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トヨタ、WRC第5戦で1-2フィニッシュ オジエ選手が今季3勝目

2021年6月6日(現地時間) 発表

左からジュリアン・イングラシア選手、セバスチャン・オジエ選手

 TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(トヨタ自動車)は6月6日(現地時間)、WRC(2021年FIA世界ラリー選手権)第5戦ラリー・イタリア サルディニアで、「ヤリスWRC」1号車のセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組が優勝したと発表した。

 オジエ選手は今シーズン3回目の優勝。ドライバー選手権では2位エバンス選手に対するリードを11ポイントに拡大し、選手権リーダーの座を守った。オジエ選手のサルディニアでの優勝は2015年以来で、通算4回目。また、チームにとっては初めてのサルディニア制覇となった。

 また、33号車のエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組も総合2位に入り、チームはマニュファクチャラー選手権首位の座を守った。チームについては今シーズン開幕からの5戦で4勝し、そのうち3戦で1-2フィニッシュを達成するなど好調を維持。マニュファクチャラー選手権首位を守り、2位のヒュンダイに対するリードを49ポイントに拡大した。

表彰式

 優勝したオジエ選手は「信じられないような週末でした。サルディニアでこのような結果を残せるとは、正直思っていませんでした。初日の出走順が1、2番手だったにも関わらず、チームが1-2フィニッシュを飾ることができたのは本当に素晴らしいです。ポルトガルでは思うようなスピードで走れませんでしたが、その後すぐに改善がなされ、今回はいいフィーリングで走れたのでうれしかったです。残念ながら、パワーステージではかなり水量の多いウォータースプラッシュで一時的にミスファイアが起きてしまいましたが、ボーナスの2ポイントを獲得できたのは、チャンピオンシップを考えるとよかったと思います。このリズムを維持することができれば今後も自信を持ってラリーに臨めますが、もちろん、そう簡単ではないでしょう」とコメントした。

 なお、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムにより、ヤリスWRCの18号車で出場した勝田貴元/ダニエル・バリット組は、前戦に続き総合4位を獲得してトップ4に3台のヤリスWRCが入った。カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)は総合25位で完走している。

 勝田選手は、前戦のラリー・ポルトガルに続きWRC自己最高記録の総合4位でフィニッシュし、開幕から5戦連続でポイントを獲得してドライバー選手権5位に順位を上げた。なお、コ・ドライバーのダニエル・バリット選手が高い気温によって熱中症気味になったが、ラリー後に医師の診断を受け、体に問題がないことが確認された。

 チームの1-2フィニッシュに対して、チームオーナーの豊田章男氏がコメントを発表した、以下はその全文である。

豊田章男氏のコメント全文

 チームのみんな、やっと海で泳ぐことができますね!おめでとう!

 ワンツーフィニッシュで飛び込めたからしょっぱい海水さえも最高の味に感じると思います。一昨年、私もそこの海辺にいました。

 バスタオルと着替えも用意して、どうやって飛び込んだら安全かなんて考えていました。しかし、最終ステージでトップを走っていたヤリスが突然のスローダウン…ドライバーだったオィットには今でも申し訳なく思っています。

 セブ、ジュリアン
 エルフィン、スコット
 君たちがあの難しいサルディニアの道を走りきってくれたおかげで、僕たちは海の水がこんなにおいしいということを初めて知ることができます。みんなの走りに心から感謝します。そして、この2年間、クルマの信頼性を高め続けてくれたメンバーにも感謝しています。本当にありがとう!(と書きましたが、ゴールの場所が今までと変わっていましたね。もしかしてみんな飛び込んでないのかな?)

 カッレとヨンネには申し訳ないことをしました。われわれには、まだまだやるべきことがたくさん残っていると思います。

 ヤリ-マティ
 海から上がって体を乾かしたら、またみんなと一緒にヤリスをもっと強いクルマにしていってください。よろしく頼みます!

 次はケニア。われわれにとっては未知の道。
 ファンの皆さま引き続き、ご声援をよろしくお願いいたします。

 追伸 ダンへ
クルマは直せばまた走れる。だけど君がいなかったら貴元は走れない。貴元もダンの体のことを第一に考えて、最後は無理せずゴールを目指す決断をしてくれたと思います。2人の決断に感謝。そして、とにかく健康第一!

ラリー・イタリア サルディニア結果

1位:セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (トヨタ ヤリス WRC)
2位:エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ ヤリス WRC)
3位:ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒュンダイ i20クーペ WRC)
4位:勝田貴元/ダニエル・バリット (トヨタ ヤリス WRC)
5位:ヤリ・フッツネン/ミッコ・ルッカ (ヒュンダイ i20 R5)
6位:マッズ・オストベルグ/トルシュテン・エリクソン (シトロエン C3 Rally2)
7位:ヨアン・ロッセル/アレクサンドレ・コリア (シトロエン C3 Rally2)
8位:ペペ・ロペス/ディエゴ・ファレホ (シュコダ ファビアRally2 Evo)
9位:ハン・ソランス/ロドリゴ・サンファン (シトロエン C3 Rally2)
10位:マルコ・ブラチア/マルセロ・デル・オハネシアン (シュコダ ファビアRally2 Evo)

33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)