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横浜ゴム、オリックス自動車とタイヤソリューションサービスの実証実験を開始

2021年8月11日 発表

タイヤ空気圧の遠隔監視システム(TPRS)の実証実験イメージ

乗用車用タイヤの生産財化を見据えた活動を開始

 横浜ゴムは8月11日、オリックス自動車の協力を得て、新たなタイヤソリューションサービスとして開発したタイヤ空気圧の遠隔監視システム「TPRS(Tire air Pressure Remote access System)」の実証実験を8月より開始したと発表した。

 実証実験はオリックス自動車のカーシェアリング事業であるオリックスカーシェアの車両にTPRSを導入し、東京都と神奈川県の首都圏の一部で実施される。

 今回の実証実験はCASE、MaaSなど自動車業界の変革に対し、TPRSの効果を検証するもの。タイヤメンテナンスの省力化や精度の高いタイヤ管理、効率的なメンテナンス計画など車両保有者にとっての有効性を探るとともに、安定的な安心・安全運行や燃費向上など車両利用者にとってのメリットを検証し、車両保有者と利用者双方の安全性や経済性の向上に貢献するビジネスモデルの確立を目指す。

 TPRSはタイヤの空気圧や温度、車両の位置情報をリアルタイムでリモート監視することができるシステムで、タイヤメンテナンスの大幅な省力化に加え、点検のバラツキ防止、異常検知による事故防止、適正な空気圧維持による燃費向上などに貢献し、検知データはリアルタイムでクラウドサーバーに保存される。

 これまでTPRSはより厳しいタイヤ管理が求められる運輸・物流事業者向けに展開してきたが、CASE、MaaSの発展による乗用車用タイヤの「生産財化」を見据え、乗用車向けの検証が開始された。

 横浜ゴムは2021年度~2023年度までの中期経営計画「Yokohama Transformation 2023(YX2023)」におけるCASE、MaaSへの対応策として、センシング機能を搭載したSensorTire(IoTタイヤ)の開発と機動的なサービス力の強化による新たなタイヤソリューションサービスの展開を目指している。2月には乗用車用タイヤセンサーの中長期的な技術開発ビジョン「SensorTire Technology Vision」を発表し、IoTタイヤから得られた情報をドライバーやさまざまな事業者に提供することで新たなモビリティ需要の変化に対応しつつ、安心・安全な運行に持続的に貢献することを目指している。また、この実現に向けた活動の一環として、異業種との実証実験を行なっているとのこと。