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【鈴鹿10時間 2019】Audi Sport カスタマーレーシングの取り組みを統括責任者 クリス・ラインケ氏が説明

GT2、GT3、GT4、TCRマシンを供給するAudi Sport カスタマーレーシング

2019年8月24日 発表

GT2のAudi R8 LMS GT2

 アウディ ジャパンは8月24日、“2019 第48回サマーエンデュランス「BH オークション SMBC 鈴鹿10時間耐久レース」”(以下SUZUKA 10H)が開催されている三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットにおいて記者会見を開催し、新型モデルの「RS 5 スポーツバック」「R8」、R8の限定モデル「R8 Decennium」を公開した(それぞれの詳細は別記事を参照)。

 その中でアウディ ジャパン 代表取締役社長 フィリップ・ノアック氏がアウディのモータースポーツの歴史を紹介したほか、鈴鹿10時間耐久レースのために来日したAudi Sport カスタマーレーシング 統括責任者 クリス・ラインケ氏が、アウディのスポーツブランドである「Audi Sport」によるカスタマーレーシングの現状に関して説明を行なった。

V10エンジン10周年記念限定モデル「R8 Decennium(デセニウム)」を前にするアウディ ジャパン株式会社 代表取締役社長 フィリップ・ノアック氏(左)とAudi Sport カスタマーレーシング 統括責任者 クリス・ラインケ氏

モータースポーツはアウディのDNAだとアウディ ジャパンのノアック社長

アウディ ジャパン株式会社 代表取締役社長 フィリップ・ノアック氏

 アウディ ジャパンのノアック氏は「アウディにとってモータースポーツはDNAだ。アウディの歴史はモータースポーツと共にあり、1912年に投入したAudi 14/35 PS Type C、1980年代にラリーで大活躍をしたAudi Sports Quattro、そして1999年~2016年までのル・マン24時間レースでは通算13回の優勝を果たすなどの実績を残した」とアウディのモータースポーツの歴史を振り返った。

トラック(サーキット)で生まれ、ロード(公道)のために作られるアウディの車両
アウディブランドの変遷
Audi 14/35 PS Type C
ル・マン24時間レースでは13回優勝

 アウディはモータースポーツに熱心に取り組んでいる会社として知られており、1980年代の前半にはAudi Quattroのブランド名で知られる4WD車両でWRCに参戦しチャンピオンを獲得している。その後、1999年からはル・マン24時間レースへの挑戦を開始し、2016年の末に撤退を決めるまで13回の優勝を果たしている。その中にはディーゼルエンジンを搭載した車両での初めての優勝、さらにはハイブリッドシステムを搭載した車両での初めての優勝も含まれており、さまざまな技術的なチャレンジを行なった結果としての13勝となっている。

アウディが力を入れているカスタマーレーシングの活動

Audi Sport カスタマーレーシング責任者 クリス・ラインケ氏

 現在のアウディのモータースポーツ活動は、2つの柱から構成されている。1つは本国ドイツを中心に行なわれているDTMへの参戦で、こちらは日本の自動車メーカーがSUPER GTのGT500に参戦しているのと同じように、メーカーとしてのワークス活動になる。そしてもう1つが、カスタマーレーシングと呼ばれるメーカーが販売するレーシングカーを利用して行なわれるレースへのサポートになる。現在グローバルに、このカスタマーレーシングは発展を続けており、各メーカーとも力を入れて販売とサポートを行なっている。アウディも、同社のモータースポーツ部門である「Audi Sport」がレーシングカーの販売とサポートを担当している。

Audi Sport カスマターレーシング 統括責任者 クリス・ラインケ氏(右)がカスタマーレーシングに提供している4台を紹介
TCR規格のAudi RS 3 LMS
FIA-GT3のAudi R8 LMS
Audi R8 LMSは今年のニュルブルクリンク24時間レースで総合優勝を果たした
エントリー向けFIA-GT4のAudi R8 LMS GT4

 Audi Sport カスマターレーシング 統括責任者のラインケ氏は同社のカスタマーレーシングの現状について説明した。ラインケ氏は「Audi Sportsブランドのカスタマーレーシング用の車両は現在4つラインナップしている。今回のSUZUKA 10Hにも参戦しているチームが利用しているAudi R8 LMS、TCR規格のAudi RS 3 LMS、さらに先週米国で発表したばかりの新しいGT2規格向けのAudi R8 LMS GT2、そして廉価価格対向けのAudi R8 LMS GT4だ」と述べ、今回のSUZUKA 10Hで利用されているFIA-GT3向けの車両だけでなく、TCR、GT2、GT4向けの製品など複数のカテゴリーに向けたカスタマーレーシングカーを用意していると説明した。

 そして、今回のSUZUKA 10HにAudi R8 LMSを利用して参戦している3つのチームを紹介した。最初に紹介したのは日本のチームであるAudi Team Hitotsuyamaで、21号車 Audi R8 LMS GT3(Audi Team Hitotsuyama、リチャード・ライアン/富田竜一郎/アレッシオ・ピカリエロ組)、そしてその次に25号車 Audi R8 LMS GT3 Evo(Audi Sport Team WRT、ケルビン・ファン・デル・リンデ/ドリス・バンスール/フレデリック・ヴェルヴィッシュ組)と125号車 Audi R8 LMS GT3 Evo(Audi Sport Team Absolute Racing、マーカス・ウィンケルホック/クリストファー・ミース/クリストファー・ハース組)のクルーをそれぞれ紹介した。

日本のSUPER GTでもお馴染み21号車 Audi R8 LMS GT3(Audi Team Hitotsuyama、リチャード・ライアン/富田竜一郎/アレッシオ・ピカリエロ組)
25号車 Audi R8 LMS GT3 Evo(Audi Sport Team WRT、ケルビン・ファン・デル・リンデ/ドリス・バンスール/フレデリック・ヴェルヴィッシュ組)
125号車 Audi R8 LMS GT3 Evo(Audi Sport Team Absolute Racing、マーカス・ウィンケルホック/クリストファー・ミース/クリストファー・ハース組)
壇上で記念撮影に応じる関係者