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メルセデス・ベンツ、EVオフロード「EQC4×42」のテスト走行を公開

ヘッドライトは音を出す「ランプスピーカー」へと進化

2020年10月13日(現地時間)発表

ワンオフで作られたEVオフロードマシン EQC4x42

 メルセデス・ベンツは10月13日(現地時間)、悪路を走破できるEVオフロード「EQC4x4 2 」のテスト走行の模様などを公開した。このテストにより、e-モビリティが都市だけでなくオフロードでも活躍できることを示した。

 このEQC4x4 2 は、開発エンジニアのJürgen Eberleのチームが、EQC 400 4MATICをベースにワンオフで制作した車両で、通常のEQCにオフロード用の4x4²サスペンションを取り付けたもの。ただし、サスペンションは標準サスペンションと同じポイントに取り付けられているという。

装着タイヤサイズは285/50R20

 ダイムラーAGの取締役会メンバーで、ダイムラーグループリサーチとメルセデス・ベンツカーズCOOを担当するメルセデス・ベンツAGのマーカス・シェーファー氏は「私たちの目的は、モダンな贅沢と持続可能性を感情的な魅力と組み合わせることにあります。EQC4x4²は、持続可能なモビリティがいかに楽しいかを示しています。これは、MBUX(Mercedes Benz User Experience)と無線アップデートのおかげで、EVのハイテクと魅力的な顧客体験が山に移されました。簡潔に言えば、電気的で進歩的な贅沢はオフロードになります。e-モビリティへの情熱とともに、メルセデス・ベンツはこの分野でのリーダーシップを強く主張しており、将来的にはこの分野の感情的な魅力をさらに高めるでしょう」と述べている。

 EQC4x4 2 は従来の車軸とは異なり、ポータル車軸への変換によって、ホイールは車軸の中心の高さではなく、ポータルギヤにより車軸ハブのはるかに低い位置に配置。これにより、車両全体がリフトアップした。

 その結果、地上高は293mmで市販車のEQC(140mm)の2倍以上の高さになり、渡渉深度は15cm増して40cmにもなる。また、アプローチアングルは31.8度、デパーチャーアングルは33.0度と同様に高められている。参考までに、Gクラスのアプローチアングルとデパーチャーアングルは28度となっている。

主要なオフロードデータ
EQC4x4²EQC(標準車)
アプローチアングル31.8度20.6度
デパーチャーアングル33.0度20.0度
ブレイクオーバー角度24.2度11.6度
最低地上高293mm140mm
渡渉深度400mm250mm

ヘッドライトがランプスピーカーに

 EQC4x4 2 のもう1つのハイライトは独自のサウンドシステムで、アクセルペダルの位置、車速、エネルギー回収率など、さまざまなパラメータの影響を受け音響を生成するもの。このテクノロジーは、インテリジェントなサウンドデザインアルゴリズムを使用して、サウンドシステムのアンプからのサウンドをリアルタイムで計算し、スピーカーから再生する。

 市販車のEQCは、法律で義務付けられている外部ノイズジェネレーターAVAS(Acoustic Vehicle Alerting System=車両接近通報装置)を使用して音を再生するが、このEQC4x4 2 は専用の強力なAVASを備えていて、さらにメルセデス・ベンツの音響専門家がヘッドライトハウジング内のスペースを利用し、ヘッドライト自体を外部スピーカーとして使用することで「ランプスピーカー」が誕生したという。