ニュース

アウディ、カスタマーチームによる2020年のレースシーンを振り返る

世界中で開催された478のレースで、122回の勝利を含む361回の表彰台を獲得

2020年12月14日(現地時間) 発表

 アウディAGは12月14日(現地時間)、2020年に世界中で行なわれたカスタマーチームによるレース活動の報告を行なった。

 アウディはフォーミュラEやDTM(ドイツツーリングカー選手権)といったファクトリー参戦と並び、同社のマシンでレースに参戦するプライベートチームを支援する「カスタマーレーシング」に力を入れている。日本においてもアウディ ジャパンがこの活動を積極的に推進しており、2020年はSUPER GT GT300クラス、スーパー耐久シリーズのST-Zクラス/ST-TCRクラス、TCR ジャパンシリーズに参戦する6チーム6台のカスタマーチームをサポートした。

 2020年は新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響により、全世界で行なわれたレース数は約37%減少したというが、Audi Sport customer racingの各モデルは2019年と同様に各カテゴリーで成功を収めたと報告。発表によると、世界中で開催された478のレースで、Audi Sportカスタマーチームから1285台のレースカーが参戦し、122回の勝利を含む361回の表彰台を獲得。チャンピオンシップにおいては、12のドライバーズタイトルと22のクラス優勝を果たしたという。

 この結果を受け、Audi Sport customer racing統括責任者のクリス・ラインケ氏は、「世界中で成功を収めたカスタマーチームの皆さまの健闘を称え、御礼を申し上げます。2020年シーズンは、これまでにない困難に直面しました。エネルギーに満ちた私たちのチームは、ロックダウンが解除され、大幅に遅れてスタートしたシーズンにおいて、Audi Sport customer racingの歴史に残る驚くべき結果を、再び達成しました」と述べている。

 各カテゴリーの戦績は以下のとおり。

GT3クラス

10月に鈴鹿サーキットで行なわれた2020 SUPER GT第6戦「SUZUKA GT 300km RACE」のGT300クラスで優勝を果たした#21 Audi Team Hitotsuyama(川端伸太朗/近藤翼組)

 Audi R8 LMSが151のレースに参戦し、48回の優勝を含む合計139回の表彰台を獲得。表彰台獲得率は約92%で、ほぼ全てのレースで少なくとも1回の表彰台を獲得したことになるという。その中にはアウディ ジャパンとパートナーシップ契約を締結しているAudi Team HitotsuyamaのAudi R8 LMS #21川端伸太朗選手、近藤翼選手による、2020 SUPER GT第6戦「SUZUKA GT 300km RACE」優勝も含まれる。

GT World Challenge Europe Sprint Cupでは7人のドライバーがタイトルを獲得

 2020年シーズンには、GT World Challenge Europe Sprint CupにおけるベルギーのAudi Club Team WRT(ドリス・バンスール/チャールズ・ウェーツ組)を含めて、7人のドライバーがタイトルを獲得するとともに、他の8つのチャンピオンシップ争いに絡んだ。

GT4クラス

GT4レーシングシリーズではグレゴリー・ギルバート/ファビアン・ミッシェル組が3年連続でPro-Amクラスを制す

 Audi R8 LMS GT4では、2019年と比較して勝率が18.5%から22%に向上。フランス国内で行なわれているGT4レーシングシリーズでは、最大7台のAudi R8 LMS GT4がプライベートチームから参戦し、長年のパートナーであるSainteloc Racingがグレゴリー・ギルバート/ファビアン・ミッシェル組が3年連続でPro-Amクラスを制した。FFSA GTチャンピオンシップにおける24年の歴史の中で、2名のドライバーコンビが連続でタイトルを獲得したのは初めてのことという。

TCRクラス

TCR Europeではメディー・ベナーニ選手がドライバーズタイトルとチームタイトルを獲得

 4年目のシーズンを迎えたTCRツーリングカーでは、Audi RS 3 LMSが今回初めて、世界レベル、ヨーロッパレベル、ドイツ、ニュージーランドでタイトルを獲得した。

 TCRレーシングシリーズであるFIA WTCRでは、ジレス・マグナス選手擁するComtoyou Racingがルーキークラスでタイトルを手中に収めた。ベルギーを拠点とするComtoyou Racingは、TCR Europeでもメディー・ベナーニ選手がドライバーズタイトルとチームタイトルを獲得し、ニコラス・バート選手がルーキカテゴリーを制している。

ジレス・マグナス選手擁するComtoyou Racingがルーキークラスでタイトルを手中に
Comtoyou Racing

 ニュルブルクリンク耐久シリーズでは、ヘルマン・ボック選手擁するカスタマーチームのBonk MotorsportがSP3Tクラスで初優勝を遂げ、ニュージーランドで開催された耐久レースでは、Track Tec Racingが2つのクラスで勝利した。

 日本では、2019年の耐久レースにおけるタイトルに続き、2つのスプリントレースでアウディカスタマーチームが初タイトルを獲得。TCRジャパンでは、土曜日(Saturday Series)と日曜日(Sunday Series)にチャンピオンシップを分けてレースが開催され、Audi Team HitotsuyamaのAudi RS 3 LMS #21篠原拓朗選手がSaturday Seriesにおいて最終戦を待つことなく早々とタイトルを確定させた。

 また、TCR Beneluxではカナダのザッカリー・バーニエー選手とニコラス・バート選手がドライバーズタイトルを獲得。219回開催されたレースに、Audi Sportのカスタマーチームから529台のレースカーが参戦し、49回の優勝を含めて159回の表彰台を獲得している。

カナダのザッカリー・バーニエー選手

24時間レース

ドバイ24時間レースのTCRクラス

 ドバイ24時間レースのTCRクラスでは、トム・ボーネン/ギルス・マグナス/ステファン・ペリン/ヴィンセント・ラダーメッカ/マシュー・タスキネン組が勝利を収めた。この勝利は、アウディにとって2017年に続く2回目の優勝となっている。

 富士24時間レースでは、Audi RS 3 LMSで参戦したカスタマーチームがTCRクラスにおいて3年連続で優勝。スーパー耐久シリーズの初戦となった「富士SUPER TEC 24時間レース」のST-TCRクラスで、WAIMARAMA KIZUNA RACINGのAudi RS 3 LMS #22のキズナ/千代勝正/安田裕信/大草りき/山野直也/吉田寿博の各選手が見事な優勝を果たした。

 ニュルブルクリンク24時間レースでは、WS RacingチームのGiti Tire Motorsportが、SP8クラスでトップチェッカーを受けた。このレースでは、Audi R8 LMS GT4のステアリングを握ったクリスチャン・ジェスペン/カリ-ペッカ・ラクソネン/ヤン・ソーレンセン/ローランド・ワシュカウ組が優勝している。