを完走した。
日本人ドライバーも参戦
TOYOTA GAZOO Racing、STI(スバルテクニカルインターナショナル)、KONDOレーシングが参戦を見送った今年、10年ぶりにニュルに復帰したTOYO TIREが、Novel Racingとタッグを組みVLN初戦から参戦。何度もタイヤスペックを改良し開発を進め、「Novel Racing with Toyo Tires by Ring Racing」で東徹次郎/アンドレアス・グルデン/ミハエル・ティシュナー/朝日ターボ組の37号車 GRスープラGT4(SRO-GT4クラス)と、ドミニク・ファーンバッハー/小山佳延/朝日ターボ/クラウス・ヴォルカー組の54号車 レクサス RCF(SP8クラス)の2台体制で24時間レースに臨んだ(朝日ターボ選手はレクサス RC Fと Supra GT4のダブルエントリー)。
37号車のGRスープラGT4は、22時ごろに朝日ターボ選手がドライブ中にカルーセルコーナー手前でクラッシュ。サスペンションにダメージを受けながらもピットに戻り、約5時間を要して修復。直後に赤旗中断となり約9時間のレース中断に救われ、再開時にクラス上位と1周差でレースに復帰して健闘したものの、最終的には4名の各ドライバーに課せられた最低15周の規定周回数のルールを満たすことができず「DNC」扱いとなった。
ドミニク・ファーンバッハー/小山佳延/朝日ターボ/クラウス・ヴォルカー組の54号車のレクサス RCF(SP8クラス)は、木曜日のナイトセッションの予選中に大クラッシュを喫してしまう。修復に約20時間を要するも、再スタートに間に合わせ順調にクラストップで走行した。しかし、27日の10時30分ごろにエキゾーストのトラブルでピットイン。11時過ぎにも再びピットへ入り確認。11時30分ごろに駆動系のトラブルで振動が発生し、その振動がひどくなり走行不可能となったためコース上にマシンを止めリタイアに終わった(カルーセルコーナー手前)。
日本からは関豊選手もBMW F30 330iで参加したほか、河村直樹選手もトヨタカローラアルティスで TOYOTA GAZOO Racing team THAILANDから参戦した。
ホンダ シビック TCRも連覇を達成
ゼッケン170番のティアゴ・モンテイロ/ドミニク・フーゲル/マルクス・エストライヒ/エステバン・グエリエリ組のホンダ シビック TCR(Team Castrol Honda Racing)がTCRクラス優勝。視界不良のハードなコンディションの中、ドライバーはミスなしですべてのスティントを走行し、シビック TCRでニュルブルクリンク24時間連続優勝を遂げた。
【お詫びと訂正】記事初出時、37号車について正式リザルトと異なる結果を掲載していました。お詫びして訂正させていただきます。
なお、37号車については、最後の1周を車輛に搭載されているドライバーIDを表示する機械の切り替えをせずに走行した為、4名の各ドライバーに課せられた最低15周の規定周回数のルールを満たすことができず「DNC」という扱いになったとしている。