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Manthey-Racingのポルシェが総合優勝した「ニュルブルクリンク24時間レース 2021」レポート

2021年6月3日~6日(現地時間) 開催

総合優勝をしたゼッケン911番のManthey-Racingのポルシェ911 GT3 R

 ニュルブルクリンク24時間耐久レース「第49回 ADAC・トタル24時間レース」が6月3日~6日(現地時間)に開催された。

 同レースには122台の参加があり決勝グリッドに並んだのは121台。総合優勝は、SP9(FIA GT3)クラスのゼッケン911番のカイロール・マッテオ/マイケル・クリステンセン/エストレ・ケビン/カーン・ラーズ組 (Manthey-Racing)のポルシェ「911 GT3 R」。チームは創立25周年、2年ぶりの参戦で通算7勝目をあげた。

24hトロフィー
総合優勝をしたゼッケン911番のManthey-Racingのポルシェ911 GT3 R
総合優勝をしたゼッケン911番のManthey-Racingのポルシェ911 GT3 R

 総合2位は、ゼッケン98番のコナー・デ・フィリッピ/マーティン・トムチェク/シェルドン・ファン・デル・リンデ/マルコ・ヴィットマン組(ROWE RACING)のBMW「M6 GT3」。総合3位は、ゼッケン7番のマクシミリアン・ゴッツ/ダニエル・ジュンカデラ/ラファエル・マルチェッロ組(Mercedes-AMG Team GetSpeed)の「Mercedes-AMG GT3」。

 日本勢としては2020年に続き2021年もスバル STI、Gazoo Racing、KONDO RACINGは参戦を見送ったが、5人の日本人ドライバーが参戦。

 ゼッケン54番の松井猛敏/フォルカー・クラウス/ヴァイリヒ・ヴィルヘム/朝日ターボ組のレクサス「RC F」(SP8クラス)と、ゼッケン72番の東徹次郎/マイケル・ティッシュナー/ヘイコ・トエンゲス/朝日ターボ組のトヨタ「スープラ」(SP10クラス)が「Novel Racing with Toyo Tires by Ring Racing」から2020年に続きトーヨータイヤとタッグを組んで参戦。レクサスRC Fは総合54位、クラス2位。トヨタ スープラは総合64位、クラス6位で完走。

総合54位、SP8クラス2位でレースを終えた Novel Racing with Toyo Tires by Ring RacingのレクサスRC F
総合64位、クラス6位のNovel Racing with Toyo Tires by Ring Racingのトヨタ スープラ

 また、ゼッケン160番のBMW「F30 330i」で参戦の関豊選手は Manheller Racing から6年連続、通算8年目の参戦で総合61位、V2Tクラス4位で完走。河村直樹選手は2021年もトヨタ「カローラアルティス」でTOYOTA GAZOO Racing team THAILANDから参戦して総合73位、SP3クラス優勝した。

 2020年は2年連続クラス優勝を果たしたティエゴ・モンテイロらが駆るゼッケン172番の Honda Civic TCR (Autohaus M.Fugel e.K)は総合で43位、TCRクラスで3位に終わった。

 特認車両が参戦するSP-Xクラスのゼッケン704番 スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス SCG 004c(Glickenhaus Racing LLC)は、デビューした2020年は総合14位と健闘。2021年も総合20位、クラス2位と健闘した。99台が完走。

99台が完走

観客は抗体検査かPCR検査、ワクチンを接種した人のみに

 グランドスタンドと1コーナーのメルセデスタワーの観客は全員が、抗体検査かPCR検査、またはワクチンを接種した人のみ。ノルドシュライフェ(北コース)のサイドのキャンプスペースは入場制限をしており観客はまばらだった。ドライバー、クルー、メディアほかパドック周辺からピットにおいてもPCR検査の陰性証明書が必須の上、FFP2タイプのマスクの着用が義務(二重マスク)の態勢でレースは開催された。

 レースはグランプリコース上はドライでスタートするも、ノルドシュライフェのところどころが雨の状態。フォーメーションラップを終えてタイヤ交換のためピットに入るチームや2周目にタイヤを交換するチーム、タイヤ交換なしで続行するチームと別れた。

スタートシーン
スタートシーン
1周もしないうちに炎上するマシンが映し出される
薄暗いコースを走行する各マシン
クラッシュしたマシン
濃霧の中に消えていくマシン

 次第に雨は上がり、ほぼ止んだ状態で夜に突入。時間が経つにつれ霧が深くなって視界不良でクラッシュが多発する危険な状態となったため、夜の22時前に赤旗中断となった。

夜の22時前に赤旗が出てレースが中断したピットまわり

6月6日11時40分に再スタート

6日の朝10時過ぎからグリッドに並び始めるマシン

 翌6日朝の10時30分スタートを目処に各車グリッドにつくが、濃霧は晴れずわるくなるばかり。1時間を待ってもその状態は変わらなかった。

6日の朝10時過ぎからグリッドに並び始めるマシン
濃霧は晴れずわるくなるばかり
Novel Racing with Toyo Tires by Ring Racingの日本人ドライバーたち
通算8年目の参戦となる関豊選手
総合43位、TCRクラス3位に終わった Honda Civic TCRのティエゴ・モンテイロ選手
マロ・エンゲル選手
2020年の覇者アレクサンダー・シムス選手
フィリップ・エング選手(ROWE RACING)

 6日11時40分に濃霧の中フォーメーションラップが開始されて再スタート。午後になると霧は晴れてコースは完全にドライに変わった。

濃霧の中際スタートする各マシン、先頭はフィリップ・エングの ROWE RACINGのBMW M6 GT3

 総合順位では、それまでトップを走行していたゼッケン1番のニッキー・キャッツバーグ/ジョン・エドワーズ/フィリップ・エング/ニック・イェロリー組の(ROWE RACING)のBMW「M6 GT3」が13時前後にピットに入りリタイア。

ROWE RACING
Manthey-Racing

 日本勢では、6日14時前後にSP8クラスの優勝争いをしていたNovel Racingのレクサス「RC F」が、カルーゼルコーナーの1つ前のステイルトレックコーナーで、スピンしてコースに復帰してきたマシンを避けようとしてタイヤバリアに突っ込んでしまいマシンにダメージを負う。しかし、ピットに戻り応急処置を施してコースへ復帰して総合54位、クラス2位を獲得した。

14時前後、スピンしてコースに復帰したマシンを避けようとタイヤバリアにクラッシュしたレクサスRC F(ドライバーはヴァイリヒ・ヴィルヘム選手から朝日ターボ選手に交代)
Novel Racing の渡邊卓監督
東徹次郎に交代するゼッケン72番のトヨタ スープラ
TOYOTA GAZOO Racing team THAILANDの河村直樹選手
クラッシュしてボンネットが開いたままピットに戻ったマシン。あの手この手で応急処置をする
ピットロードでストップしてしまいクルーに押されるマシン

 レース後、2020年に続きレクサス「RC F」とトヨタ「スープラ」のダブルエントリーしたNovel Racingの朝日ターボ選手は「2021年はいい流れでレースに挑むことができました。結果は単にスピードの差です。2020年はTOYO TIREとも1年目でしたのでいろいろまわりが見えてなくてミスが多かったのですが、2021年は日本でもオフにテストして課題を調整し、安定したコンディションで挑めました」とコメントしている。

2020年に続きレクサスRC Fとトヨタ スープラのダブルエントリーしたNovel Racingの朝日ターボ選手