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ピース総数1458個の大人向け「レゴ ポルシェ 911」を約7時間かけて組み立ててみた
想像をはるかに超えるクオリティの高さと驚きの連続。作業工程の一部始終を録画した動画も公開
2021年3月8日 11:05
大人が本気で楽しめるコンセプトのレゴブロック
誰しも幼少期に「ブロック遊び」を楽しんだことがあると思うけれど、大人になるにつれて疎遠になっている人がほとんどではないでしょうか? 1つ1つピースを組み上げていく工程と、完成したときに得られる達成感は年齢には関係ないもの。
ブロックの老舗メーカーである「レゴ」の故郷デンマークでは、大人になってもブロック遊びをするのが当たり前の文化となっているそうです。そのためレゴブロックは以前より「大人向け」の商品を展開し、アプリと連動して自動演奏するグランドピアノ、フラワーブーケや盆栽、著名人や映画のキャラクターをモザイクアート風に作る新たなシリーズなど幅広いジャンルを展開。最近はコロナ禍の影響もあり「お家時間をより充実させたい」という高まるニーズに合致して売り上げも好調とのこと。
今回3月1日に発売されたばかりの大人向けの「レゴ ポルシェ 911」を実際に作ってみたので、その工程をレポートしたいと思います。ピース総数はなんと1458個! 個人的な趣味のガンプラ(ガンダムのプラモデル)でも1000ピースを超えるキットは未だに作ったことがないし、パズルだって絵柄にもよりますが約1500ピースを作るなんて想像を絶しますよね?
最後に組み立て作業の一部始終をタイムラプスで録画した動画がありますので、ぜひご覧ください。
レゴ ポルシェ 911は、袋に小分けにされているピースを順番に組み立てていきます。まずは1番の袋を開封。プラットフォームを作る工程なので、大きめのピースが多いです。図を使って分かりやすい組み立て説明書の通りにテキパキと組み立てていきます。仕上がりは白いボディのポルシェ 911ですが、赤・青・黄・緑などカラフルなピースも入っています。説明書を見てはピースを探して組み立てるの繰り返し作業なのですが、組んでいる途中は自分がどの部分を作っているのかまったく見当がつきません。
図解で分かりやすい組み立て説明書
ところが、その見当がつかない塊たちが、いきなり完成した姿を現します。「えっ! さっき組んだピースって、この部分だったの!? 嘘でしょ」の連発です。先日参加した展示説明会「レゴとポルシェが共同開発した大人向け「レゴ ポルシェ 911」はこうして生まれた!」にて、ポルシェジャパン広報部の黒岩氏が「この説明書が凄いんですよ。もう本当に神がかっているんです!」と、自身が組み立ててた感想をかなりの熱量で語ってくれたのですが、自分で作ってみて納得。制作中に「か、神がかっている…」とたぶん100回くらいつぶやきました。
また、この説明書の分かりやすさのポイントは、左右をそれぞれ別々に図解している点です。よくある取説だと「反対側用にこれと同じものをもう1つ作ります」という解説で済ませることが多いですが、この説明書は反対側も向きを逆にして、きちんと説明してくれるので、説明書の図と同じ向きにピースを持ちながら組み立てられるのです。当然ページ総数は増えますが、誰でも作りやすいようにという心意気を感じずにはいられません。
また途中で「こんなにカラフルなピースを使う必要ないのでは?」と思ったのですが、この色分けが組み立てやすくするための工夫であると気が付きました。このキットがすべて白と黒とグレーの部品だったら……恐ろしく難易度が高くなることは間違いありません。
序盤はレゴ自体に不慣れなため「あれ? このピースが見当たらないぞ」とか「ん? これちゃんとハマらないけれど説明書のミスかな?」なんて疑念を抱くことがありましたが、もちろんすべて自分が原因でした。ピースの向きや使うピースなど必ず何かを間違えているんです(当たり前か……)。
