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トヨタ、WRC第7戦で20歳のロバンペラ選手が初優勝 WRC史上最年少優勝記録更新

2021年7月19日 発表

ヨンネ・ハルットゥネン選手とカッレ・ロバンペラ選手

 TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(トヨタ自動車)は7月19日、WRC(2021年FIA世界ラリー選手権)第7戦ラリー・エストニアにおいて、ヤリスWRC 69号車のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組がWRC初優勝を飾ったと発表した。

 カッレ・ロバンペラ選手の20歳と290日という初優勝記録は、同チーム代表のヤリ-マティ・ラトバラ氏が2008年に打ち立てた、22歳というWRC史上最年少優勝記録を更新。また、カッレ・ロバンペラ選手の実父であるハリ・ロバンペラ氏は2001年にWRCスウェディッシュ・ラリーで優勝しており、親子二代でのWRC優勝が実現した。

 今回のロバンペラ選手の勝利により、チームは第3戦メキシコから5戦連続優勝を達成。また、7戦中6勝と好調を維持しており、マニュファクチャラー選手権においても、2位のヒュンダイと59ポイント差で首位の座を守った。

カッレ・ロバンペラ選手

 WRC初優勝を果たしたロバンペラ選手は「優勝することができて本当にいい気分です。優勝を目標に戦ってきたので、チームには本当に感謝しています。今年は私にとって難しい年でしたが、彼らは手厚くサポートしてくれましたし、クルマのフィーリングもチームもとてもよかったです。また、最年少優勝という記録を残せたことも、とても嬉しいです。ヤリ-マティは、自分が持つ記録を私に更新してほしいと言ってくれていたので、とても意味のある勝利です。今日は思いのほかフィーリングがよく、プレッシャーを感じることなく普通に走れましたし、ペースもよかったです。一度勝つことによって重圧から解放され、気持ちも楽になるので、今回の優勝は私にとって大きな助けになるはずです」とコメントしている。

 なお、総合4位にはヤリスWRC 1号車のセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組が、総合5位にはヤリスWRC 33号車のエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組が入った。オジエ選手はドライバー選手権首位を堅持して、同じく選手権2位を守ったエバンス選手との差を37ポイントに拡大した。

1号車(セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組)
33号車(エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組)

チームオーナー豊田章男氏のコメント全文

 チームの優勝に対して、チームオーナーの豊田章男氏がコメントを発表した。以下はその全文である。

 カッレ、ヨンネ、ラリー・エストニア優勝おめでとう!

 やっと2人に気持ちよく走ってもらえたこと、本当にホッとしています。そう思っているのは僕だけではないはず。2人の苦しい走りを見ていたチームのみんながホッとしていたに違いありません。ただ、1人だけ複雑な気持ちになっていたメンバーが、もしかしたらいたかもしれません…。

 ヤリ-マティが持っていた22歳というWRC最年少勝利記録を、20歳のカッレが破りました。ヤリ-マティはどんな気持ちでカッレを見守っていたのか?チームに聞いてみたら、同じフィンランド出身の若者が自分のチームで記録を塗り替えてくれたことを素直に喜んでいたそうです。そんなチーム代表がいることをチームオーナーとして嬉しく、誇らしく思いました。

 今回、勝利したヤリスはエストニアにある我々のチームの工場で組みあげたクルマです。エストニアも我々のホームコースです。シーズン折り返しの戦いが我々の母国での勝利となり、そのことも本当に嬉しく思っています。前半戦、我々のチームの誰かが必ずポディウムに立っていました。本当に頼もしいチームです。

 シーズン後半は10月にラリー・フィンランド、11月には最終戦ラリー・ジャパンと母国での戦いが続きます。

 ファンの皆さま、今回も応援ありがとうございました。引き続き、TOYOTA GAZOO Racingをよろしくお願いいたします。

ラリー・エストニア(現地時間7月18日18時時点のリザルト)

1:カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ ヤリス WRC)
2:クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (ヒュンダイ i20クーペ WRC)
3:ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒュンダイ i20クーペ WRC)
4:セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (トヨタ ヤリス WRC)
5:エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ ヤリス WRC)
6:テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ (フォード フィエスタ WRC)
7:ピエール=ルイ・ルーベ/フローリアン・オー-ラボルデット (ヒュンダイ i20クーペ WRC)
8:アレクセイ・ルクヤヌク/ヤロスラフ・フェドロフ (シュコダ ファビア Rally2 Evo)
9:アンドレアス・ミケルセン/オーラ・フローネ (シュコダ ファビア Rally2 Evo)
10:マッズ・オストベルグ/トルシュテン・エリクソン (シトロエン C3 Rally2)