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日産、ワーケーションしたくなる2台の「NV350 キャラバン」と「ノート」のアウトドア仕様を徹底チェック
東京オートサロン2021に出展予定だった車両の全貌が明らかに
2021年2月5日 17:08
日産自動車は、「東京オートサロン2021」に出展を予定していた車両を「NISSAN CUSTOMIZE 2021」という特設ページで公開している。そして今回、NISSAN CUSTOMIZE 2021内から3台のコンセプトモデル(うち1台は初公開)の実車が報道陣に公開されたので、それら車両について紹介していこう。
新しい仕事環境を提案するコンセプトモデル「NV350 キャラバン オフィスポッド コンセプト」
広い空間を持つNV350 キャラバンは、配送や建築関係の仕事で重宝されるだけでなく、アウトドア趣味や車中泊用のクルマとしてのカスタマイズ人気も高かったが、近ごろは在宅勤務をする層から「集中できる仕事部屋」として使いたいというニーズが出てきたことで注目されている。そこで日産は「未来の自由な働き方にあわせて、好きな場所で仕事ができる環境を作る」という視点から、NV350 キャラバンをベースにした「NV350 キャラバン オフィスポッド コンセプト」を製作したという。
NV350 キャラバン オフィスポッド コンセプトの最大の特徴は、車内に組み込まれた「オフィスポッド」と呼ぶ装備。これはデスク、チェア、壁面が一体になったモジュールで、NV350 キャラバンのラゲッジスペースを利用したオフィススペースと連結するよう積みこまれている。
オフィスポッドを搭載した状態でリアのスライドドアを開けて乗り込むと、そこは室内形状を活かした細長いデスクを持つ1人用のオフィスとして使用できる。駐車場に駐めたクルマが自分専用のオフィスになることは便利と言うだけでなく、子供のころに憧れたであろう「秘密基地」的な魅力もあって、出勤がワクワクするものになりそうだ。
さらにオフィスポッドは、フロアに引かれたレールに沿って車外へ作業スペース部分を引き出せる構造なので、通勤コースとは逆の方向にクルマを走らせ、自然が豊富なアウトドアフィールドでオフィスポッドを外に出せば開放的な環境で仕事をすることもできるのだ。
在宅勤務を導入する企業が増えてきているこの時代、クルマの中を仕事場にするというスタイルは広まりそうなだけにNV350 キャラバン オフィスポッド コンセプトはショーモデルで終わらず、市販化に向けて開発を進めて欲しいクルマである。
日産とオグショーのコラボモデル「NV350 キャラバン オグショー ES モビリティコンセプト」
キャンピングカー製作などを行なうオグショーとのコラボレーションモデル。こちらは仕事とレジャーの両方で使えることを目的とした作りになっている。
リアスペースには「フィリップベッド(日産専用仕様)」を装備。片側が跳ね上げできるので車中泊のときは広々としたベッドとして使いつつ、トランスポーター使用時はベンチとしても使用できる。また、会議室などで使用する長机を車内に持ち込めば、2~3人が並んでPC作業等の机仕事ができるワークスペースにもなる。
こちらのモデルはコンセプトではなく「プロトタイプ」という表記だったので、今後の発売が計画されている。ワーケーションというスタイルを楽しみたい人はこのクルマの登場を期待していて欲しい。
アウトドアフィールドが似合う新型ノートベースのコンセプトモデル
最後に紹介するのは、新型「ノート」をベースにした「NOTE PLAY GEAR CONCEPT」。アウトドアフィールドが似合うスポーティなイメージだが、開発のコンセプトは新型ノートのオリジナルデザインを活かすことを意識したものだという。
ボディカラーはマットダークグレイメタリックのラッピングにピンクゴールドのアクセントラインをあわせたものだが、ラッピングシートでボディを覆った際はボディ細かな形状が分かりにくくなることもある。そこで新型ノートのオリジナルデザインで「角」になっている部分に沿ってピングゴールドのピンストライプ入れることで形状をハッキリと見せていた。
形状をはっきり見せるという工夫は、ボディ下部に装着されているフロントバンパーフィニッシャー、サイドシルフィニッシャー、リアバンパーフィニッシャーの仕上げにも用いられていた。ここもピンクゴールドでラッピングされているが、実はこのカラー、クロームメッキのラッピングシートの上に薄い色を塗った半透明のラミネートを重ねて作ったもの。これは地の色を別のシートを透過させることで、元の色(今回はメッキ)とは異なる風合いに見せるラッピングのテクニックを用いて作ったものだ。
その効果により印刷で色を載せているシートには見えないほど、アルミ地肌っぽい金属感が表現できている。また、このシートは光の反射も独特で、とくに影がキレイに出るため、各フィニッシャーのような複雑な面を持つパーツをより立体的に見せることができるという。
Aピラーからルーフ、そしてCピラーに掛けての色分けは、東京モーターショー 2019で公開されたEV(電気自動車)「アリア コンセプト」などでも使われいるもので、現在の日産が作るコンセプトカーでのデザイントレンドでもあるという。ちなみに、コンセプトカーはこれから世に出るクルマの原型でもあるので、そのコンセプトカーに採用されるデザインは次世代のクルマのデザインの原型でもあるとのことだった。
デザイン性を重視したコンセプトモデルには不似合い? とも思えるドアバイザー(すでにオプション設定されているもの)を装着していたが、ドアバイザーの質感はウィンドウやピラーと似ているため、一部にゴム素材が使われる窓枠が見えるより、ドアバイザーを装着することでサイドビューがキレイに落ち着く。そういう意味での採用だった。
また、ミラーは上部がグロスブラックを残しているが、これはウィンドウ部分との一体感を出すためのものという。ノート用のバイザーはデザイナーから見ても形状、カラーとも優れていて「超お勧めのアイテムです」とのことだ。
このNOTE PLAY GEAR CONCEPTは女性ユーザー向けにデザインをしたとのことだったが、男性が乗っても似合いそうだし、幅広い年齢層にも合いそうなだけに市販を期待したい1台だ。