また、組み立てている途中に「ここはもっと長い既存ピースを使えばいいのに」なんて思う箇所が多々あるのですが、それも浅はかな考えでした。組み立てるだけでなく、バラすときのことも考えてあるのだと後で分かりました。組み立てやすく、バラしやすい。1回だけでなく、何度でもバラして、何度でも自由に組み立てて楽しむ。こんなところにも「ジョイ オブ ビルディング(Joy of Building)=作ることの楽しさ」というレゴのスピリッツを感じられました。
絶妙なクリアランスとピースの使い方に驚くばかり
先日の展示会で解説があった通り、この「レゴ ポルシェ 911」は99%が既存ピースを使用していて、専用に作られたピースはリアクォーターのフライラインとターボモデルのリアオーバーフェンダーのみです。
ほぼ既存ピースというのも驚きなのですが、実はもう1点驚いたのが完成サイズです。ミニカーやプラモデルはパッケージに「1/●スケール」と基本的に表記されていますが、レゴ ポルシェ 911の箱にはない。その理由はいたって単純で「既存のタイヤからサイズを決めているので、正確な1/●という設定はない」ということです。スケールの値が正確じゃなくても特に影響はないように感じるかもしれませんが、タイヤありきでボディサイズを逆算で決められちゃうのに、そこに既存ピースを割り振って99%が完成するのだから、いったいレゴには既存ピースは何種類あるのだろうか……想像もできない。
確かに作っている途中「こんなピースも既製品にあるんだ……」とか「このピースをこうやって使うなんて、よく思いつくなぁ」と、ひたすら感心するばかりでした。
リアフェンダーはフォルクスワーゲンのビートルの型をベースに専用に作られたという。ポルシェとフォルクスワーゲンは同じドイツ生まれの自動車メーカーで、はるか昔から強いつながりがあるが、レゴの中でも同様につながりが生まれるなんて運命を感じてしまいます。
1~10の袋のうち7まではターボモデルとタルガモデル共通ピースで、ここで分岐点となります。ターボモデルは8と9の袋、タルガモデルは8と10の袋を使って仕上げていきます。まずは、オーバーフェンダーとウイングの付いて迫力のあるターボモデルを組み上げました。
全集中はそんなに続かないので、途中休憩を取りつつ半日かけて組み立てましたが、作業時間はのべ約7時間弱。レゴジャパンの人が「早い人でも4時間~5時間はかかりますよ」と言っていて、そんなにかかるのかなと思いましたが、単純にピース点数が多いため、どうしてもそのくらいかかってしまいます。恐るべしピース総数1458個。とはいえ組み立てている最中は無我夢中になっていて、時間の経過すら忘れてしまうほど没入してしまうこと間違いなし。そして完成したときの達成感はたまりません!
たまにイベントで「レゴブロックで原寸大を作りました!」という展示物が飾ってありますが、ポルシェ 911の組み立てが終盤に差し掛かる頃、いろいろなピースの使い方を見て触れてきた結果、「レゴならどんな形でも作れちゃうんだろうなぁ」と実感しました。
ターボモデルからタルガモデルへ組み換えが可能
この「レゴ ポルシェ 911」は2イン1というキットになっていて、「ターボ」モデルと「タルガ」モデルの、どちらでも組み上げられるようになっています。最初にオーバーフェンダーとウイングの付いたターボモデルを組み上げましたが、シンプルなタルガモデルも魅力的なので、早々に組み直しを実践。
後でまたターボモデルに組み直したいので、できる限りバラさずに組み替えたいなと思いましたが、8の袋はターボとタルガ共用になので、どうしてもある程度はバラさなければなりません。「ターボモデルではウイングに使っているピースをこんなところに使うのか!」と、また驚きの連続でした。この組み換え作業は約1時間くらいで完了。1つのパッケージで2種類の完成スタイルを作れるなんて、本当に贅沢なキットです。
なお「レゴ ポルシェ911」は「全国のレゴストア」で購入できます。価格はオープンプライスです。