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セレンス、車載音声アシスタント「Cerence ARK Assistant」の米英語版
中国語に続きアメリカ英語、さらに他の言語も開発を予定
2020年5月16日 09:17
- 2020年5月12日(現地時間)発表
自動車業界に向けてAI技術を提供するセレンスは5月15日、アメリカ英語対応のターンキー型車載音声アシスタント「Cerence ARK Assistant」を発表した。
Cerence ARK Assistantは、セレンスの音声とAIイノベーションをベースに構築され、2019年12月に中国市場向けに発売された車載音声アシスタントに必要な機能とユーザーインターフェースをパッケージ化した、セレンス初のオフ・ザ・シェルフをアメリカ英語版へと拡張させた製品。セレンスは、中国語およびアメリカ英語に加えて、他の言語でも製品を予定しているという。
現在ドライバーから、インテリジェントなAI音声アシスタントに対する需要が加速し続けている。自動車メーカーは競争力を維持するためにも、モデルイヤー(自動車の製造年度)の境界を越えてスピーディに展開する必要に迫られている。
実際に米国オンライン・メディアVoicebot.aiの最新レポートによると、米国では車内での音声アシスタントの利用が増え続け、過去15ヶ月でアクティブユーザーが約15%増加。さらに、米国の成人の約60%は、新車購入時に音声アシスタントは検討要素であると回答し、そのうち20%は優先度が高いと答えたという。
そこでセレンスの誇る性能、柔軟性、幅広い機能を保持しながら、車載音声アシスタントの迅速な開発、導入、管理を自動車メーカーに提供し、車載ソフトウェアとクラウドサービスを組み合わせたターンキー型製品で、自動車メーカーによる音声アシスタントの開発期間50%以上短縮を目指す。
セレンスのコア製品担当エグゼクティブ・バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーであるステファン・オルトマン氏は「車載音声アシスタントの利用が急激に増加し、消費者がアクセスを求めるようになる中、Cerence ARK Assistantは、自動車メーカーが競合他社に先んじて堅牢なソリューションを提供できる画期的な製品として開発されました。これらの新たにパッケージ化されたイノベーションにより、セレンスは最先端の音声ソリューションを提供してきた数十年の経験に加え、3~6ヶ月の短期間で製品を市場に投入できる俊敏性を自動車メーカーに提供します」と述べている。
自動車メーカーやサプライヤーは、音声アシスタントに対する消費者の需要に応えるために、これまでにないスピードで技術革新を余儀なくされているが、Cerence ARK Assistantを活用することで、最小限のカスタマイズやチューニングで、ドライバーや同乗者へ優れた車内体験とコンテンツ提供が可能になる。
Cerence ARK Assistantの主な機能とメリット
音声認識:最高レベルの認識精度
世界最高レベルの音声認識と自然言語理解技術を提供。設定不要な音声アシスタントは、最高の認識精度だけではなく、最高のタスク完了率を誇る
音声出力:品質の高い音声合成
世界でもっとも自然で人間が話しているような音声合成(Text-to-Speech:TTS)は、ドライバーや同乗者に没入感のあるインタラクティブな車内体験を提供する
コンテンツとサービス:ダッシュボード上のコンシェルジュ
カーナビゲーション、音楽、目的地検索などのドメインやスキル、コンテンツサービスを音声でサポートし、パーソナルアシスタント体験を提供。ルート案内、充電ステーション検索、トップ40のヒット曲検索などは各ドメインに対するセレンスの深い専門知識によって実現される
車両統合:コックピットについてのノウハウ
20年以上にわたる車載音声アシスタントの開発経験および自動車に関する豊富な知識を活かし、Cerence Drive Assistantを車内にある数百のセンサーや、回路、システムと統合できるように設計。市場に出回っている他の音声アシスタントは、車載環境への適応にはさまざまな追加作業が必要になるが、Cerence ARK Assistantはあらかじめ車載専用として開発している
データプライバシー:個人情報は財産
情報化時代の今日、データの重要性は非常に高く、自動車メーカーおよび顧客データを保護し、顧客の個人情報を自社の利益に利用しようとするベンダーに情報共有はしない
オープンなプラットフォーム:コラボレーションを可能に
Cerence Drive Assistantは、Android向けに開発されているが、そのほか多くのオペレーティングシステム(OS)に対応し、相互運用が可能。自動車メーカーは特定のOSに縛られず、QNX、Linux、LG、Microsoftなど、最適なOSを選択できる
柔軟性とモジュール化:独自の製品開発が可能
AI音声対話プラットフォームに独自機能を追加するための開発環境「Cerence Studio」、および、ワールドクラスのプロフェッショナルサービスチームのサポートを利用することで、自動車メーカーと製品開発者は独自の車内体験を開発することが可能