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ポルシェ、新型「911 ターボ S」は新開発3.8リッターターボで650PS/800Nmを発生

0-200km/h加速は先代から1秒短縮の8.9秒

2020年3月3日(現地時間) 発表

新型「911 ターボ S」のクーペ(左)とカブリオレ(右)

 ポルシェは3月3日(現地時間)、911シリーズのトップエンドに位置付ける新型「911 ターボ S」を発表した。

 クーペとカブリオレの2つのボディをラインアップする新しい911 ターボ Sでは、強化されたドライビングダイナミクスに合わせてボディサイズを拡大。フロントアクスル上部は45mmワイドな1840mm、リアアクスル上部は20mmワイドな1900mmになったことで、トレッド幅はフロントが42mm、リア10mmが広くなっている。

 アダプティブエアロダイナミクスとしてフロントの制御式クーリングエアフラップを備え、さらに大きなダウンフォースを提供する大型リアウイングを採用。エアロダイナミクスの改善が図られている。また、4WDとなる911 ターボ Sで初めて前後で異なるサイズのタイヤを採用。フロントに20インチホイール(タイヤサイズは255/35)、リアに21インチホイール(タイヤサイズは315/30)を装着する。

 このほかに新しい装備オプションとして、車高を10mm低く設定するポルシェ アクティブサスペンションマネジメント(PASM)スポーツシャシー、調節可能なフラップを備えるスポーツエグゾーストシステムなどを用意して、俊敏性とスポーツ性を向上させている。

新しい911 ターボ Sはトレッド幅がフロントで42mm、リアで10mm広くなって強化されたドライビングダイナミクスに対応

 新しい3.8リッター水平対向ツインターボエンジンは、現行モデルの911 カレラで採用している水平対向 3.0リッターツインターボエンジンをベースに使いつつ、完全に再設計された給気冷却システム、電動調整可能なウエストゲートフラップを備えた対称レイアウトの新しい大型VTGターボチャージャー、応答性や出力、トルク特性、エミッション挙動、吹け上がり性能などに関する特性を大幅に改善するピエゾインジェクターの導入などを実施。これらにより、先代モデルから70PS/50Nm増となる最高出力478kW(650PS)、最大トルク800Nmを発生する。

 このほかにパワートレーンでは、ターボ車専用の8速PDK(ポルシェ ドッペルクップルング)と強化された4WDシステム「ポルシェ トラクションマネジメント」を採用。4WDシステムでは最大で500Nmのトルクをフロントタイヤに供給し、0-100km/h加速タイムは先代モデルから0.2秒短縮の2.7秒、新型の性能向上で最も顕著になるという0-200km/h加速は先代モデルから1秒短縮の8.9秒を実現。最高速は330km/hとなっている。

0-200km/h加速は先代モデルから1秒短縮の8.9秒を実現

 フロントマスクではワイドなエアインテークとデュアルフロントライトモジュール、標準装備のダークインサート付LEDマトリックスヘッドライトを採用。再設計された空気圧展開式フロントスポイラーと大型リアウイングによってダウンフォースは15%強化され、エアインテークを統合する力強いリアウイングセクションが新型911 ターボ Sの流線型ボディを強調する。リアビューではハイグロスブラックの角型テールパイプを備え、新しいリアエンドを引き立てている。

 インテリアではフルレザーインテリアとライトシルバーのアクセントを組み合わるカーボントリムを標準装備し、スポーティな高級感を演出。18ウェイスポーツシートには、911シリーズ初のターボモデルとなった「タイプ 930」に敬意を表するステッチも施されている。センターコンソールにあるPCM(ポルシェ・コミュニケーション・マネージメントシステム)のセンターディスプレイは10.9インチとなり、新しいアーキテクチャーの採用で運転に集中しつつ迅速に操作可能としている。

スポーティな高級感を演出するフルレザーインテリアなどを採用。18ウェイスポーツシートには、911シリーズ初のターボモデル「タイプ 930」に敬意を表するステッチも施される