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TSRホンダ、EWC(世界耐久選手権)参戦体制発表会 新たに高橋裕紀選手を起用

高橋選手「2021年にシリーズチャンピオン獲得の記者会見ができるよう精進します」

2020年11月7日 発表

新たに加入した高橋裕紀選手(左)と藤井正和チーム総監督(右)

 F.C.C TSR Honda FranceチームでFIM EWC(世界耐久選手権)に参戦しているTSR/TECHNICAL SPORTS RACINGの監督である藤井正和氏は11月7日、2021シーズンの参戦体制について新たなライダーとして高橋裕紀選手を起用し、ジョシュ・フック選手、マイク・ディメリオ選手の3人態勢で臨むことを記者発表会で明かした。

 FIM EWCは世界を舞台に転戦しているバイクの耐久レース。F.C.C TSR Honda FranceはFIM EWCにおいて、2017-2018シーズンに参戦わずか3年目にして日本チーム史上初となるワールドチャンピオンを獲得。しかし、4年目となった2018-2019シーズンは惜しくもチャンピオンを逃し総合2位。そして2019-2020シーズンは、新型コロナウイルスの影響により鈴鹿が中止になるなど、後半戦のスケジュールに大幅な変更が入り、8月のル・マン24時間耐久レースで見事に優勝したものの、最終戦のエストリル12時間耐久レース(ポルトガル)は2位となり、シーズンランキングを3位で終えた。

CBR1000RR-R Fireblade(TSR-EWC耐久仕様)

 F.C.C TSR Honda Franceは、この優勝したル・マン24時間耐久レースからホンダの新型バイク「CBR1000RR-R Fireblade」を投入していて、今回新たに加わった高橋選手はCBR1000RR-R Firebladeで新設された「2020 全日本ロードレース選手権ST1000」のシリーズチャンピオンを獲得していることからも、来期の活躍が期待される。

高橋裕紀選手経歴(抜粋):2004年に全日本ロードレース選手権250ccクラスチャンピオンを獲得。2005年~2013年までMotoGP世界選手権(GP250クラス、MotoGP Moto2クラス)に参戦し優勝3回。2012年は鈴鹿8時間耐久レース2位。2013年は鈴鹿8時間耐久レース6位。2014年は全日本ロードレース選手権J-GP2チャンピオン。2015年はARRC SS600チャンピオン。2020年に全日本ロードレース選手権ST1000チャンピオン

 会見で高橋選手は「このチームなら念願の世界チャンピオンを本当に獲れると思い加入を決めました。他のライダーの足を引っ張らないように、しっかりと準備をして戦いたいと思っています。そして2021年にこの場所でシリーズチャンピオン獲得の記者会見ができるように精進します」とコメント。

F.C.C TSR Honda France チーム総監督 藤井正和氏

 また、チーム監督の藤井正和氏は高橋選手を起用した理由について「実は同じ町内に住んでいるですよ。というのは冗談のようで半分本当なんですけど、彼が日々トレーニングしていることも知っているし、ホンダにしっかり乗れるライダーがいないか聞いたところ、彼の名前が出てきて、実際に走ってもらったら素晴らしかった。こういう出会いって運命めいたものがあるんですよ」と語った。

 続けて耐久レースに関する想いと2021シーズンの目標について「耐久レースは、自分の人生そのものです。こんなに楽しいことは、まだまだやめられない。だからこそ来年は絶対に総合優勝。そのためにオフシーズン中にかなりの距離を走り込もうと考えています。このCBR1000RR-R Firebladeは、まだまだ進化する余地がありますからね」と締めくくった。

 なお、FIM EWC2021シーズンは、2019-2020シーズンのスケジュール変更に伴い、9月スタートではなく、4月から開始され、12月に最終戦を予定している。

FIM EWC2021シーズン(※11月7日現在のもので変更の可能性もあり)

第1戦 4月16日~17日 ル・マン24時間耐久レース(フランス)
第2戦 5月20日~23日 オッシャースレーベン8時間耐久レース(ドイツ)
第3戦 7月15日~18日 鈴鹿8時間耐久レース(日本)
第4戦 9月 ボルドール24時間耐久レース(フランス)
第5戦 12月 セパン8時間耐久レース(マレーシア)

2021シーズンの活躍を誓う2人が握手を交わした