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ピレリ、EVやSUVなど重い車両用の「HLタイヤ」を発表 高級EVセダンのルシード エアが初採用
2021年7月27日 15:49
- 2021年7月15日(現地時間) 発表
通常のタイヤよりも高荷重に耐えられる構造
ピレリは7月15日(現地時間)、EV(電気自動車)やハイブリッドカー、SUVなど重い車両用に、高荷重用を意味する「HL(ハイロード)」の文字を使用した新タイプの「HLタイヤ」を発表した。
このサイドウォールにHL(ハイロード)マークが刻印されているタイヤは、欧州のETRTO規格に準拠していて、スタンダードロードタイヤに比べて負荷能力を20%増やすことができるほか、同タイヤサイズのエクストラロード(XL)タイヤに比べても、さらに6~9%の負荷能力を増やすことができる性能を有するという。
2021年の後半から米国で生産・販売される米ルシード モーターズの高級EVセダンである「Lucid Air(ルシード エア)」が、このHLタイヤを市販車として初採用。装着する「P ZERO」のサイズは、フロントが「HL 245/35R21 99 Y XL」で、リアが「HL 265/35R21 103 Y XL」で完全な専用設計という。
このルシード エア用P ZEROは、ピレリの「パーフェクトフィット戦略」により自動車メーカーと共同開発していて、自動車メーカーの要求性能を十分にクリアしているという。また、サイドウォールには、ルシード エア専用を示す「LM1」マークも刻印される。
ピレリのR&Dおよびサイバー担当上級副社長のピエランジェロ・ミザーニ氏は「最先端の技術的ソリューションを追求することは、常にピレリのビジネスの中心にあります。サステイナブルモビリティの新しい形に注目しているわれわれは、自動車メーカーが新しい電気自動車やハイブリッド車に求める、将来的な要求レベルを先取りして達成しています。タイヤには、これからもますます特別な性能が求められるようになっていくことでしょう」と述べている。
また、ルシード モーターズのプロダクト担当シニアバイスプレジデント兼チーフエンジニアのエリック・バッハ氏は「ルシード エアは、効率と性能の面で技術的なブレークスルーを示しています。ピレリの新しいHLタイヤは、そのようなベンチマークを達成するために不可欠なものです」とコメントしている。
このオーダーメイドのルシード エア用P ZEROは、「ELECT」と「PNCSテクノロジー」を搭載。ELECTは低い転がり抵抗で航続距離を伸ばし、タイヤの回転時の騒音を抑えて快適性を向上させるもので、電気式トランスミッションで発生するトルクにタイヤのグリップが瞬時に応答できるように配合設計しつつ、車両の重いバッテリーの重量を支えるタイヤ構造も採用。さらに、車室内の快適性を高めるために、特殊な吸音材をタイヤの内側に配置したPNCSテクノロジーも採用していて、タイヤ内に発生する空洞共鳴音を吸収し、車両側への伝播を抑制。このシステムの効果は、車室内でも車外でも実感できるという。