ニュース

セレンス、会話型AIプラットフォーム「セレンス ドライブ」がAndroid Autoで利用可能に

2021年3月30日(現地時間)発表

 自動車業界向けにAI技術を提供するセレンスは3月30日(現地時間)、会話型AIプラットフォーム「セレンス ドライブ(Cerence Drive)」が、Android Autoを動かすアンドロイド オートモーティブOS上で利用可能になったと発表した。

 これにより自動車メーカーは、Android Autoに自社ブランドの会話型アシスタントを構築することが可能となる。セレンスの新しいAIプラットフォームは、自動車メーカーにとって最も重要な、自社ブランド体験、車両とドライバーのデータ制御、複数の企業によるエコシステムで統合された共存性と使いやすさを提供できるようになると同社は強調している。

 また、ネイティブのデジタルアシスタントがグーグル アシスタントを含むグーグル オートモーティブ サービスとシームレスな共存性を確立することで、自動車メーカーはドライバーの使用状況や相互作用について詳細に把握することができ、改善やアップデートおよび継続的なイノベーションのための豊富なデータを取得することができるという。

 セレンスCEOのサンジェイ・ダワン氏は「アンドロイド オートモーティブOS上に拡張されたセレンス ドライブ プラットフォームは、ドライバーに対してより特別にブランド化されたコネクテッドエクスペリエンスを提供しようとしている自動車メーカーの障壁や障害を取り除きます。この2つの強力なプラットフォームをOSに依存しないアプローチで統合することにより、セレンスは車内のエコシステムの真の共存を実現し、さまざまなアプローチで、ドライバーにとってより安全で直感的なエクスペリエンスの提供を実現します」と述べている。

 アンドロイド オートモーティブOS上でセレンス ドライブを実行することで、自動車メーカーはセレンスが開発したカスタムブランドのオートモーティブアシスタントを、ドライバーが通常利用する対話型インターフェースとして設定できるようになり、ドライバーは複数の目的を指示する「マルチインテントサポート」、運転席以外でも音声操作が可能な「マルチシートインテリジェンス」、「音声信号処理」「ノイズキャンセリング」など、インテリジェントでカスタマイズ可能なモビリティ会話型AIアシスタントを利用できる。

 SBDオートモーティブのシニアコネクテッドカースペシャリストであるファハド・ハミード氏は「車載音声サービスの競争は続いており、主要な自動車メーカーはパーソナライズされた音声コントロールによってブランドの差別化を図ろうとしています。相互運用性を確保し、より広い範囲での展開が検討できるように、音声ソリューションプロバイダーは、自動車メーカーが選択する異なるプラットフォームやエコシステムに対応する必要があります」と述べている。